合い言葉は勇気
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『合い言葉は勇気』(あいことばはゆうき)は、フジテレビ系列で2000年7月6日から9月14日の間、毎週木曜午後10時00分から10時54分まで放送されていたテレビドラマ。三谷幸喜脚本。全十一話。初回と最終回は放送時間が延長された。(初回は22:30~23:54・野球中継延長で放送開始30分遅れ、最終回は22:00~23:14にそれぞれ拡大)
目次 |
[編集] あらすじ
名物は桃とダルマだけという自然豊かな富増(とまし)村(設定上は山梨県上巨摩郡富増村、郡名村名ともに架空の地名)。そこに「フナムシ開発」が産業廃棄物処理場の建設を決定する。自然が破壊されると村人は動揺し、建設差し止めの裁判を起こすことを決意する。裁判のための弁護士を探しに、犬塚は村でただ一人東京生活の経験のある大山忠志をつれて上京する。しかし、「フナムシ開発」の顧問弁護士が老獪な網干だと知るとどこの弁護士も引き受けてくれない。
暁仁太郎は俳優である。昔、賞をとったことがあるが、いまでは事務所のお荷物的存在に落ちぶれている。彼が弁護士の芝居をしているところをたまたま、忠志に見られてしまう。
犬塚は暁を本物の弁護士だと思い依頼する。引っ込みのつかなくなった暁もそれを引き受けるのだが…
無免許弁護士と村人からなる原告と、ベテラン弁護士を顧問にもつ被告企業の裁判が始まる…。
[編集] キャスト
- 暁仁太郎・・・役所広司
- 役者。本名は佐藤学。暁は役者としての芸名になる。かつては2時間ドラマの主役を演じたことがあったが、今では演技の古臭さから、鳴かず飛ばず。大山忠志との出会いがきっかけとなり、村民の前で弁護士のふりをすることになる。見た目はグレゴリー・ペック演じる「アラバマ物語」のフィンチ弁護士。性格・性質は、毛野智光曰く「おこちゃまなので、メロンやお城のプラモデル好き」。大山忠志曰く「良くいうと’役者バカ’、悪く言うと’バカ役者’」である。
- 富増村役場職員(後にクビになる)。東京の大学へ進学し、ミュージシャンになる夢が破れて帰郷。その後に村役場職員となるが、とくに目標のない人生と日々送っている。信乃に想いを寄せているが、信乃には弟扱いされている。愛郷心はないが、暁と行動するうちに村を思う気持ちが強くなっていく。25歳。フナムシ開発との裁判後、弁護士を目指し司法試験の勉強を始める。
- 犬塚信乃・・・鈴木京香
- 村のマドンナ。30代独身。守孝の娘。短大卒。母亡き現在、そして父・守孝亡き後も雑貨店を一人で切り盛りしている。誰よりも愛郷心が強いが、今まで村から出たことがなく、芋っぽさがある。琴井悌一郎の教諭時代の教え子であり、琴井悌三からは勝手に恋人のように振る舞われてしまうところがある。しかし、型破りな暁仁太郎の登場により情熱的な暁を尊敬し、その気持ちが徐々に恋愛感情へと移っていくこととなる。
- 網干頼母・・・津川雅彦
- フナムシ開発顧問弁護士。やり手で、汚い手段を使うことも躊躇しない。
- 犬塚守孝・・・田中邦衛
- 富増村村長(10期目)。お人よしな性格からフナムシ開発に騙される。フナムシ開発の不法投棄現場の写真を撮影に行った際、不慮の事故で死亡。
- 琴井悌一郎・・・寺尾聰
- 元教諭の琴井工務店社長。ここで、自ら立ち上げた「気をつけダルマ」というキャラクターがヒットしており南富増の目玉産業になっている。人望が厚いこともあり、名実ともに南富増の実力者である。守孝亡き後、「ある条件付き」で村長になって村をまとめ、(フナムシ開発に産業廃棄の許可を与えた)県を相手に裁判に出る。
- 安西景虎・・・國村隼
