体重別階級
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
体重別階級(たいじゅうべつかいきゅう、英:weight class)は、主に柔道やボクシングなどの格闘技において、体重によるハンデを解消するために体重の近いもの同士を対戦させるためのルール。「柔よく剛を制す」を旨とする柔道などの伝統武道においては当初この近代スポーツの制度導入に反発があった。
目次 |
[編集] 体重別階級制を導入している競技
[編集] 柔道
- 全日本選抜柔道体重別選手権大会#階級を参照。
- オリンピックでの体重別階級については下記の英語版Wikipediaを参照。
[編集] レスリング
- アマチュアレスリング#階級を参照。
[編集] ボクシング
アマチュアボクシングでは、男子は12階級、女子は13階級ある。
[編集] プロボクシング
最重量級のヘビー級から、最軽量級のミニマム級まで全17階級ある。
階級名称 | 体重 | 補足 |
---|---|---|
ヘビー級 | 90.719kg(200ポンド)以上 | |
クルーザー級 | 90.719kg(200ポンド)未満 | ジュニアヘビー級 |
ライトヘビー級 | 79.379kg(175ポンド)未満 | |
スーパーミドル級 | 76.204kg(168ポンド)未満 | |
ミドル級 | 72.575kg(160ポンド)未満 | |
スーパーウェルター級 | 69.853kg(154ポンド)未満 | ジュニアミドル級 |
ウェルター級 | 66.678kg(147ポンド)未満 | |
スーパーライト級 | 63.503kg(140ポンド)未満 | ジュニアウェルター級 |
ライト級 | 61.235kg(135ポンド)未満 | |
スーパーフェザー級 | 58.967kg(130ポンド)未満 | ジュニアライト級 |
フェザー級 | 57.153kg(126ポンド)未満 | |
スーパーバンタム級 | 55.338kg(122ポンド)未満 | ジュニアフェザー級 |
バンタム級 | 53.524kg(118ポンド)未満 | |
スーパーフライ級 | 52.163kg(115ポンド)未満 | ジュニアバンタム級 |
フライ級 | 50.802kg(112ポンド)未満 | |
ライトフライ級 | 48.988kg(108ポンド)未満 | ジュニアフライ級 |
ミニマム級 | 47.627kg(105ポンド)未満 | ストロー級/ミニフライ級 |
マイナー団体の場合、190〜210ポンドをスーパークルーザー級としている場合もある。
女子の場合、団体によってはミニマム級より下となる102ポンド以下のアトム級が設けられている場合もある。
[編集] 複数階級制覇
異なる複数の階級で王座を獲得する事を複数階級制覇と呼ぶ。2階級で王座を獲得した場合は2階級制覇、3階級なら3階級制覇などと呼ばれる。
世界王座の場合、メジャー4団体の中でなら異なる団体でも成立するが、地域王座(東洋太平洋など)や国内王座の場合は同一コミッションでなければ成立しないのが原則である。
2007年11月現在、オスカー・デ・ラ・ホーヤの6階級が最多記録。日本人選手の世界王座2階級制覇はこれまで4名(暫定王座の戸高秀樹を含めて5名とする場合もある)が達成しているが、3階級以上制覇した選手はいまだ現れていない。
[編集] キックボクシング
キックボクシングは日本においても団体乱立状態ではあるが、体重別階級はどの団体も基本的に国際式ボクシングと同じである。
しかし、国際団体となると階級も団体ごとにまちまちである。
[編集] K-1
K-1においては、K-1 MAXをミドル級に設定している以外は(一時はフェザー級やライトヘビー級も置かれていた。)特に体重別階級は設定しておらず、GPはだいたい100kg以上の選手が中心となっていた。
しかし、2007年より本格的に階級を導入する。まず、100kgを境にヘビー級とスーパーヘビー級に分けてタイトルマッチ方式で王座を決め、以降順次階級を設けて最終的に5階級とする。MAXは既存のミドル級と新設予定のライト級で検討されている。
