条件反射
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条件反射(じょうけんはんしゃ)とは、動物において、訓練や経験によって後天的に獲得される反射行動のこと。ソ連の生理学者イワン・パブロフによって発見され、パブロフの犬の実験で有名になった。
パブロフの犬のような唾液分泌の条件付けは、長い間、哺乳類などの高等生物にのみ起こる、と考えられていたが、条件付けのモデル生物としての意味ではアメフラシなどにも起こる。また、2006年には東北大学の研究によりゴキブリにも起こることがわかった。
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[編集] 条件反射と無条件反射
通常、反射と呼ばれるのは無条件反射であり、これはその種が先天的に持っている反射行動である。これに対し、経験などで後天的に獲得された反射行動が条件反射である。
[編集] 条件反射の例
- 梅干を見ると、唾液が出てくる。
- 知ってる歌が聞こえてくると、一緒に歌いたくなる。
[編集] 無条件反射の例
- 熱いものに触れたときに手を引っ込める。
- 転びそうになった時、手を差し出す。
[編集] 「パブロフの犬」の実験
パブロフは、イヌの胃液分泌の実験中に偶然発見したと言われる。この現象に気づいたパブロフは、その後実験を重ね、条件反射の研究を行なった。当初この現象を精神反射と呼んでいたが、その後条件反射と呼ぶようになった。
[編集] 実験内容
パブロフが行なった実験は、以下のようなものである。
- イヌにメトロノーム(ベル・ホイッスル・手拍子・足踏みと言う説もある)を聞かせる。
- イヌにえさを与える。イヌはえさを食べながら唾液を出す。
- これを繰り返す。(上記の二つのプロセスを条件付けという)
- すると、イヌはメトロノームの音を聞いただけで、唾液を出すようになる。