月光 (漫画)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
月光 | |
---|---|
ジャンル | ファンタジー漫画 |
漫画: Over the lights・Under the moon -月下飛行- | |
作者 | 那州雪絵 |
出版社 | 白泉社 |
掲載誌 | 花とゆめ |
発表期間 | 1992年12月 - 1993年1月 |
話数 | 全3話 |
その他 | 「月光」のプロトタイプ。1巻に収録。 |
漫画: 月光 Over the lights・Under the moon 2 | |
作者 | 那州雪絵 |
出版社 | 白泉社 |
掲載誌 | 花とゆめ |
レーベル | 花とゆめコミックス |
発表期間 | 1993年9月 - 1995年11月 |
巻数 | 全5巻 |
話数 | 全37話 |
■テンプレート使用方法 ■ノート |
ウィキポータル |
漫画作品 |
日本の漫画作品 |
漫画家 |
日本の漫画家 |
漫画原作者 |
漫画雑誌 |
カテゴリ |
漫画作品 |
漫画 - 漫画家 |
プロジェクト |
漫画作品 - 漫画家 |
『月光』(げっこう)は、「花とゆめ」(白泉社)1993年19号から1995年23号まで連載された、那州雪絵による異世界ファンタジー漫画。
また同作のプロトタイプとして1993年2号から4号まで短期連載されたファンタジー漫画『Over the lights・Under the moon -月下飛行-』(オーバー・ザ・ライツ・アンダー・ザ・ムーン げっかひこう)についても、便宜的にこの項で扱うこととする。
注意:以降の記述で物語・作品に関する核心部分が明かされています。
目次 |
[編集] Over the lights・Under the moon -月下飛行-
[編集] 概要
主人公は普通の高校生・高野藤美と、ロックバンド『Over the light』のボーカリストに身をやつした異世界の宮廷騎士・カイトのふたり。主に藤美の視点で物語は進行してゆく。 後述の「月光」とはいささか趣が異なり、実際の東京を舞台にした作品で、実在の地名や建物等が多数使用されている。
[編集] 実際に作中に登場する地域
[編集] あらすじ
ごく普通の女子高生・高野藤美は、偶然耳にした新人ロックバンド「Over the light」の曲に聞き惚れているうち、そのボーカリストの落とし物を拾う。
バンドの素性を良く知らないまま、落とし物を返す為に彼女はコンサート会場へ向かう。しかしそこで見た物は、突然現れた"虹色の竜"に乗ってバンドメンバーが飛び去る姿だった。しかしボーカリスト・カイトは、消え去る直前に藤美の姿と「落とし物」を発見する。
後日、テレビジャックをして落とし物の返却を要求してきたカイトの為、藤美は真夜中に待ち合わせ場所へ向かうが、奇妙な姿をした怪物に付け狙われるようになる。間一髪のところをカイト達に助けられた藤美は、彼等の正体が異世界から竜の暴走に巻き込まれ「この世界」へやって来た女王を救出する為やってきた宮廷騎士団だと知る。
「マーカー」(詳細は後述)と呼ばれるカイトの落とし物を返した後もふたりの交流は続き、お互いに惹かれあうようになってゆくが、竜や怪物の姿は日ごとに増えていった。そんななか有楽町で女王が見つかり、騎士団は急遽救出に向かう。そしてカイトと別れたくない藤美もまた、有楽町行きの地下鉄に乗り込んでいた。
[編集] 登場人物
基本的に、「Over the lights・Under the moon」で提示された情報のみを記載する。
- 高野藤美(たかの ふじみ)
- ごく普通の女子高生。16歳。
- 外出先で偶然Over the lightの曲を聴き、直後に「同じ声をした」カイトのマーカーを拾う。
- かなりの行動派で若干ミーハーなところがあるが、カイトの正体を知り交流するうちに段々彼に惹かれてゆく。
- カイト
- Over the lightのボーカリスト。16歳。
- 実は女王救出の為に異世界からやってきた宮廷騎士だが、東京に来て早々にマーカーを落としてしまった為、空を飛ぶことが出来なくなってしまう。
- かなり粗野で口が悪いが純粋な性格で、藤美と交流するうちに親しくなってゆく。が、任務が終了すれば彼女と逢えなくなることに気がついていない。
- カマス
- Over the lightのベーシスト。24歳。
- 実は宮廷騎士団の小班リーダーである。いつも冷静沈着。
- エービー
- Over the lightのギタリスト。18歳。
- 実は宮廷騎士団員。マーカーの無いカイトをサポートする役目を担っていた。
