南海9000系電車
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南海電気鉄道9000系電車 | |
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南海電気鉄道9000系(南海本線 浜寺公園駅付近にて) | |
起動加速度 | 2.5km/h/s |
営業最高速度 | 110km/h |
設計最高速度 | 115km/h |
減速度 | 3.7km/h/s(常用最大)
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全幅 | 2,744mm |
軌間 | 1,067mm |
電気方式 | 直流1500V架線給電 |
モーター出力 | 160kW |
歯車比 | 5.31 |
駆動装置 | WNドライブ |
制御装置 | バーニア抵抗制御+界磁チョッパ制御 |
ブレーキ方式 | 回生制動併用電気指令式ブレーキ |
メーカー | 東急車輛製造 |
南海9000系電車(なんかい9000けいでんしゃ)は、南海電気鉄道の通勤形電車の一系列である。
目次 |
[編集] 概要
長年の酷使で老朽化が目立ち始めていた旧1000系の淘汰を目的[1]とし、1985年から1988年にかけて高野線用8200系を基本として32両が東急車輌製造で製造された南海本線初のオールステンレス製20m級両開き4扉通勤車である。
[編集] 車種構成
中間電動車のモハ9001形と制御車のクハ9501形の2形式で構成される。ただし、モハ9001形は奇数車と偶数車でペアを組む1C8M制御車[2]である。
クハ-モハ-モハ-クハの4両が5編成、クハ-モハ-モハ-モハ-モハ-クハの6両2編成、合計7編成32両が製造された。
[編集] 車体
8200系で初採用された有限要素法による軽量ステンレス構造車体を備える。ただし、一般的な軽量ステンレス構造車体を備える車両とは異なり、従来通り側板にコルゲーションを施してあるため、外観上は従来工法による高野線用6200系などと大差ない印象を与える。
窓配置は従来通りクハがd1D2D2D2D1、モハが2D2D2D2D1(d:乗務員扉、D:客用扉)で、モハは車端部の窓が1枚の方が難波寄りとなる。
前面デザインについては8200系と同様、外周部にFRP製の縁飾りを設けているが、同時期製作の10000系のデザインに呼応して左右の妻窓の高さが屋根近くまで拡大され、車番を運転台上部の窓内部にバックをダークグリーンに塗装した上で表記する、いわゆる額縁スタイルに変更され[3]、踏切事故対策としてスカートが装着された。
6200系までの高野線用ステンレス車は無塗装であったが、本系列は南海本線用であり、誤乗防止の観点から当初一般車の腰板部に塗られていたのと同じグリーンの着色フィルムによる識別帯が前面と側面の窓下に貼付されていた[4]。ただしこの塗装は関西新空港開港に伴う新CI戦略による塗装変更でオレンジとブルーの色帯を貼付するように改められた[5]ため、比較的短命に終わっている。また、1993年のCI導入後は「NANKAI」のロゴ文字のフォントが変更されている。
[編集] 接客設備
8200系の設計を踏襲する一般的なロングシート車であるが、全体のカラースキームが暖色系に変更され、座席の仕切りがパイプ製から木目模様の入った仕切板に変更されている。
冷房装置は冷凍能力10,500kcal/hの三菱電機CU-191を各車4基ずつ搭載し、8200系同様天井に横流ファンが設置されている。
[編集] 主要機器
[編集] 主電動機
8200系のMB-3280-ACの実績を基に改良が施された三菱電機MB-3280-BC[6]直流複巻式電動機をモハに各4基ずつ装架する。駆動システムは南海本線系通勤車標準のWNドライブ、歯数比は85:16(5.31)である。
[編集] 主制御器
日立製作所VMC-HTR-20B界磁チョッパ制御器を、モハの奇数車に2基の東洋電機製造PT-4803-A下枠交差式パンタグラフと共に搭載する。
この制御器は型番のVMCが示すとおり日立製作所特有のバーニア制御器をベースに界磁制御器をチョッパ制御化したものであり、使用線区の線形の相違などもあって、三菱電機製の制御器を搭載した8200系とは機能や特性がやや異なっている。