- フナムシ開発社長。威嚇、恫喝は当たり前のコワモテの現場からのたたき上げ社長。村の山に不法投棄をしている疑いで村人との対立が激しい。
- 鴨田額蔵・・・金田明夫
- 富増村助役。ギャンブル癖が直らず、妻子にも逃げられ、資金繰りに困り、フナムシ開発のスパイとなる。
- 毛野智光・・・山寺宏一
- 川北義助・・・梶原善
- 自由人。愛郷心が強い。誰も信用せず、単独でフナムシ開発に過激な手段で戦いを挑む。両親はいとこ同士。
- 琴井悌三・・・池田成志
- 悌一郎の弟。村一番の切れ者。信乃に一方的に想いを寄せている。裁判には消極的。亜細亜大学出身。
- 天馬金吾・・・麿赤兒
- 桃園経営者。北富増の実力者。人望がないが、北富増の人間は彼が怖くて逆らえない。フナムシ開発との裁判後、村長になるが、脳溢血で死去。
- 瀬田浅夫・・・遠山俊也
- 天馬の付き人。天馬にくっついているが、天馬を信用していない。気が弱い。天馬金吾の死後、村長となる。
- 村の若者。若者のリーダー格で、強行的にフナムシ開発を追い出そうとしている。チビ。
- 大山道夫・・・井上肇
- 村の若者。力持ち。デブ。
- 村の若者。八郎の舎弟。特徴なし。
- 宮田音弥・・・赤坂七恵
- 村の若者。村で唯一の娯楽であるカラオケスナック「村雨」を経営している女の子。八郎たちの憧れ。
- 蟇田・・・温水洋一
- フナムシ開発社員。富増村出身唯一社員。フナムシの飼育係を任されていた。元煎餅屋。
- 佐藤尚子・・・キムラ緑子
- 暁の妻。インテリアコーディネーター。うだつ上がらない暁に愛想をつかし、離婚届を突きつける。
- 大山節子・・・白川和子
- 忠志の母。ニコチャンストアーのスタンプを集めることが趣味。空気を読めない性格。
- 鳩山一茂・・・唐沢寿明
- 弁護士。熱血弁護士で、忠志に村の法廷代理を依頼され快諾する。しかし相手がやり手の網干だと分かると、あっさり裏切る。
- 斎藤礼・・・八嶋智人
- 里見法律事務所所属の弁護士で県の代理人を務める。被告側の人間だが、正義感が強い。
- 赤岩一孝・・・杉浦直樹
- 弁護士。駄目弁護士で、資格はあるが廃業状態。駆け出しの頃の網干の師匠でもある。
[編集] スタッフ
[編集] 主題曲
- 『威風堂々』第1番(作曲:エドワード・エルガー 演奏:ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団)
[編集] 放送日・サブタイトル・視聴率
各話 | 放送日 | サブタイトル | 視聴率 |
---|---|---|---|
第1話 | 2000年7月06日 | 奇跡を呼ぶ男 | 15.9% |
第2話 | 2000年7月13日 | サイテーの救世主 | 12.7% |
第3話 | 2000年7月20日 | 初めての勝利 | 10.8% |
第4話 | 2000年7月27日 | 村長は殺された! | 11.0% |
第5話 | 2000年8月03日 | 宣戦布告 | 11.3% |
第6話 | 2000年8月10日 | 裏切ったヒーロー | 7.4% |
第7話 | 2000年8月17日 | 仕掛けられた罠 | 10.4% |
第8話 | 2000年8月24日 | 最後の賭け | 10.1% |
第9話 | 2000年8月31日 | 恋におちたら | 10.3% |
第10話 | 2000年9月07日 | 最後のチャンス | 10.5% |
第11話 | 2000年9月14日 | 威風堂々 | 13.3% |
- 平均視聴率 11.2%(視聴率は関東地区・ビデオリサーチ社調べ)
[編集] 三谷リンク
- 富増村は、『古畑任三郎ファイナル 今、甦る死』(2006年)の鬼切村と同じ場所でロケが敢行されている。特に村役場のシーンは、天馬の郷土資料館と全く同じ構図で映し出されている。
