大阪ガメッツ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
大阪ガメッツ(おおさかガメッツ、Osaka Gamets)は、水島新司の野球漫画『ストッパー』および『野球狂の詩 平成編』『新・野球狂の詩』に登場する架空のプロ野球チーム。
チーム名 | 大阪ガメッツ |
---|---|
加盟団体 | セントラル・リーグ |
創設年度 | 不明 |
チーム名の遍歴 | (大阪アパッチ) →大阪ガメッツ →大阪ドリームス →大阪ガメッツ |
本拠地 | ガメッツスタジアム(大阪府) |
収容人員 | 不明 |
オーナー | 不明 |
運営母体 | 不明 |
監督 | 火浦健(選手兼任) |
タイトル | 不明 |
優勝年度 | 不明 |
目次 |
[編集] 概要
大阪ガメッツは『野球狂の詩』本編には登場しないが、前身の球団と推測されるのが大阪アパッチ。このチームも名前の通り大阪に本拠地を置いているため可能性は高い。
『ストッパー』において、セ・リーグに所属する東京メッツのライバル球団として、大阪ガメッツの球団名で初登場。経営難に陥っていたようで、球団身売りの話が出ており、主人公・三原心平が30億で買収し「大阪ドリームス」となる。
しかし『野球狂の詩 平成編』では再び大阪ガメッツに戻っており、この点から『野球狂の詩 平成編』が『ストッパー』とは無関係の世界ではないかと言われる。また、うがった見方をすれば、アパッチ・ガメッツ・ドリームスとの間に、オリックスと大阪近鉄のような合併があった可能性もある。
なお、『ドカベン』では、岩鬼家が倒産の危機に瀕した際にガメッツが岩鬼正美をスカウトに来た描写がある。
ちなみに同作者の『白球の詩』にも同名のチームが登場するが、こちらはパ・リーグ所属。
なお、本拠地である「ガメッツスタジアム」は、外観・内装ともにかつての大阪球場そのままである。作者が長年『あぶさん』で描いてきた愛着ある場所であることが伺える。
[編集] 主な選手・球団関係者
[編集] 『ストッパー』より登場
- 三原心平(みはら しんぺい)
- 1988年ドラフト外でガメッツ入団。原宿学院出身。背番号55。両投左打。実業界のトップに君臨する三原グループ会長の次男。投手として開幕から新人初の14試合連続セーブを達成するも、大洋ホエールズの田代富雄にホームランを打たれ、ストップ。その後、外野手に転向し、トップバッターとして一時期は4割を越える打率を誇った。また、母親と相談して大阪ガメッツを30億円で買収。新球団「大阪ドリームス」のオーナー兼選手として活躍した。
- 渡大介(わたり だいすけ)
- 1988年ドラフト1位でガメッツ入団。大海高校出身。背番号18。「越後の怪腕」。ドラフト前はメッツ入団を希望していた。以降ガメッツのエースとなるが、心平の出番を増やす為なかなか完投できない宿命。
- ジャック・ブラウン
- 元大リーグ・インディアンスの大砲。ガメッツに入団するが・・・背番号3、三塁手。後に遊撃手にコンバートされる。右投左打。
- 岩佐(いわさ)
- ガメッツ監督。かなり滅茶苦茶な采配を奮う男で、クビにならないのが不思議なくらいの男。名将とは言い難い。背番号77。
- 猫目一郎(ねこめ いちろう)
- 帽子のつばを目の形にくりぬいている。しかも穴が右になったり左になったり。「新・野球狂の詩」に登場する札幌メッツの投手・根暗は彼に酷似。背番号32、投手。
- 更科(さらしな)
- ガメッツのタラコ唇の救援投手。20イニングス無失点記録を持つ。背番号19。心平の出番を増やす為か四球が多い。
- 小倉(おぐら)
