心房性ナトリウム利尿ペプチド
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心房性ナトリウム利尿ペプチド(しんぼうせいなとりうむりにょうぺぷちど、Atrial natriuretic peptide:略称ANP )は生理活性を持つペプチドの一種(ホルモン)である。
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[編集] 発見
心房細胞に顆粒があり何らかのホルモンがあるのではないかと言われていたが、カナダのde Boldらが1981年に、血管拡張作用とナトリウム利尿作用がある事を示した。Flynnらが1983年にラットのアミノ酸配列を決定しヒトの配列は旧宮崎医科大学の寒川と松尾らによって報告された。ヒトのANPはhANPと称されることもある。
[編集] 配列
rANP(Flynn):H-Ser-Leu-Arg-Arg-Ser-Ser-Cys-Phe-Gly-Gly-Arg-Ile-Asp-Arg-Ile-Gly-Ala-Gln-Ser-Gly-Leu-Gly-Cys-Asn-Ser-Phe-(Arg)-Tyr-OH
[編集] 医療への応用
- 血液中のhANP濃度測定が行われる。hANP濃度は心不全の程度を反映する。
- カルペリチド(α型hANP)製剤、商品名ハンプが、急性心不全の治療薬として上市されている。
[編集] 関連項目
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視床下部-脳下垂体 | 視床下部:TRH - CRH - GnRH - GHRH - ソマトスタチン - ドーパミン - 脳下垂体後葉:バソプレッシン - オキシトシン - 脳下垂体前葉:αサブユニット糖タンパク質ホルモン(FSH - LH - TSH) - GH - PRL - POMC(ACTH - MSH - エンドルフィン - リポトロピン) |
副腎 | 副腎髄質:副腎髄質ホルモン(アドレナリン - ノルアドレナリン) - 副腎皮質:副腎皮質ホルモン(アルドステロン - コルチゾール - DHEA) |
甲状腺 | 甲状腺:T3 - T4 - カルシトニン - 副甲状腺:PTH |
生殖腺 | 精巣:テストステロン - AMH - インヒビン - 卵巣:エストラジオール - プロゲステロン - インヒビン/アクチビン - リラキシン(妊娠時) |
その他の内分泌器 | 膵臓:グルカゴン - インスリン - ソマトスタチン - 松果体:メラトニン |
内分泌器でない器官 | 胎盤:hCG - HPL - エストロゲン - プロゲステロン - 腎臓:レニン - EPO - カルシトリオール - プロスタグランジン - 心臓:ANP - 胃:ガストリン - グレリン - 十二指腸:CCK - GIP - セクレチン - モチリン - VIP - 回腸:エンテログルカゴン - 脂肪組織:レプチン - アディポネクチン - レジスチン - 胸腺:チモシン - チモポイエチン - 肝臓:IGFs(IGF-1 - IGF-2) |
誘導タンパク質 | NGF - BDNF - NT-3 |