もっとも、チョッパ制御器の搭載スペースを確保するために主回路構成を簡略化する必要があったことから、バーニアは2組を交互に使用することで緻密かつスムーズな加速を実現していた6000系などのものとは異なり1組のみ搭載となっており、起動加速時のノッチ進段で発生する衝動を完全に打ち消し切れておらず、やや衝動が目立つ。
[編集] 台車
従来通り、2枚の板ばねで軸箱を支持する平行支持板式(SU式)のダイレクトマウント空気ばね台車である、住友金属工業FS-392B(モハ)・092(クハ)を装着する。
[編集] ブレーキ
8200系までのHSC系電磁直通空気ブレーキに代えて、本系列では三菱電機MBS-R回生制動併用電気指令式ブレーキ[7]に変更された。
これにより直通管とブレーキ管の2本の空気管引き通しが不要となり、元空気溜管1本で済むようになったため、空制系の保守作業が大幅に簡素化されている。
また、この変更に伴い運転台のレイアウトも大幅に変更され、マスコンとブレーキを分けた横軸2ハンドル形とされ、デスク上に速度計などの計器を埋め込んだ、洗練されたデザインとなった。
[編集] 運用
4連車は5編成が在籍しているが、運用の都合上1編成は予備となっている。6連車は南海線では旧1000系以来[8]の6両固定編成でもある。
4連車は登場当初は普通車によく使われていたが、7000系と同様に編成に補助電源装置が1基しか搭載されていないため、故障時を考慮し現在は2編成を併結した8連で主にラッシュ時の急行、空港急行運用に充当されている。ただし、運用の都合上から全車自由席の特急に使用されることもある。
また、運用の都合がつかない場合は羽倉崎検車区で留置されていることが多く、ごく稀に4連車で普通運用に充当される。
6連車には運用上の制限はないため、各種別の運用に充当される。なお、6連車は女性専用車の設定対象外である。
現在では特急[9]、急行、空港急行,区急、準急,普通などに用いられ、ブレーキ方式が同様の1000系と併結可能であるが、搭載冷房機のメーカーが異なり空調制御シーケンスも異なるため、温度調節に不都合があり、2007年の段階での営業運転における併結実績は皆無である。
[編集] 脚注
- ^ 座席指定車としての旧1000系は10000系で置き換えられたが、旧1000系は一般車としての性質も備えており、これを代替する一般車の新造が必要であった。ただし、ブレーキシステムなどの互換性の問題から本系列は旧1000系の機器流用車である10000系との併結運用には使用できず。運用面から見る限りは旧1000系一般車の代替車とはなっていない。
- ^ 難波寄りの奇数車にパンタグラフと主制御器を、和歌山市寄りの偶数車に140kVA級静止形インバータ電源と空気圧縮機、それにバッテリーを搭載する。
- ^ もっとも、左右の腰板部に配されたシールドビームによる前照灯や尾灯、それに貫通路上部に設置された行先表示幕などの配置は8200系から何ら変更されていない。
- ^ このため塗装変更後は側面の色帯剥離跡が目立つ結果となっている。
- ^ この際に前面窓内の緑色も剥離され、黒色に変更された。
- ^ 端子電圧375V時定格出力160kW。
- ^ 制御器の回路簡略化のため、回生失効時にはそのまま空制が動作するように構成されている。
- ^ 旧1000系は2扉クロスシート車であり、4扉ロングシート車では初となる。
- ^ ただし10000系と併結できないため、全車自由席の列車にのみ充当される。
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現用車両 | |||||||||
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過去の車両(昇圧後在籍) | |||||||||
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過去の車両(昇圧前在籍) | |||||||||
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機関車 | |||||||||
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