- ガメッツの初期のレギュラー。小細工が得意。二塁手。背番号4。
- 天王寺(てんのうじ)
- ガメッツの初期のレギュラー。後に麻雀で打撃開花。外野手。左投左打、背番号31。
- 法善寺(ほうぜんじ)
- ガメッツの初期のレギュラー。遊撃手。背番号6。
- トニー・デービス
- ジャック・ブラウンのニセモノとして来日。その後、本名でガメッツと契約。様々なポジションを転々とするうちに投手に。背番号30。
- 青亀万吉(あおがめ まんきち)
- ガメッツの当たり屋である。名前が気に入られたといういい加減な理由で入団した。一塁手から外野手。背番号41。
- 大木大(おおき ひろし)
- 1989年ドラフト1位でガメッツに入団。法政大学出身。別名「関東の海坊主」。胸のボタンがちぎれて飛ぶとホームラン。入団当初は心平を心底嫌っていた。捕手。背番号60。
- 岩渕(いわふち)
- ガメッツの主砲。「動くアルプス」という異名を持つがそれほど大きくは無い。一塁手。背番号44。
- ベロ
- ガメッツの初期のレギュラー。三塁手。顔は『ドカベン』の上下左右太に瓜二つ。ユニフォームには「SHITADA」と表記されているがスコアボードには「部呂」と。下手なのに上手い男。背番号7。
- 柴友光(しば ともみつ)
- 伊豆で陶芸家をしていたがガメッツにテスト入団しレギュラー定着。15で母と、16で父と死に別れた数奇な運命を歩んできた。外野手。背番号56。
- 我王銀次(がおう ぎんじ)
- 大阪ミナミ出身。浪花学院→帝都大学→大阪ドリームス(ドラフト一位)。投手で後に三塁手に転向。投手では連載中メッツに一度も負ける事が無かったすごい男である。家族は両親・妹・弟。背番号1. (我王銀次は実在の俳優。我王の顔はこの俳優の似顔絵である。80-90年代の邦画、OVに大量に出演した劇団大阪バトルロイアルの座長。若くして物故した。同じ名前を持つ監督が「平成野球草子」に登場する。)
- 麻立丸(あさ たちまる)
- 月大一高→東京電波→大阪ドリームス(ドラフト5位)。この作品が青年漫画である事が伺えるキャラ。妹と二人暮らし。二塁手。背番号5。我王と同じく大阪バトルロイアルの実在の俳優がモデルである。
- 上条英司(かみじょう えいじ)
- 早稲田大学→大阪ドリームス(ドラフト2位)。メガネの投手。顔の割には身体は決して小さくない。背番号24。
- 朝日丸虎千代(あさひまる とらちよ)
- 浪花大学→大阪ドリームス(ドラフト3位)。ダイエー、阪神と抽選の末獲得。投手から遊撃手に転向するも、ブラウンにポジションを奪われてしまう。本人よりも甲子園のそばでお母さんと飲み屋を経営しているおばあちゃんの方が目立っている。通称「泣きの虎千代」。背番号16. 我王と同じく大阪バトルロイアルの実在の俳優がモデルである。
- 芦川真(あしかわ まこと)
- ドリームスにドラフト6位でテスト入団したチーム初の女性選手。チーム一の俊足美人だが、衆人環境の中で上半身ブラジャー一枚になるのは露出狂じゃないのか?身長170cm。スリーサイズは上から85・56・83. 背番号10、外野手。彼女の名前は他の水島作品にも登場するが実在の俳優である芦川誠から。北野武監督の「その男、凶暴につき」の薄情な若手刑事が印象的である。オフィス北野所属で水島新司とは野球を通じての知り合いだと思われる。
- 峠雪太郎(とうげ ゆきたろう)
- 我王らと同年のドラフトで入団。投手。入団当初から顔をマスクで隠していたが、それは学生時代、ヤクザと小競り合いになった末に顔をナイフで切り裂かれて大きな傷を作ったため、それを隠すためであった。入団以降なかなかローテーションに入る事が出来なかったが、92年、メッツとの開幕戦で大方の予想を裏切って開幕投手となり、そこで初めて公の前で素顔をあらわにし、ノーヒットノーランを達成した。
