火力発電所
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火力発電所(かりょくはつでんしょ)とは、石炭、石油、天然ガス(LNG)などを燃料とする火力発電による発電設備がある発電所を指す。
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[編集] 概要
日本で火力発電所を所有している会社は、主に10の地域電力会社(北海道電力、東北電力、東京電力、中部電力、北陸電力、関西電力、中国電力、四国電力、九州電力、沖縄電力)や電力卸売り会社(電源開発)である。
またJR東日本(川崎市川崎区)のように自家用発電所を持つ企業も少なくない。電力需要の大きな会社や蒸気を多用する会社の多くはボイラーによる火力発電設備が工場内の需要をまかなっているが、これらの設備は工場内に併設されているため、その工場が火力発電所と呼ばれることはない。電力自由化により、神戸製鋼所(神戸市灘区)などは新たに火力発電所を建設して、電力会社や法人へ電力の卸売りを始めている。
[編集] 立地
かつては、東京都足立区に存在した千住火力発電所(昭和30年代まで「お化け煙突」と呼ばれて地域のランドマークとして親しまれた)のように、電力需要の多い都市周辺に建設される場合が多かったが、送電技術の進歩や燃料の搬入の便などから、臨海地区の工場地帯に建設される場合が多い。
[編集] 石油火力発電所の新設禁止
第二次石油危機の発生を受けて、1979年5月に行われた第3回国際エネルギー機関(IEA)閣僚理事会において、「石炭利用拡大に関するIEA宣言」の採択が行われた。この宣言には石油火力発電所の新設禁止が盛りこまれていたため、それ以降日本でも原則として石油火力発電所を新設することが出来なくなった。そのため、現在建設される火力発電所は、石炭やLNG、あるいはそれらの混合等となっている。そしてそれ以前に建設されていた石油火力発電所も、石炭またはLNG火力発電への転換が促進された。[1]