八木秀次 (法学者)
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八木 秀次(やぎ ひでつぐ、1962年3月9日 - )は、広島県出身の日本の評論家・学者。高崎経済大学地域政策学部教授。専門は憲法学、憲法思想史。日本教育再生機構理事長、フジテレビジョン番組審議委員、「新しい歴史教科書をつくる会」元会員・第3代会長。
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来歴・人物
広島県尾道市生まれ。早稲田大学法学部卒業後、同大学大学院政治学研究科で小林昭三に師事し、新田均・竹花光範は兄弟子にあたる。同大学院博士課程中退後、文筆活動を開始する。2002年、第2回「正論新風賞」受賞。
保守派の立場からマルクス主義思想と社会契約主義思想を基軸とした日本国憲法のあり方を徹頭徹尾批判する発言で有名。またジェンダーフリーや夫婦別姓も厳しく批判し、教育分野においても積極的に提言する。
皇位継承問題に際しては遺伝学に言及して、“万世一系の皇室に男系による継承が重要なのは、男系男子だけが神武天皇のY染色体を継承するため”という、いわゆる「Y染色体説」などを早くから提唱。遺伝学的確かさとは無関係な疑似科学的主張で現在では男系継承維持論を代表する理論家の1人となっている。もちろん、遺伝学の専門家からは「Y染色体説」に対する批判が多い。
2006年2月28日、「新しい歴史教科書をつくる会」の内紛および中国への無断渡航の責任を取らされ、会長を解任されたが、地方組織の尽力で3月11日副会長に留まることになった。同年4月30日、藤岡信勝の日本共産党員歴の怪文書事件の責任を取らされ、副会長のみならず、理事を解任され、つくる会からも脱退した[1]。現在、「日本教育再生機構」(6月結成)代表。 伊藤哲夫、西岡力、島田洋一、中西輝政と共に安倍晋三のブレーンの一人と報道された。
著書
単著
- 『論戦布告――日本をどうする』(徳間書店、1999年)
- 『誰が教育を滅ぼしたか――学校、家族を蝕む怪しき思想』(PHP研究所、2001年)
- 『反「人権」宣言』(筑摩書房[ちくま新書]、2001年)
- 『明治憲法の思想――日本の国柄とは何か』(PHP研究所[PHP新書]、2002年)
- 『日本国憲法とは何か』(PHP研究所[PHP新書]、2003年)
- 『国家再生の哲学』(モラロジー研究所、2004年)
- 『「女性天皇容認論」を排す――論集・現代日本についての省察』(清流出版、2004年)
- 『国民の思想』(扶桑社、2005年)
- 『本当に女帝を認めてもいいのか』(洋泉社[新書y]、2005年)
- 『日本人なら知っておきたい!Q&Aで分かる天皇制度』(扶桑社、2006年)
- 『公教育再生 「正常化」のために国民が知っておくべきこと』(PHP研究所、2007年)
- 『日本を愛する者が自覚すべきこと』(PHP研究所、2007年)
共著
- (小林昭三・下条芳明・斎藤康輝・東裕・野畑健太郎・吉田直正・土居靖美・山崎博久・池田実)『日本国憲法論』(嵯峨野書院、2000年)
- (渡部昇一・林道義)『国を売る人びと――日本人を不幸にしているのは誰か』(PHP研究所、2000年)
- (加藤寛・渡部昇一・屋山太郎・和田秀樹・石井威望・江口克彦)『教育は何を目指すべきか――新・教育基本法私案』(PHP研究所、2001年)
- (池田清彦・小浜逸郎・橋爪大三郎・吉田司・井崎正敏・小谷野敦)『天皇の戦争責任・再考』(洋泉社[新書y]、2003年)
- (呉善花・高森明勅)『歴史と文化が日本をただす』(モラロジー研究所、2003年)
- (渡部昇一・新田均)『日本を貶める人々――「愛国の徒」を装う「売国の輩」を撃つ』(PHP研究所、2004年)
- (西尾幹二)『新・国民の油断――「ジェンダーフリー」「過激な性教育」が日本を亡ぼす!』(PHP研究所、2005年)
- (渡部昇一・屋山太郎)『日本を蝕む人々――平成の国賊を名指しで糺す』(PHP研究所, 2005年)
- (小堀桂一郎・櫻井よしこ)『「女系天皇論」の大罪』(PHP研究所、2006年)
編著
- 『教育黒書――学校はわが子に何を教えているか』(PHP研究所、2002年)
共編著
- (宮崎哲弥)『夫婦別姓大論破!』(洋泉社、1996年)
監修
- 『精撰「尋常小学修身書」――明治・大正・昭和……親子で読みたい』(小学館文庫、2002年)