- サバ
- Over the lightのドラマー。16歳。
- 実は宮廷騎士団員。
- 女王(じょおう)
- カイト達の世界で起こった「竜の群れの暴走」に巻き込まれ、行方不明になる。
- 実は有楽町にずっと潜伏していた。
- 竜を自在に呼び、「怪物」を一瞬で倒す能力の持ち主。
[編集] その他
- 作品のタイトルは、ケイト・ブッシュの楽曲『KITE』(『The Kick Inside(邦題:天使と小悪魔)』収録)のワンフレーズから採っている。
- カイトの名前の由来も、上記楽曲のタイトルである(作中では、彼等の世界の言葉で『青い』を意味する言葉だと説明がつけられていた)。
- 作者はこの物語のテーマを「サーカスやアクロバットの雰囲気」としていたそうで、その後続編を描く際プロットの辻褄合わせに苦労したと単行本で明かしている。
[編集] 月光 Over the lights・Under the moon 2
[編集] 概要
一応「Over the lights・Under the moon」の続編とされ、前作の内容を踏まえていないと物語が判りにくい。しかし物語のカラーはかなり異なり、架空の異世界を舞台にしたバトルファンタジーになっている。
物語は主にカイトの視点で進んでゆくが、時折藤美やサバの視点でも物語が進んでゆく。
[編集] あらすじ
女王を無事救出し、彼等の世界「光の半球(ユース・ドーム)」の天空宮へ戻ったカイト一行。しかし彼が藤美との別れ際にマーカーを彼女に渡してしまったことが問題となり謹慎処分となる。しかしその晩、300年間光の半球を統治していた女王が後継者を見つけ出せないまま崩御し天空宮は大混乱となる。
折しもサバの養母が死去し長期休暇を取ることになったが、休暇の最中に彼が何者かに襲われ、マーカーと共に姿を消す。女王崩御とともに「光の半球」の治安が悪化してゆくなか、彼はギンガという自らを次期王だと名乗る男とともに「闇の半球(ディス・ドーム)」の王として再び天空宮へ現れる。そしてサバは藤美の持つカイトのマーカーを奪う為、ギンガの開けた空間の穴を使って「異世界(ドーム・ヌイ)」の藤美の元へ向かう。
カイトとエービーの機転と、一緒に異世界へ渡った騎士団長・シファカの立ち回りで、カイトのマーカーは無事彼の元へ戻るが、同時に不可抗力で藤美を「光の半球」へ連れてきてしまう。女王崩御の影響で世界の力がコントロールを失っていくなか、カイトは謎の力に目覚めはじめ、藤美は異世界の人間であるにも関わらず「女王候補者」となってしまう。そんななか、各地で宮廷への反乱が起こりはじめ・・・。
[編集] 世界観
- 彼等の世界
- 彼等の世界は、「光の半球」と「闇の半球」というふたつの地域に大きく分けられている。それぞれの地域には交流がなく、境界地域は理(ことわり)の力が弱い為、定住はおろか近寄るものすらいない(因みに「Over〜」で東京に増殖していたのは、女王を狙った境界地域の怪物だった)。
- 彼等の世界のほかにも、全く違う空間として幾つかの「異世界」があると言われている。藤美の住む世界(いわゆる「この世界」)も「異世界」のひとつである。
- 異世界同士は時間の流れが違うらしく、カイトの世界の数週間が藤美の世界では10ヶ月に及んだりもする。
- 光の半球(ユース・ドーム)
- カイト達の住む地域。その中心にある「天空宮」から女王が「理の力」をコントロールすることにより、理の力を操る能力を持った者が自由に空を飛んだり、攻撃や治癒を行ったり出来る。
- 光の半球の住人すべてが理の能力を持っている訳ではなく、また能力者もその得意分野は様々である。
- 闇の半球(ディス・ドーム)
- カイト達の住む地域の正反対にある地域。理の力と正反対の力が世界を満たしているらしい。
- 光の半球と同じく最近王が崩御したらしいということ以外、詳しい事はほとんど知られていない。
- 宮廷騎士団
- 理の力を操るもののうち、攻撃に特化した者を選抜し天空宮や光の半球を守る任務を持つ集団。騎士団長・シファカがすべての統率を取る。
- 騎士団は幾つかの小隊に分かれており、女王救助に向かったカマス達4人も小隊のうちのひとつだった。
- マーカー
- 宮廷騎士の証であり、攻撃用の武器でもある。通常は鎖で繋いで首から下げるようになっている。
- 理の能力者であればマーカーが無くともある程度の力は使えるが、マーカーを持つことにより力の流れを集中したり、方向性を持たせることができる。
- 天空宮の地下にある鉱石から、騎士ひとりひとりの能力に合わせて王自らが理の法で精製し製造する。
- ひとりひとりの個性に合わせて作られている為、紛失や譲渡、破損は禁忌中の禁忌である。