- また「今、甦る死」のメインゲストの名前は、この「合い言葉は勇気」の登場人物の名前から取られている。天馬恭介は天馬金吾から。堀部音弥は宮田音弥から。特に天馬金吾が村の有力者だが人望は薄いのに対して、天馬恭介は人望の厚い人物として描かれており、全く正反対の人物である。
- 暁仁太郎が弁護士役で出演していた(劇中劇の)2時間ドラマの題名は、『古畑任三郎「しゃべりすぎた男」』(1996年)の犯人の「小清水弁護士」のパロディである。
- 映画『THE 有頂天ホテル』(2006年)には、東京在住時代の大山忠志を思わせる役どころで香取慎吾が出演している(ただし、役名は「只野憲二」、年齢も本作の大山忠志よりも高い28歳である)。
- 『総理と呼ばないで』(1997年)、『今夜、宇宙の片隅で』(1998年)と同様に三谷幸喜脚本、フジテレビ放送作品であるが、これらは2007年4月現在未DVD化作品である。
- 三谷作品を多く手掛ける共同テレビではなく、当作品ではイーストが制作した。この時期、三谷と共同テレビの関口静夫プロデューサーがドラマのキャスティングを巡り対立していたせいである(現在は和解)。演出も三谷作品を初めて手掛ける河毛俊作がチーフを務めたが、プロデューサーの石原隆と波多野健は三谷作品演出の常連である河野圭太の招聘も考えていたという。しかし、河野のスケジュールの都合がつかずに結局は断念したという。
- 「ある職業の人物が必要だが用意できず、売れない俳優がその代役をする」という展開は、三谷が監督・脚本を務めた映画作品『ザ・マジックアワー』(2008年)でも用いられている。
[編集] その他
- 登場人物の名前は「南総里見八犬伝」の八賢士の名前に由来しており、仁・義・礼・智・忠・信・孝・悌の一文字が入っている。「いぬづかしの」にいたっては八賢士の一人のそのままの名前である。舞台となる富増村(TOMASI)も里見(SATOMI)の字のアナグラムである。
- 犬塚信乃という同姓同名を一人配役しておき、この主人公から「人がたくさん集まってくる」という台詞をしゃべらせることで(村を助ける勇気ある)他の七人は誰なのかという人物相関を探る楽しみを視聴者に与えた。とくに「孝」の名前を持つ者がなかなか姿を現さず、視聴者をやきもきさせた。
- 現在でも VHS(全4巻)作品をレンタルビデオで鑑賞することができるが、テレビ放映時と違って尺(時間)が長い話もあるので必見である。
- 毎回のオープニングには勇ましくかつ美しい風景のなかの暁仁太郎(役所広司)、犬塚信乃(鈴木京香)、大山忠志(香取慎吾)の姿がみられるが、大山忠志(香取慎吾)はレスポール型のエレクトリックギターを弾きながら唄う。その歌声を聞くことはできないが、口の動きを追っていくとサザンオールスターズの TSUNAMI を唄っているようである。
- 大山忠志(香取慎吾)は村雨で村の青年たちにギターの腕前を披露しているが、その曲はディープパープルのスモーク・オン・ザ・ウォーターであり、しかもイントロのフレーズのみである。ギターキッズにはおなじみのフレーズであり簡単といえば簡単なのであるが、大山忠志のそれは決して村の青年がほめるほどのものではなかった。
[編集] 外部リンク
[編集] 前後番組
フジテレビ 木曜劇場 | ||
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(2000.4.13 - 2000.6.22) |
合い言葉は勇気
(2000.7.6 - 2000.9.14) |
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(2000.10.12 - 2000.12.21) |