正義
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正義(せいぎ、英:justice、独:Gerechtigkeit、仏:justice、羅:justitia)とは、狭義すなわち学術的な意味においては、各人に各人のものを配分すること、あるいは、一旦崩されたあるべき状態を回復すること、あるいは、何かを交換するにあたってそれが等価交換になるようにするという理念を意味する。1番目は配分的正義(あるいは分配的正義)、2番目は匡正的正義(あるいは矯正的正義、応報的正義、報償的正義、調整的正義)、3番目は交換的正義と呼ばれる。正義の実質的な内容を探究する学問分野は、正義論と呼ばれる。広義すなわち日本語の日常的な意味においては、道理に適った正しいこと全般を意味する。裁判所、警察、検察等がそれに当たる。一方テロリスト等の間違った正義を主張する者もいる。
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[編集] 定義
正義とは、各人に各人のものを配分すること、あるいは、一旦崩されたあるべき状態を回復すること、あるいは、何かを交換するにあたってそれが等価交換になるようにするという理念を意味する。このようなニュアンスは、英語の「正義」justiceに対応する形容詞が「ぴったり」「ちょうどよい」justという用法を持つことに現れている。これらの区別はアリストテレス以来、西欧哲学においては伝統的なものとなっている。配分ないし匡正の対象は多様であり、財産、権力、名誉などがこれに含まれる。このため、正義論は、政治学、経済学、法学、倫理学などの様々な分野で扱われてきた。
[編集] 配分的正義
配分的正義とは、各人に各人の配分すること、すなわち、各人がそれぞれ持つべきものを実際に持つように働きかけることである。配分的正義の特徴は、各人が何らかの事物に対する自己の相応しさに応じてそれを比例的に持つことを目標とする点にある。例えば、平等主義は、各人が何らかの対象を平等に(すなわち1:1で)持つべきであるとする立場であり、各人に各人のものを配分するという形式的指図の実質化である。このような基準は様々に考えられ、例えば、労働の対価を労働時間に応じて配分すべきだという基準が採用されるときには、2時間労働した人は1時間労働した人の倍額を受領するべきであり、また、労働の対価を実際の労働量に応じて配分すべきだという基準が採用されるときには、1時間で10個の製品を作った人は同じ時間で同質の5個の製品を作った人の倍額を受領すべきことになる(正当対価ないし正当価格の問題)。このような多様性のため、新カント派のラートブルフのように、配分的正義を理念として掲げながら、価値相対主義にもとづいて、その実質的内容を不問とする考え方もある。
[編集] 匡正的正義
匡正的正義とは、一旦破壊されたあるべき状態を回復すること、すなわち、各人が持っているべきものを奪われたとき、あるいは、各人が持つべきでないものを持っているときに、それを返還したり放棄したりするように働きかけることである。匡正的正義の典型的な例として、損害賠償や不当利得がある。匡正的正義の特徴は、各人が不正に失ったり受け取ったりしたものを、算術的計算によって再受領ないし返還しなければならないという点にある。例えば、AがBから100万円を盗んだときには、利息などを考慮しない限りにおいて、同額の100万円を返還しなければならない。
[編集] 正義論
[編集] 古代
[編集] 中世
[編集] 近代
[編集] 現代
一方、正義のない状態では社会秩序が保たれないとの危惧から、1971年にアメリカの哲学者ロールズは「正義論」を著し、相対主義下での正義を再構築しようと試み、カントやロック、ルソーなどの社会契約論に回帰する「公正としての正義」を主張した。
- 「公正としての正義」
- 第一原理、各人には基本的自由に対する平等の権利があること。
- 第二原理、社会的・経済的不平等は最も恵まれない人の利益を最大化するときにのみ許され(格差原理)、いかなる職務や地位につく可能性も全ての人に開かれていること(公正な機会均等の原理)
「無知のヴェール」の下で全ての人によって選択されるこれらの原理に適う制度の確立と、それによって統治される社会の安定性を説き、正義の規範理論を打ち立てようと試みた。
これをきっかけに正義に関する多くの論文が発表され、その勢いは「ロールズ研究産業」と呼ばれるほどで、今もその勢いは衰えず、彼が現代の正義の議論に対して与えた影響はとても大きなものであることがうかがえる。今日でも法哲学上で使われる正義は公正さに重きを置いており、一般に使われる正義とはややニュアンスが違う。ただし、その理論は演繹過剰のきらいがあり、実際の政策論議には妥当しないとも指摘されている[1]。
[編集] 脚注
この「正義」は、哲学に関連した書きかけ項目です。この記事を加筆・訂正して下さる協力者を求めています。(Portal:哲学) |