- 王(女王)
- 光の半球や闇の半球の力の流れを司り、人の暮らしを豊かにする能力を持った絶対的な人間。いわゆる「神」のような存在である。
- 世襲制ではなく、現王が存命中に次期王の素質を持った者を見つけ出し任命するしきたりになっているが、光の半球でも闇の半球でも300年以上新しい王が現れることなく、相次いで王(女王)が崩御してしまった。
- 竜
- 空間を異動し、異世界を自由に行き来できる存在。身体中が虹色の姿をしている。
- 召還の為には王の力か、最高位の術者の力が必要。ただし、理の能力者が何人かで召還すれば成功することもある(「Over〜」で彼等がロックバンドに変装した理由は、理の力が薄い世界で竜を呼ぶ為、バンドのファンとして数百名の人間を集めたかったからだった)。
- 女王崩御後、理の力が急速に乱れはじめた影響で「生きながら腐る竜」が見かけられるようになった。
[編集] 登場人物
前述した人物については、前作との相違点のみ記載する。
[編集] 主人公
- カイト
- 宮廷騎士。14歳のとき、養父の死に伴い彼の旧友だったという女王を訪ねて天空宮へやってくる。騎士に任命されたばかりだが、修行態度や言動が悪いなど問題行動が多い。
- その出生は「育ての親が実父でない」ということ以外は一切誰も知らないが、世界の未来の大きな鍵を握っていることに、本人もまだ気がついていない。
- 高野藤美 / リア・エル
- カイトがマーカーを渡してしまったばかりに、ギンガとの戦いに巻き込まれ異世界から連れて来られた少女。時間の流れが異なるため、カイトと再会したとき既に17歳になっている。
- 異世界の人間であるにも関わらず「光の半球」と調和する理の力を持ち、女王の候補者となってしまう。
- 「フジミ」という名前は光の半球では奇異に聞こえるらしく、女王の名として『リア・エル』を名乗ることになる。
[編集] 宮廷騎士団
- シファカ
- 宮廷騎士団長。27歳。騎士団史上最も若く団長に就任した。正義と使命感に熱い。宮廷評議員メンバーでもある。
- 同じく評議員を務めるロリスとは、天空宮にやってきた時期が近いせいか仲が良い。また、カマスとは騎士団の同期である。
- カマス
- 宮廷騎士団小隊長。元々はロチェ山で修行をしていた僧で、理の力のほか武術にも長け現在も修行僧からの信頼が厚い。
- シファカからは次期騎士団長就任を持ちかけられているが、現場主義を貫いているためその要請を断っている。
- エービー
- 宮廷騎士。カイトとは同期。
- 辺境の属国・フルブクの第七王子で、彼が騎士でいることは「フルブクの人質である」という意味も含まれている。
- フルブクの反乱の際に大きな立ち回りを見せるほか、カイトや藤美のよき相談相手でもある。
- 何故か作中で何度も大怪我を負う。
[編集] 宮廷の人間
- コモン
- 前女王。享年354。その年齢まで生きることはこの世界でも異例のことで、光の半球の不安要素のひとつでもあった。
- 竜の群れとともに異世界へ飛んだ際、「東京の暮らし」を目の当たりにして何か思うところがあったようだが、光の半球へ帰還したその夜に急死。
- しかし死してもなお、カイトや藤美の心の支えとなっている。
- インドリ
- 宮廷の役人。51歳。評議員メンバーでもある。理の力を操る能力はない。
- 古い考えの持ち主で、一刻も早く新王を見つけ出したいが為に藤美の「帰りたい」という意志を無視し続けていた。だが決して人柄が悪い訳ではない。
- ロリス
- 宮廷書記官。30歳。評議員メンバーでもある。
- 理の力を操る能力はないが知識に富み、他の人間に非難されながらも「女王のいない世界」で生きてゆく術を前向きに研究している。
- 藤美の話す「東京の生活」に深く興味を持ち、それを参考に蒸気機関を発明したりする。
- シファカやカマスとは、天空宮へやって来た時期が近いため仲が良い。
[編集] 新王調査隊
- アヴァーヒ
- 新王審査官。28歳。シファカの実の姉で、元・宮廷騎士。そのためマーカーを持つ。
- また評議員メンバーでもあるが、少々過激な服装と言動が時に問題となるらしい。
- 天空宮へ来る前はロチェ山で修行をしていた時期があり、カマスとともに現在でもロチェ山のカリスマ的存在である。
- カイトやシファカにちょっかいを出すのが好きらしい。
- アレン
- 新王調査隊操舵手。26歳。アヴァーヒの親友で、同じくロチェ山出身。
- 理の力を操る能力はあるが騎士経験はない為、マーカーは持っていない。
- カマスに秘かに恋心を抱いているらしい。
- サヨリ
- 新王審査官補佐。20歳。アレンと同じくロチェ山出身の騎士未経験者で、飛行能力を持つ。
