僕の彼女はサイボーグ
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僕の彼女はサイボーグ | |
監督 | 郭在容(クァク・ジェヨン) |
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製作 | 山本又一朗 ジー・ヨンジュン |
脚本 | 郭在容 |
出演者 | 綾瀬はるか 小出恵介 吉行和子 竹中直人 小日向文世 伊武雅刀 |
音楽 | 大坪直樹 |
主題歌 | MISIA「約束の翼」 |
撮影監督 | 林淳一郎 |
配給 | GAGA |
公開 | 2008年5月31日 |
製作国 | 日本 |
言語 | 日本語 |
allcinema | |
Variety Japan | |
IMDb | |
『僕の彼女はサイボーグ』(ぼくのかのじょはサイボーグ)は、2008年5月31日に公開された日本映画。
目次 |
[編集] 上映館
2008年5月31日公開、東京都のサロンパス ルーブル丸の内他、全国松竹・東急系映画館にてロードショー。ゆうばり国際ファンタスティック映画祭2008のオープニング作品として先行上映された。
[編集] 概要
韓国映画『猟奇的な彼女』『僕の彼女を紹介します』に続く"彼女シリーズ"第3弾(最終作という報道もある)。
未来から来た人造人間の少女と、彼女に惹かれていく青年の共同生活を描くSFラブストーリー。『猟奇的な彼女』『僕の彼女を紹介します』のクァク・ジェヨンが脚本・監督を担当、大胆な「彼女」とヘタレな「僕」という構図を継承しつつSFファンタジーとアクション要素を絡めた恋物語となっている。
設定では場所は東京となっているが、ロケシーンの約8割は神戸で撮影された。
[編集] ストーリー
2008年11月22日。『僕』ことさえない大学生、北村ジロー(小出恵介)は21歳の誕生日をひとりで祝っていた。彼は丁度1年前の20歳の誕生日に出会い、別れた魅力的な女性の事が忘れられず、彼女と食事したレストランをまた訪れていた。そんなジローの前に、あの女性そっくりな『彼女』(綾瀬はるか)が現れる。『彼女』は悲惨な運命をたどった未来のジローが、過去の自分を守るために送りこんだ「サイボーグ」だった。かくしてジローと『彼女』の奇妙な共同生活が始まる。キュートな外見と裏腹に『彼女』の行動は突飛かつ人間離れしていた。が、ジローのピンチを幾度となく救い、また幾つかの外部の事故や事件をも、一人で介入し解決してしまうのだった。ジローは次第に『彼女』を愛しいと思うようになるが、本来感情を持たない『彼女』にジローの思いはうまく伝わらず、苛立ちを募らせたある日、ジローは『彼女』を乱暴に部屋から追い出してしまう。後悔に苛まれるジロー。だが未来の自分が示唆したとおり、彼の運命にはさらなる激動が迫っていた。
[編集] 登場人物
- 彼女
- 未来のジローが自分を悲惨な運命から守るために2008年の現代に送り込んだ。怪力を持ち、超スピードでの移動が可能。目からホログラム映像を投射し、過去に知覚した映像と声を再現できる。また放電によって人間を失神させることや、一度聴いた声や音などを完全に模倣する声帯模写能力も備える。動力源は不明だが、ほぼ人間と同じものを「食べる」ことはできる。飲酒すると誤作動を起こし首が一回転したりショートしたりする。なぜかロボットと呼ばれることには拒否反応を示す。未来の世界でジローの死を看取り、その後は博物館に展示され、オークションによってある人物の手に渡ることになる。その設定、描写、コードネームなど多くがターミネーターへのオマージュである。
- 北村ジロー(僕)
- 毎年自分の誕生日に贈り物を買い、同じレストランでスパゲティを食べる冴えない大学生。専攻は不明だが数学講義のシーンが多い。ハンバーガーショップでアルバイトをしている。
- 故郷は山間の小さな村だが、過去の地震被害により当時の住民は離散している。
- 未来のジローによれば、本来はロトくじを当て富豪となる一方、銃乱射事件で重い身体障害を負う運命だった。未来の博物館には老いたジロー(死後の肉体そのものか、レプリカかは不明)が「彼女」と並んで展示されている。
- ジローのおばあちゃん
- 長生きのため、誕生日には麺類を食べるようジローにいいつけた。'08年現在は故人と思われる。実はある秘密がある。
- ジローの友人(サトーケンタ)
- 大学の同級生。カピバラ料理について独自の薀蓄を披露する。
- 大学教授
- 常にハイテンションで数式および電気回路の講義をしている。やる気ない学生には容赦なくチョークを投げる。
- 無差別殺人鬼
- 2008年の11月22日にレストランで銃乱射事件を起こす。ガソリンの入ったポリタンクも携行しており、放火も計画していたとみられる。
[編集] キャスト
- 彼女:綾瀬はるか
- 北村ジロー:小出恵介、喜内琉斗(幼少)
- ジローの友人:桐谷健太
- ジローのおばあちゃん:吉行和子
- オークショナー:遠藤憲一
- 22世紀の高校生:吉高由里子
- 大学教授:竹中直人
- 無差別殺人鬼:田口浩正
- 警官:ドロンズ石本
- TVリポーター:小日向文世
- 駄菓子屋のオヤジ:蛭子能収
- 伊武雅刀
- 松本莉緒
- 阿井莉沙
- 亮介:大和田唯斗
- 近藤海斗
- 水野花
- 菅野友輝
- 中上海輔
- リュウ・ヒジュン
[編集] スタッフ
- 監督・脚本:郭在容(クァク・ジェヨン)
- 統括:宮下昌幸
- 企画:橋田寿宏、青木真樹
- プロデューサー:山本又一朗、ジー・ヨンジュン
- ラインプロデューサー:松田康史
- 共同プロデューサー:佐谷秀美
- 撮影監督:林淳一郎
- 美術:丸尾知行
- 照明:金沢正夫
- 録音:小原義哉
- 編集:掛須秀一
- 音楽:大坪直樹
- 音響効果:柴崎憲治
- 助監督:吉見拓真、李相國
- 配給:ギャガ・コミュニケーションズ
- 製作:「僕の彼女はサイボーグ」フィルムパートナーズ(アミューズソフトエンタテインメント、電通、ギャガ・コミュニケーションズ、フィールズピクチャーズ、TBS、小学館、MBS、センチュリオンファンド、ベアエンターテインメント)
[編集] 主題歌
- 主題歌:『約束の翼』MISIA(Rhythmedia Tribe/BMG JAPAN)
- 挿入歌:『キズナ』Hi-Fi CAMP(FLME)
[編集] 備考
- この映画に登場する「彼女」は人間によって製造された「人造人間」であり、表題の「サイボーグ」という表現は正確ではない。
- 大学のシーンは神戸大学六甲台本館(登録有形文化財)及び関西学院大学を使用している。
- クァク・ジェヨン監督は日本漫画「行け!稲中卓球部」ファンであることを公言しており、本作にも美術セットの一部としてこの単行本が映るシーンがある。また「ドラえもん」、「銃夢」からの影響を監督自身が認めており、小出恵介もインタビューに於いて当作品での役柄はのび太だと語っているなど、古今のSF映画や日本のアニメからの影響も強く反映されている。「新世紀エヴァンゲリオン」のキャラクターフィギュアも作中に何度か登場する。