文選 (書物)

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文選（もんぜん）は、中国の南北朝時代に南朝梁の昭明太子によって編纂された書物。全30巻。周代から梁までの優れた文章・詩・論文を集めた。

文選には131名の800余りの文章が収録されている。収録されている文章だけではなく、昭明太子自身の文章にも高い評価があり、中国文学を研究する者の必読の書となっている。後世、様々な人間が注釈を入れたが、その中でも唐の李善の注が最良とされている。

また、公式の場や科挙において優れた文章や詩を作成する能力が求められた事もあって、その後も『文選』を参考にして『古文真宝』や『文章軌範』などの詩文集が編纂されるようになっていった。

目次 1 日本における「文選」 1.1 『文選』出典の熟語 2 文選に収録されている主な文学作品 3 外部リンク

[編集] 日本における「文選」

『文選』は日本においても、重要な書物である。平安時代の貴族にとっては教養として暗誦の対象となった。その後も『文選』の中の言葉は日本語の語彙と活かされ、現在も使用されている。

[編集] 『文選』出典の熟語

英雄、栄華、炎上、解散、禍福、家門、岩石、器械、奇怪、行事、凶器、金銀、経営、傾城、軽重、形骸、権威、賢人、光陰、後悔、功臣、故郷、国家、国王、国土、国威、虎口、骨髄、骨肉、紅粉、鶏鳴、夫婦、父子、天罰、天子、天地、元気、学校、娯楽、万国、主人、貴賎、感激、疲弊…など（佐藤喜代治）

[編集] 文選に収録されている主な文学作品

• 屈原　　　　「離騒」
• 宋玉　　　　「高唐賦」「神女賦」
• 漢の武帝　「秋風辞」
• 司馬相如　「子虚賦」「上林賦」
• 司馬遷　　 「報任少卿書」
• 班固　　　　「両都賦」
• 無名氏　　 「古詩十九首」
• 曹操　　　　「短歌行」
• 曹丕　　　　「燕歌行」「典論論文」
• 曹植　　　　「洛神賦」「贈白馬王彪」
• 王粲　　　　「登楼賦」「七哀詩」
• 諸葛亮　　 「出師表」
• 阮籍　　　　「詠懐詩」
• 嵆康　　　　「与山巨源絶交書」
• 潘岳　　　　「秋興賦」「悼亡詩」
• 李密　　　　「陳情事表」
• 陸機　　　　「文賦」「赴洛」
• 左思　　　　「三都賦」「詠史」
• 陶淵明　　 「帰去来辞」
• 謝霊運　　 「登池上楼」「於南山往北山経湖中瞻眺」
• 鮑照　　　　「蕪城賦」「東武吟」
• 謝朓　　　　「遊東田」「晩登三山還望京邑」
• 沈約　　　　「宋書謝霊運伝論」

[編集] 外部リンク

• 『文選』