- また、剣士でもある。
- アイ・アイ
- 新王審査隊通信師。23歳。通信能力はあるがロチェ山出身ではない。
- お調子者な性格。
[編集] 反逆者
- ギンガ
- 突然天空宮へ現れ、一方的に「光の半球の王」を名乗った男。
- 時空に穴を開けたり、闇の半球の力を一時的に持ち込むなど、王にも匹敵するほどの強い能力を持っている。
- その素性や王の座を狙う理由は一切不明だが、前女王とかつて何らかの関わりがあったらしい。
- サバ
- 元宮廷騎士。非常に高い能力の持ち主で、14歳のときに新王候補者として天空宮へやって来るものの王とは認められず、史上最年少で宮廷騎士となった。
- 非常に無口な性格で、他人とコミュニケーションをとるのが苦手。
- 養母の葬儀の為に休暇を取り、郷里に帰っている間にギンガに襲われ、次に天空宮へ姿を現したときにはギンガの傍らに佇み「闇の半球の王」と呼ばれた。
- ブラッザ
- 元宮廷騎士見習い。騎士には不適格との判定が出て、宮廷を去った。
- どのような経緯でギンガの一味に加わったかは不明。
[編集] ロチェ山
- トクビレ
- ロチェ山大僧正。132歳。元・新王審査官で、前女王とも親しい間柄だった。
- 突然内乱を起こしたバブーヌ女房長によって軟禁される。
- 内乱解決後は、藤美とカイトにまつわる謎を調査する為、天空宮へ移ることになった。
- バブーヌ
- ロチェ山女房長。ヒステリー持ちで、元々人望はあまりない。
- 何者かにそそのかされ、宮廷に反抗するためトクビレ大僧正を軟禁し内乱を起こした。
- メイチ
- ロチェ山の修行僧でカマスの後輩。内乱制圧とトクビレ救出に力を貸す。
[編集] フルブク
- フルブク公
- 光の半球のなかで、天空宮より最も遠い北の属国の領主。
- もともと宮廷に対して余り良い感情を持たず、理の力を持った息子エービーの騎士仕官についても良く思っていない人物だった。
- 何者かにそそのかされ、独自の軍隊を率いて宮廷に反乱を起こそうとする。
- チカ
- エービーの妹。11歳。一番年齢の近い兄であるエービーを慕っている。
- 父と何者かの謀略の現場を目撃し、エービーに知らせる為に七日七晩馬を走らせ瀕死の状態で天空宮へやってきた。
- ジェフロイ
- 幼い頃のエービーの世話係。
- フルブク制圧の際に、エービーを大いに助ける。
[編集] その他の人物
- アン・ワン
- 闇の半球の少年。13歳。
- ギンガに騙されて一味に加わるが、ロチェ山で捕えられた後、天空宮へ身柄を移される。
- アヴァーヒの努力の甲斐あって彼女には心を開き、ギンガや闇の半球に関する様々な情報を提供することになる。
- また、「カイトの真の能力」に一番最初に気がついた人物でもある。
- ライオン
- カイトの養父。故人。
- 前女王と古い友人であったとカイトは聞かされて育ったが、実は元・宮廷騎士で、更に秘密の任務を負った経験のある人物だった。
- 16年前に、サバの養母を救ったことがある。
- スギ
- サバの養母。故人。
- 生前は非常に無口で、自分の出自やサバの出生のことなど一切喋ることはなかった。
- ずっと各地を転々として暮らしていたらしいが、何年か前から定住をするようになった。
- ターラ
- 旅芸人の一座で踊り子を務める少女。18歳。
- 唯一の肉親であった妹を病気で亡くした経験があり、それを「女王が救ってくれなかったから」と曲解している為、女王を憎んでいる。
- 天空宮を飛び出した藤美とカイトを、新女王とは知らずかくまう。カイトに色目を使うなど、気になる様子。
[編集] その他
- タイトルをプロトタイプ掲載の時から変更した理由は、担当編集者から「タイトルが長過ぎて単行本の背表紙に入り切らない」と言われた為。
- キャラクターの名前の由来は、ほとんどが魚類か猿の名前から採っている。これは、著者が天空宮のイメージを「竜宮城のようにしたい」と考えていたからとのこと。
- 5巻発行の際、最終話にかなりの手直しが入っている。最終的なラストは雑誌掲載時と変わらないのだが、この加筆の影響で、雑誌だけを読んでいた読者と単行本を読んだ読者の間で解釈が全く変わることがある。
[編集] 単行本
現在はいずれも絶版となっている。
- 1994年6月25日発行 ISBN 978-4-59-212182-4
- 1994年9月25日発行 ISBN 978-4-59-212183-1
- 1995年2月25日発行 ISBN 978-4-59-212184-8
- 1995年8月25日発行 ISBN 978-4-59-212185-5
- 1996年2月25日発行 ISBN 978-4-59-212236-4