倒立V型エンジン
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倒立V型エンジン(とうりつブイがたえんじん)は、シリンダがクランクシャフトに対して下方向、逆V字型(Λ型)に配置されたV型エンジンのことである。
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[編集] 概要
ナチス・ドイツのドイツ空軍では、後述の長所に固執し、航空機用液冷エンジンにほとんどこのタイプを採用した。ダイムラー・ベンツおよびユンカースで製造され、イタリアや日本もダイムラー・ベンツの倒立V型エンジンをライセンス生産、戦闘機および艦上爆撃機エンジンとして使用している。
[編集] 航空機エンジンとしての特徴
航空機(戦闘機)用エンジンとしての特徴は、以下の通り。
- 長所
- 短所
機首およびプロペラ軸に機銃を装備することはつまり機体中心線に近いところに装備することであり、主翼内機銃に比べ命中率の向上が図れた。
[編集] エンジン形式としての特徴
エンジン形式としての特徴は以下の通り。
- 長所
- 短所
- エンジンオイルが常にシリンダ側にたまることになり、シリンダから燃焼室へのオイルの濾過による損失が正立V型にくらべ大きい。
[編集] 主な倒立V型エンジン
- クライスラー
- ダイムラー・ベンツ
- ユンカース
- アルファ・ロメオ
- RA1000RC41(DB 601のライセンス生産品)
- RA1050RC58(DB 605のライセンス生産品)
- 川崎航空機
- ハ40(DB 601のライセンス生産品)
- 愛知航空機
- 熱田(DB 600、DB 601のライセンス生産品)