無縁仏
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無縁仏(むえんぼとけ)とは、供養する親族や縁者のいなくなった墓を指す。
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[編集] 概要
現代の日本では一般に死者は火葬され、墓に葬られ、子供や兄弟など親類縁者によって供養されるが、代を重ねるに連れ、墓の承継者の消滅などよって無縁化する。こうした墓は大都市の霊園では約10%を超えるほどあるともいわれ、こうして供養し、管理されなくなった墓は無縁仏として供養塔や無縁仏のみを集めた場所に合祀されたりする。
たとえ数代は供養する子孫が続いたとしても、縁者が遠方に移転したり、代が途切れたりすればいずれ無縁仏と化す。確率論的には子々孫々まで供養される可能性のほうがはるかに低く、すべての墓はいずれ無縁化する運命をたどる。一部にはこうした考えを背景に墓など作らず、自然葬や海洋散骨などの直接遺骨を海、山などの大自然の循環の中に返させようとする人々もある。これは都市部などに見られる墓地不足、墓園や宗教の商業主義に対する反感、宗教観の変化、核家族化、少子化による管理維持への不安などが背景にあるものと考えられる。
また、しばしば寺院、霊園などの広告に永代供養を謳うものが多いが、「永代」という言葉の使用による誤解からトラブルが多い。実際には10回忌、30回忌や50回忌までといった内規がある場合が多く注意が必要である。また、霊園の倒産、寺院の廃寺などによりこの「永代」も保証されるわけではもちろんない。元来が永代供養というのが、江戸時代に檀家の減少を補う目的で僧侶が発案した商業手法であり、本来は毎月の命日に小額ずつ受け取っていたお布施をまとめて集金する当時の新システムなのであった。現在の永代供養もその名残であるが、商品である以上、言語表現の誤認防止や費用の表示の透明化など早急な法の整備が望まれている。
[編集] 墓地、埋葬等に関する法律
1999年(平成11年)3月に新たに改正された墓地、埋葬等に関する法律により、墓地の使用者が死亡したり管理料の未納が3年間続いた場合には、「無縁墳墓に関する権利を有する者に対し、1年以内に申し出るべき旨を官報に掲載し、かつ無縁墳墓等の見易い場所に設置された立札に1年間掲示して公告し、その期間中にその申し出がなかった旨を記載した書面」を管轄する役所に提出することで無縁仏を自由に処分できるよう改正された。