階級は以下の通り。なお、これらは既に一部階級を採用しているFEG系のHERO'Sと同様となっている(HERO'Sでは2005年にミドル級、2006年にライトヘビー級が設けられた。)。ただし、GPのトーナメントは無差別級となる。
階級名称 | 体重 | 補足 |
---|---|---|
スーパーヘビー級 | 100kg以上 | |
ヘビー級 | 100kg未満 | |
ライトヘビー級 | 85kg未満 | |
ミドル級 | 70kg未満 | K-1 MAX |
ライト級 | 60kg未満 |
[編集] シュートボクシング
シュートボクシング#階級を参照。
[編集] 総合格闘技
[編集] ネバダ州アスレチック・コミッションによる階級制
ネバダ州アスレチック・コミッションが制定した総合格闘技の統一階級制度であり、UFC・WEC・BodogFight・EliteXC・KOTC・HCF・IFLなどの北米地域のプロモーションで採用されている。また、Cage Rage等の欧州のイベントや、DREAM・CAGE FORCE・パンクラス・戦極・DEEPなどの日本のイベントにおいてもこれに準ずる階級制となっている。なお、イベントによってマッチメイクを行う階級の数に相違がある。
階級 | 重量区分(ポンド) | 重量区分(キログラム) |
---|---|---|
スーパーヘビー級 | 265lbs〜 | 120.2kg〜 |
ヘビー級 | 205lbs〜265lbs | 93.0kg〜120.2kg |
ライトヘビー級 | 185lbs〜205lbs | 83.9kg〜93.0kg |
ミドル級 | 170lbs〜185lbs | 77.1kg〜83.9kg |
ウェルター級 | 155lbs〜170lbs | 70.3kg〜77.1kg |
ライト級 | 145lbs〜155lbs | 65.8kg〜70.3kg |
フェザー級 | 135lbs〜145lbs | 61.2kg〜65.8kg |
バンタム級 | 125lbs〜135lbs | 58.0kg〜61.2kg |
フライ級 | 〜125lbs | 〜58.0kg |
[編集] PRIDE
2001年に体重別階級(ヘビー級、ミドル級)が設定され、タイトルマッチも行われている他、2003年からPRIDE GPが年度によって特定の階級(無差別級の場合あり)で開催されている。
階級名称 | 体重 | 補足 |
---|---|---|
ヘビー級 | 93kg以上 | |
ミドル級 | 93kg未満 | |
ウェルター級 | 83kg未満 | 2005年新設 |
ライト級 | 73kg未満 | 2005年新設 |
[編集] パンクラス
階級名称 | 体重(新) | 体重(旧) |
---|---|---|
無差別級 | ||
スーパーヘビー級 | なし | 100kg以上 |
ヘビー級 | 120.2kg未満 | 100kg未満 |
ライトヘビー級 | 93.0kg未満 | 90kg未満 |
ミドル級 | 83.9kg未満 | 82kg未満 |
ウェルター級 | 77.1kg未満 | 75kg未満 |
ライト級 | 70.3kg未満 | 69kg未満 |
フェザー級 | 65.8kg未満 | 64kg未満 |
バンタム級 | 61.2kg未満 | なし |
フライ級 | 58.0kg未満 | なし |
※新階級は2008年1月30日より施行。
[編集] 修斗
修斗#階級を参照。
[編集] プロレス
プロレス団体により呼称、体重区分が異なり統一はされていない。どの団体でも概ね100kg以上をヘビー級としている。それ以下の体重は団体によりジュニア(ライト)ヘビー級、クルーザー級など呼称も体重区分も異なる。また、プロレスの場合は身長・体重は自称・公称値であるため、事前の体重計量は行われないことが大半。タイトルマッチ以外は無差別で試合が行われる。
[編集] 関連項目
- パウンド・フォー・パウンド
- 無差別級
- 体重別皇居マラソン大会(毎年6月の最終日曜日開催)