光岡・オロチ
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オロチ(大蛇、Orochi)は光岡自動車の乗用車(スポーツラグジュアリークーペ)である。 光岡ではオロチをファッションスーパーカーというカテゴリーに分類している。
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[編集] 概要
オロチの最大の特徴は、そのエクステリアである。車体サイズは全長:4560mm、全幅:2035mm、全高:1180mmであり、国産車としては珍しい規模の幅広で低い車体を持つ。その名の通り日本神話に登場するヤマタノオロチにヒントを得た有機的なデザインはこれまでの国産車とは一線を画すものである。
[編集] 歴史
[編集] コンセプトモデル
オロチの初登場は、光岡が初めてモーターショーに出展することとなった、2001年開催の第35回東京モーターショーである。初代コンセプトモデルはホンダ・NSXのパワートレーンを使用し、パイプフレームで作られたオリジナルボディをかぶせたものであり、その有機的なスタイリングは、光岡自動車のモーターショー出展第一回を成功へと導いた。
そして東京モーターショーの地方巡業となる大阪、名古屋の各モーターショーでは、突然の登場で世界を驚かせた「GT-Rコンセプト」よりも注目度が高いという現象まで起こした。この時点で数十名から購入希望が寄せられるなどの大反響を受け、商品化が決定したという。[1]
この反響を受け、2年後の2003年、第37回東京モーターショーに登場した二代目は、日本の保安基準に適合すべく、大規模なフェイスリフトを実施、さらにフェラーリ・512TRを参考にした自社製シャシーを採用するなど大きく変化し、市販化が更に現実的なものになった。
また、「大蛇」という純和風の車名はこの年の第37回東京モーターショーにおいて各社のコンセプトカーの車名に大きな影響を与えたのではないかとの推察がある。例を挙げると、日産の「
2005年開催の第39回東京モーターショーにおいて、三度目(乗用車部門)となる出展を果たした光岡自動車は、プレスデー初日となる10月19日に市販化の概要を発表した。それによれば、ショー開幕の一週間前にはテスト車を用いて高速走行テストなどの試験を開始したとのことである。パワートレーン系は2003年に発表されたものから変更されていなかった。
なお、この第39回モーターショーには、追加バリエーションとしてガルウイングドア採用のロードスターモデル「オロチ ヌードトップロードスター」をデザインスタディ扱いで出展していた。
[編集] 市販モデル
2006年10月2日、光岡はオロチの市販を発表し、翌日より予約を開始した。市販化にあたり、オロチのエンジンには、レクサス・RX330[2]に搭載されるV6 3.3リッターエンジンを使用し、ミッドシップレイアウトを取る。トランスミッションは同じくRX330用の5速ATを搭載する。
スポーツカーとして考えれば、1580kgの車重に対し233馬力と非力なエンジンやATのみのトランスミッション、足回りも固められているわけでは無いなど、必ずしもスポーツ走行を重視しない大人しめな所があるが、光岡のデザイナーでありオロチのデザインを手がけた青木孝憲によると、コンセプトのファッションスーパーカーは、「優越感にひたって、雰囲気を楽しむクルマ」とし、スーパーカー特有の扱い難さを極力排し、日常的に使えるクルマに仕上げたという。その為エンジンも静粛性が高く、足回りやシートもバケットタイプながらも柔らかく居住性の高いものとなっている。トランスミッションがATのみなのは、日本の交通事情(渋滞等)が絡んでいるからとのこと。
400台の完全受注生産となり、内装色については25色、ボディーカラーについては約300色の中からオーダーが可能。また、ボディーカラーについては色の配合についても受け付ける。手作業での生産の為、最後の1台が出来るのは製造開始から4年後と言われ、2007年4月23日には予約者への納車が開始された。[3]
2008年1月30日には特別限定車として大蛇・零(オロチ・ゼロ)を発表。ボンネットやヘッドライトなどの装飾を少なくし、塗装を一色に絞り、コストを抑えた廉価モデルとなる[4]。車両本体価格は934万5,000円。「自動車人気復興大作戦」というオロチプロジェクトの一環として計画された。
[編集] 年譜
- 2001年 - 第35回東京モーターショーに出品。
- 2003年 - 第37回東京モーターショーに出品。
- 2005年 - 第39回東京モーターショーに出品。
- 2006年6月26日 - 3MZ-FEエンジンとU151Eトランスミッションを組み合わせた売買契約をトヨタ自動車と締結。
- 2006年7月27日 - 上記契約の発表。
- 2006年10月3日 - 予約受付開始予定。
- 2006年11月30日 - あなたが選ぶカー・オブ・ザ・イヤーにてインターネットを使った一般投票によってスポーツカー・オブ・ザ・イヤーを受賞。[5]
- 2007年4月23日 - 予約者への納車が開始。
- 2007年 - 第40回東京モーターショーに、随所にカーボンファイバーやプラチナ箔をあしらったデザインスタディーモデル「大蛇・兜」を出品。
- 2008年1月30日 - 「大蛇・零」の発表。同日予約開始。
- 2008年2月28日 - タカラトミーのゲームソフト「チョロQWII」にオロチが実名で登場。
- 2008年4月10日 - 東洋ゴムのCMに登場[6]。
[編集] 脚注
- ^ MotorMagazine - ニューモデル速報 : 光岡自動車 大蛇(オロチ)
- ^ 日本名・ハリアーやハイランダー(クルーガー)の輸出仕様。
- ^ オロチの納車が開始、購入者の年齢や職業も明らかに
- ^ スーパーカー「大蛇・零(オロチ・ゼロ)」を発売 光岡自動車 - MSN産経ニュース
- ^ 2006-2007 あなたが選ぶカー・オブ・ザ・イヤー
- ^ 白と黒が登場、白は天海祐希が、黒は竹野内豊が搭乗していた。
[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク
- 光岡自動車 | オロチ (公式サイト)