森村誠一
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森村 誠一(もりむら せいいち、1933年1月2日 - )は、日本の小説家・作家。推理小説、時代小説、ノンフィクションなどを手がける。埼玉県熊谷市出身。埼玉県立熊谷商業高等学校、青山学院大学文学部英米文学科卒。
ホテル勤め(ホテルニューオータニなど)の経験があるため、ホテルを舞台にしたミステリが多い。また、若い時代に登山に熱中したことから、山岳を舞台とした作品も多い。また、作品の題名のネーミング・センスも抜群で、ベストセラー作家となった一因と思われる。
12歳にして、日本で最後(8月15日未明)の熊谷空襲を体験。のちの「反戦平和」の原体験となる。
大学卒業時点は、就職不況時代であったため、本人の希望しない大阪のホテルに就職。重役の娘と結婚するが、「コネで出世するのは本意ではない」と、ホテルニューオータニに転職。だが、ホテルマン時代の、「自分の個性を徹底的に消す」職場環境を、「鉄筋の畜舎」と感じ、耐え切れずに、ビジネススクールの講師へ転職。(「鉄筋の畜舎」時代への怒りは、初期エッセイで繰り返し、書かれている)
その後、ビジネス書の作家として出発し、1969年、『高層の死角』により第15回江戸川乱歩賞を受賞し、推理作家に転向。1973年、『腐食の構造』により第26回日本推理作家協会賞を受賞。 推理小説のシリーズキャラクターとして、棟居弘一良(棟居刑事シリーズ)、牛尾正直(終着駅シリーズ)を生み出している。
1977年に、松田優作主演で映画化された『人間の証明』を中心とした、角川書店の角川春樹社長のブロックバスター戦略の中心的存在となり、作品は大半が文庫化され、一躍、ベストセラー作家に。(なお、『人間の証明』は、映画化を前提に、角川春樹から依頼されて執筆した。続く『野生の証明』も、やはり映画化を前提で、角川春樹から依頼されて執筆。) 作品の累計発行部数は1億部を超える。
ノンフィクションの悪魔の飽食シリーズでは、旧日本軍第731部隊の実情を明らかにして話題を呼んだ。[1]。
護憲派として、九条の会の講演会などで発言を行っている。
同年代の作家として大藪春彦と交遊があり、森村は大藪の葬式で弔辞を読み上げた。
また「思想の違い」を乗り越えて、角川春樹とは同志的連帯感があり、角川春樹が麻薬事件で逮捕された時は、「角川書店の将来を考える会」を自ら主導して結成。その記録を『イカロスは甦るか―角川事件の死角』として出版した。(ちなみに、「角川書店の将来を考える会」の集会には、CLAMPも参加している)
最近では写真俳句に関心を持ち、旅行時や散歩時もカメラを持ち歩いている。写真俳句についての著作は『森村誠一の写真俳句のすすめ』(スパイス刊)がある。このことは2006年3月1日付けの朝日新聞「aspara NAXT-AGE」コーナーに掲載された。また、「アスパラ写真俳句塾」審査員もつとめる。
目次 |
[編集] 主要作品リスト
[編集] 棟居刑事シリーズ
- 棟居刑事の復讐
- 棟居刑事の情熱
- 棟居刑事の推理
- 棟居刑事の追跡
- 棟居刑事悪の山
- 棟居刑事の証明
- 棟居刑事の殺人の人脈
- 棟居刑事の憤怒
- 棟居刑事の殺人の衣裳
- 棟居刑事の断罪
- 棟居刑事の黙示録
- 棟居刑事の殺人交差路
- 棟居刑事の複合遺恨
- 棟居刑事の花の狩人
- 棟居刑事の凶縁
- 棟居刑事の悪夢の塔
- 棟居刑事の黒い祭
- 棟居刑事の「人間の海」
- 棟居刑事の悪の器
- 棟居刑事の砂漠の暗礁
- 棟居刑事の東京蛮族
- 棟居刑事の凶存凶栄
- 棟居刑事の東京夜会
- 棟居刑事の絆の証明
- 棟居刑事の荒野の証明
- 棟居刑事の一千万人の完全犯罪
- 棟居刑事の殺人の隙間
- 人間の証明
- 純白の証明
- 人間の条件
[編集] 牛尾刑事・事件簿シリーズ
- 終着駅
- 霧笛の余韻
- 殺人の債権
- 悪の条件
- 山の屍
[編集] 刺客請負人シリーズ
- 刺客請負人
- 死神の町
- 闇の処刑人
[編集] 本格推理・サスペンス・大河ロマン
- 高層の死角
- 密閉山脈
- 虹への旅券
- 虚構の空路
- 恐怖の骨格
- 鉄筋の畜舎
- 偽造の太陽
- 死媒蝶
- 致死眷属
- 腐食の構造
- 相死相愛
- 解体死書
- 黒の事件簿 サラリーマン・ブラック帳
- 太陽黒点
- 空洞星雲
- 凄愴圏
- 裂けた風雪
- 東京空港殺人事件
- 神より借りた砂漠
- 致死連盟
- 垂直の死海
- 青春の源流シリーズ
- 社奴
- 捜査線上のアリア
- 螺旋状の垂訓
- 社賊
- 銀河鉄道殺人事件
- 新幹線殺人事件
- 黒い墜落機(ファントム)
- 花刑
- 蜜葬
- 夜の虹
- 狙撃者の悲歌
- 明日なき者への供花
- 背徳の詩集
- 暗黒凶像
- 殺人の祭壇
- 夜行列車
- 暗黒流砂
- 殺人の花客
- ホームアウェイ
- 殺人の詩集
- 夕映えの殺意
- 純愛物語
- 殺人のスポットライト
- 復讐の花期 君の白い羽根を返せ
- 殺人プロムナード
- 流星の降る街
- 青春の神話
- 死の器
- 完全犯罪のエチュード
- 影の祭り
- 殺意の接点
- レジャーランド殺人事件
- 殺意の逆流
- 情熱の断罪
- 残酷な視界
- 肉食の食客
- 死を描く影絵
- エネミイ
- 深海の迷路
- マーダー・リング
- 殺意の造型
- ラストファミリー
- 夢の原色
- 魔少年
- 歪んだ空白
- 異常の太陽
- 凶学の巣
- 暗黒流砂
- 銀の虚城(ホテル)
- 指名手配
- 凶水系
- 科学的管理法殺人事件
- 青春の証明
- 精神分析殺人事件
- 鍵のかかる棺
- 霧の神話
- 殺意の重奏
- 青の魔性
[編集] アクション小説
- 星の陣
[編集] ホラー小説
- ファミリー
[編集] 時代小説
[編集] エッセイ
- ロマンの寄木細工
- ロマンの象牙細工
- ピラミッド社会の底辺から
- たった一人からの発想 証明の原型
[編集] CDブックス
- 日本国憲法前文と九条の歌―CDブックス (あけび書房、2004年) ISBN 4871540510
[編集] 脚注
- ^ 「悪魔の飽食」シリーズには、匿名証言のみによっていて信憑性が乏しいなどの批判があり、ノンフィクションとは言い難いとする主張も一部にある。