機雷敷設艦
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機雷敷設艦(きらいふせつかん)は機雷を海中に敷設するための海軍艦艇である。
[編集] 概要
機雷敷設艦の大きさは非常に幅があり、ボートのような排水量数百トンの小さな艦もあれば、駆逐艦のような数千トンある艦まであり多種多様である。 搭載する機雷とは別に、多くの機雷敷設艦は自艦防衛用の兵装を搭載している。潜水艦も機雷を敷設でき、アメリカ海軍のアルゴノート(USS SS-166)はそのような潜水艦の一例である。
おそらく、歴史上最も有名な機雷敷設艦は第一次世界大戦中のガリポリの戦いで名を馳せたトルコ海軍のヌスラットである。1915年3月18日、ヌスラットが敷設した機雷はイギリス海軍のイレジスティブルとオーシャン、ならびにフランス海軍の戦艦ブーヴェを撃沈するという大戦果を挙げた。また、さかのぼる1904年にはロシア海軍の機雷敷設艦アムールが設置した機雷により、日本海軍の戦艦初瀬と八島が撃沈されている。
現代において、大部分の海軍は機雷敷設艦を用いていない。機雷敷設の必要がある場合、例えばアメリカ海軍は航空機を使用し、自衛隊はうらが型掃海母艦が敷設艦を兼ねる。また、ロシア海軍では伝統的に多くの水上戦闘艦艇に機雷敷設用軌条を設けて、敷設艦としての運用を可能にしている。 今なお機雷敷設艦を所有する国は、機雷が有効な浅くて長い海岸線を持つ、韓国、ノルウェー、スウェーデン、フィンランドなどごく少数である。