栞と紙魚子
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『栞と紙魚子』(しおりとしみこ)は諸星大二郎の漫画。少女向けホラー雑誌である「ネムキ」に連載。
「栞と紙魚子の怪奇事件簿」として連続ドラマ化され、栞役を南沢奈央、紙魚子役を前田敦子(AKB48)が演じる。
目次 |
[編集] 概要
諸星大二郎の初めての少女向け作品。基本的に一話完結の短編である。作品名は主人公の栞と紙魚子から。
胃の頭町(いのあたまちょう)に住む。主人公の二人が、周囲で起こる怪奇現象に巻き込まれる少女向けホラー作品。作中の脇役達はクトゥルフ神話を元ネタとする奇妙な生き物など、奇々怪々な面構えとなっているが、主人公が非日常に溶け込み、独特の不条理めいてユーモラスな世界観を作り出している。
[編集] 主な登場人物
- 栞(しおり)
- 名前は本に挟む栞から。
- 新刊書店の娘。ネジが抜けた性格をした女子高生。バラバラ死体の生首を持ち帰ったりしている。
- 紙魚子(しみこ)
- 名前は本の隙間などに生息している紙魚という昆虫から。
- 古書店「宇論堂」の娘。三つ編みで眼鏡を掛けた理屈屋な女子高生。古本・珍本マニアであり、希少本を目の前にすると見境をなくす。
- ボリス
- モデルは作者の飼い猫ムサシ。
- 栞の飼う6歳の雄猫で雑貨店「ねこや」の店主。人の姿では禿げ気味の中年男性である。
- クトルーちゃん
- 名前はクトゥルフ神話のクトゥルーから。
- 幼稚園児。ボサボサの髪型、大きなリボン、大きく影の濃い目、暗めの色のドレスと不気味な容姿をしている。「テケリ・リ!」と叫びながらはしゃぐ、虫を食べる、首が180度回る、股間と首が入れ替わるなど奇行が多い。
- 段一知(だんいっち)
- 名前はハワード・フィリップス・ラヴクラフトのダンウィッチの怪から。
- クトルーちゃんの父であり、奇行で有名なホラー作家。作中では常に黒いスーツを着ている。
- クトルーちゃんの母
- 段一知の妻で外国人。作中では巨大な顔と長い腕以外は物陰となり描かれない。節足動物や軟体動物を彷彿とさせる足を持つが、全身が描かれたことはない。性格は至って普通の妻、母親である。
- 胃の頭七不思議「お化け屋敷の小説家の奥さん」に数えられている。
- ゼノ奥さん
- 胃の頭町の奥地に住み、奇怪な生物を飼う品の良い奥さん。
- 菱田きとら(ひしだきとら)
- 女流詩人。代表作は殺人や死体を切り刻む内容を描いた「殺戮詩集」。恋人を詩集内容通りに殺したとされるが、心神喪失で無罪となり精神病院に入院、その後退院した。段一知に想いを寄せており、不倫の関係にもつれ込むべく暗躍する。
- 頸山城の長姫(くびやまじょうのながひめ)
- 平安時代の10世紀頃から長姫に関する奇怪な事件が残っている。長姫の出るエピソードは妖怪ハンターのような作風となっている。
[編集] 栞と紙魚子の怪奇事件簿
『栞と紙魚子の怪奇事件簿』(しおりとしみこのかいきじけんぼ)は、2008年1月5日から日本テレビのサタデーTVラボ枠内で放映されたテレビドラマ。各話テレビ放送終了後に日本テレビのウェブサイトで動画配信も行なわれる。
[編集] スタッフ
- 原作:諸星大二郎「栞と紙魚子」(朝日新聞社「ネムキ」連載中)
- プロデューサー:大野哲哉(NTV)、植野浩之(NTV)、太田裕輝(バイオタイド)
- 音楽:平野義久
- 主題歌:「赤い胃の頭ブルース」eastern youth(VAP)
- 脚本:渡辺雄介、ブルースカイ、江本純子(毛皮族)、小林雄次、伊勢尚子
[編集] キャスト