[編集] 『野球狂の詩 平成編』より登場
- 火浦健(ひうら けん)
- 現在のガメッツ監督。かつて「北の狼」と呼ばれた東京メッツの大エース。99年シーズン中に休養となった野尻監督の後任として突如監督に就任。見事ガメッツをメッツからの今季初勝利に導いた。その後は鉄五郎と同じく選手兼監督としても活躍し、05年のメッツとの優勝決定戦では自ら先発マウンドに上がるなど、まだまだ球質は衰えてはいないようだ。現在は背番号90。
- 美国(びくに)
- 99年の4番。火浦監督初采配の試合で国立珠美からサヨナラ2ランを放つ。一塁手、背番号30。
- 村木(むらき)
- 99年のレギュラー。背番号25。
- 広野(ひろの)
- 99年のレギュラー。鉄五郎の球を見送った事に対し「あまりの打ち頃でびっくりしただけですよ、本当は美味しい球なんだ!」と言って二球目に安打を放ったイヤミな選手。背番号29。
- 岩田武司(いわた たけし)
- 東京メッツの岩田鉄五郎の孫で、岩田清志の息子。アメリカ2Aで投手をしていたが、婚約者がガメッツオーナー代行の娘だった関係で99年ガメッツに入団し、鉄五郎を激怒させる。最初は投手としての起用だったが、火浦監督の下スラッガーとしての才能が目覚め、00年にはメッツ・羅生門や巨人・松井と本塁打王を争った。02年シーズン途中、メッツの羅生門とのトレードが成立し、メッツに移籍。背番号18。
- 南海権左(なんかい ごんざ)
- ガメッツの主砲、浪速の4番。一塁手。両投両打(?)、背番号44。03年シーズン途中に、右の代打の切り札として阪神に移籍。背番号は100。吉良高校出身で、水原が語る高校時代予選でのエピソードから『ドカベン』の南海権左と同一人物と思われる。
[編集] 『新・野球狂の詩』より登場
- 仙台又三郎(せんだい またさぶろう)
- 02年入団。水原のドリームボール打倒に生き、実は水原の師である武藤兵吉の次男。メッツの円山とは大学の同期である。右打、背番号77。
- 松(まつ)
- 正捕手。二番打者。背番号27。
- 大淀(おおよど)
- 二塁手。背番号31。
- 戎(えびす)
- 遊撃手。背番号8。
- 御堂(みどう)
- 左翼手。
- 北新地(きたしんち)
- 中堅手。
- 花月(かげつ)
- 右翼手。
- 羅生門(らしょうもん)
- 現在の4番で、東京メッツ末期の主砲。三塁手。98年はケガで棒に振ったが、以後も四番打者として活躍。2000年には松井秀喜、岩田武司と本塁打王を争う。初登場時は容貌怪異の巨漢であったが、実は温厚な愛すべき男。音武田入団により外野にコンバートされ、02年期限ギリギリのシーズン途中に岩田武司との交換トレードでガメッツに移籍してきた。名前は「あきら」(漢字は不明)。右投両打、背番号10。
- 小鳩花子(こばと はなこ)
- 03年ドラフト8位指名で入団。女性。内野手、外野手。火浦監督のおっかけで元ソフトボール選手。並外れた努力の末、開幕戦出場を果たす。05年のリーグ優勝決定戦のメッツ戦で青田からホームランを放つ。身長190cm、右投右打、背番号99。
- グレン
- 直球しか投げない外国人投手。04年の開幕投手。身長2m、右投右打、背番号50。
[編集] その他
「アパッチ」という名称の登場する野球漫画には他に『アパッチ野球軍』があるが、その原作者花登筺と水島新司が組んで、その前日譚『エースの条件』や、非野球漫画の『銭っ子』を描いている。