小林城

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小林城（こばやしじょう）は現在の宮崎県小林市真方にあった山城。別名を三ツ山城、あるいは三ノ山城。現在は城山公園。

[編集] 概要

永禄9年（1566年）に日向の伊東義祐が、薩摩の島津氏への抑えの城として、またその島津の飯野城攻撃の前線基地として、須木城主・米良重方に命じて作らせ、城主にも任命した。

西方、北方、東方を岩瀬川（現・石氷川）が囲むように流れ天然の堀となり、南方はシラス土壌による断崖絶壁で容易に登れないという、天然の要害を利用した難攻不落の城。

当初は三ツ山城（みつやまじょう）、もしくは三ノ山城（みのやまじょう）と呼ばれていたが、島津氏の城に帰すると 島津義弘により、人心一新のためと、北原氏が所有していたもう一つの三ツ山城（小林市・細野）との混同を避ける意味で、小林村にあったことから小林城と名を改められた。

現在は私有地であり、指標、本丸跡などの標柱等はあるが、殆ど雑木林になっている。

[編集] 歴史

小林城の築城が開始されてから約1年後の永禄10年（1567年）10月25日（永禄9年（1566年）10月26日という説もある）に、島津義久・島津義弘・島津歳久が城の完成前に攻めてくる。義久は大手口、義弘は水ノ手口、歳久は窪谷口のある南方から攻めた。これに対し伊東軍の有志は打って出るが敗退、籠城戦へと移行していく。 結果、大激戦となり、城の内堀と外堀が死体で埋まり、また島津方が城を焼失させる作戦に切り替えたため城内の牛馬200頭が炎に焼かれて死んだという。やがて城は本丸を残すのみとなるが、重方は弟の米良矩重と共に奮戦、やがて稲荷山に須木城からの援軍が布陣し城兵と共に島津軍を挟撃、阿多中務、末弘又左衛門尉ら島津の主だった将が討たれ、義弘も重傷となると島津軍は退却、小林城は守られた。

元亀3年（1572年）5月3日、翌日の加久藤城攻略のための伊東軍の出立場所となった（木崎原の戦い）。この戦いで城主であった米良重方は討ち取られている。また、その時に亡くなった伊東の将兵を供養する伊東塚へは、小林城から歩いて行けるほど比較的近い場所にある。

天正4年（1576年）8月24日、兄の死後に城主を務めていた米良矩重が島津軍に寝返る。小林城は島津氏の城となり、鎌田政年が差遣されている。同28日に高原城を下した義久ら30000人近くの将兵が入城、戦勝祝賀が催されている。

元和元年（1615年）の一国一城令により廃城。藩主の居住以外は認められなくなった。

西南戦争で敗れた西郷隆盛は退却の際、二度小林を通っているが、その二回目の明治10年（1877年）8月28日に、この小林城の真下の街道を通って鹿児島へと帰還している。