小出義雄
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小出 義雄(こいで よしお、1939年4月15日 - )は、陸上競技の元選手でマラソン・中長距離選手の指導者。 千葉県佐倉市出身。大きなサングラスが特徴。2001年東京国際女子マラソン9位の小出正子(現姓高橋)は実子。2001年エドモントン世界選手権マラソン代表の高橋健一は婿。
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[編集] 来歴
- 千葉県立山武農業高等学校卒業後、家業の農業に従事していたが、陸上競技への思い断ち難く、出奔。苦学の末、順天堂大学に入学。
- 箱根駅伝に3年連続出場(1年時の第38回は5区区間10位、2年時の第39回は8区区間3位、3年時の第40回は8区区間5位)。
- 大学卒業後、千葉県立高校教員として採用される。千葉県立長生高等学校、千葉県立佐倉高等学校、船橋市立船橋高等学校で教鞭をとり、三井住友海上火災保険陸上競技部監督の鈴木秀夫、インターハイ女子3000m初代王者の河合美香らを育てた。また、現ボクシングトレーナーの野木丈司は佐倉高校時代の教え子。ソウルオリンピック水泳金メダリスト鈴木大地は市立船橋高校時代の教え子であり、順天堂大学の後輩。
- 1988年、教職を辞してリクルート・ランニングクラブ監督に就任。
- 1997年、リクルート部内の確執から積水化学工業に移籍し、女子陸上競技部監督に就任。
- 2000年のシドニーオリンピック後、積水化学を退社。
- 2001年6月に佐倉アスリート倶楽部(SAC)を設立し、代表取締役兼現場監督に就任。
- 2002年12月、積水化学を退社し、SACに専念。
- 女子選手育成に卓越した手腕を発揮し、以下に挙げる選手をはじめとして、多くの選手を育成。
- 有森裕子(バルセロナオリンピック女子マラソン銀メダリスト、アトランタオリンピック女子マラソン銅メダリスト)
- 五十嵐美紀(バルセロナオリンピック10000m代表)
- 吉田直美(シュツットガルト世界選手権10000m代表)
- 志水見千子(アトランタオリンピック5000m4位入賞)
- 鈴木博美(アテネ世界選手権女子マラソン優勝・金メダリスト)
- 高橋尚子(シドニーオリンピック女子マラソン優勝・金メダリスト)
- 千葉真子(パリ世界選手権女子マラソン銅メダリスト)
- 宮井仁美(ヘルシンキ世界選手権女子10000m代表)
- 脇田茜(大阪世界選手権女子10000m代表)
[編集] 人物・エピソード
- 豪放磊落な性格。
- 「ほめて育てる」という選手育成方法が知られている。
- 高橋尚子と共に、マラソン選手を育成するゲームの開発に携わった。
- 2001年には、サンクスから「小出監督のおつまみセット」が発売された。
- 市立船橋高校の教諭時代、後に順天堂大学に入学し大学の後輩となる鈴木大地氏(ソウルオリンピック水泳金メダリスト)を保健体育の授業で指導したことがあった。
[編集] 主な著書
- 「かけっこの職人芸―小出義雄が走を語る」(1989年、ランナーズ)
- 「マラソンでたらめ理論」(1998年、ベースボールマガジン社)
- 「小出監督の女性を活かす人育て術」(1998年、二見書房)
- 「君ならできる」(2000年、幻冬舎)
- 「高橋尚子 金メダルへの絆」 (2000年、日本文芸社)
- 「Qちゃん金メダルをありがとう」(2000年、扶桑社)
- 「知識ゼロからのジョギング&マラソン入門」(2002年、幻冬舎)
- 「本当の生きる力をつける本」(2002年、幻冬舎)(共著)
- 「へこたれるもんかい」(2004年、幻冬舎)
[編集] 関連文献
- 「爆走 小出家の人々」小出啓子