- 栞:南沢奈央
- 紙魚子:前田敦子(AKB48)
- 洞野:山根和馬
- 鴻鳥友子:松山メアリ
- 早苗:中村朝佳
- マチコ:坂本亜里紗
- 仁美:大和田美帆
- 校長:伊藤幸純
- 宇論:橋本じゅん
- 段一知の妻:高橋惠子(特別出演)
- 段一知:井上順
[編集] サブタイトル
- 1.栞と紙魚子とジャックとエミリー(1月5日放映)
- 2.自殺館(1月12日放映)
- 3.異世界への扉(1月19日放映)
- ベース:「ラビリンス」(「栞と紙魚子と青い馬」収録)
- 「本の魚」「古本地獄屋敷」(「栞と紙魚子と夜の魚」収録)
- 4.ためらい坂十年戦争 ケーキの乱(1月26日放映)
- 5.長い廊下伝説(2月2日放映)
- ベース:「桜の花の満開の下」(「栞と紙魚子の生首事件」収録)
- 「長い廊下」(「栞と紙魚子殺戮詩集」収録)
- 6.ゼノ夫人のお茶(2月9日放映)
- 7.闇の中(2月16日放映)
- 8.フランダースみたいな豚(2月23日放映)
- ベース:「殺戮詩集」(「栞と紙魚子殺戮詩集」収録)
- 「夜の魚」(「栞と紙魚子と夜の魚」収録)
- 9.首山病院と首之山病院(3月1日放映)
- ベース:「頸山の怪病院」(「栞と紙魚子殺戮詩集」収録)
- 脚本:ブルースカイ、演出:落合崇
- ゲスト:田端玲実、山崎みちる、松村武、佐藤夏希(AKB48)
- エキストラ扱い:野呂佳代(AKB48、ポスターの写真として出演のため台詞無し3秒ほど)
- 10.ボリスvsクトルー(3月8日放映)
- 11.ヤマダさんちの幽霊(3月15日放映)
- 12.月光影虫(3月22日放映)
- 13.メビウス!?(3月29日放映)
[編集] 原作との相違とエピソード
- 南沢奈央の栞は、彼女のボーイッシュ・イメージに合わせてか、やたら活発で物怖じしないアクティブな不思議ちゃんに、前田敦子の紙魚子は、家庭の事情で胃の頭町に単身転校してくるごく平凡な女の子にキャラ改変。
- 第2話「自殺館」は、ギロチントラップ付きトイレに入るのが原作では紙魚子なのがドラマでは栞にポジションがチェンジ。第5話「長い廊下伝説」でも同様のことがあった。
- その「長い廊下伝説」は、原作では古寺が舞台で栞と紙魚子の宿敵キャラ長姫が登場するエピソードだったが、ドラマでは「桜の花の満開の下」のエピソードとドッキングさせた上、舞台もカラオケBOXに変更。更に何故か90年代バブルネタも盛り込まれ、イケイケギャル達のゴーストが踊り狂い、懐かしや荒木師匠まで登場するハチャメチャなサプライズ。
- 腰に手を当てながら考える栞の推理ポーズは、南沢自身のアイデア。「日経エンタテインメント!」08年4月号掲載のインタビューで南沢は、「撮影に入る前に監督から『推理する時のポーズを考えて』と言われたので、腰に手を当てる形を考えました。2話以降にも同じものを入れられそうなシーンが出てきたのでやってみたら、監督に『それいいね』と言われて、毎週の決めポーズになりました]と語っていた。
- 第9話「首山病院と首之山病院」には、八島智人、山崎樹範が所属する人気劇団「カムカムミニキーナ」の面々が大挙出演した。
[編集] 前後番組
日本テレビ系 土曜日24:50 - 25:20(日曜日00:50 - 01:20) |
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栞と紙魚子の怪奇事件簿
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[編集] 外部リンク
栞と紙魚子の怪奇事件簿 - 公式HP