パンクラス
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パンクラス(Pancrase)は、1993年に藤原組を退団した船木誠勝、鈴木みのるらが尾崎允実を社長に迎えて発足したプロレス、総合格闘技団体。同年9月21日に、東京ベイNKホールにて旗揚げ戦を行った。運営母体は、株式会社ワールドパンクラスクリエイト。ハイブリッド・レスリング(Hybrid Wrestling)を団体のスローガンとして掲げている。パンクラスの名称は、古代ギリシャの格闘技パンクラチオンの前身の武術に由来し、カール・ゴッチが名付けた。
プロレス団体だが、発足当時に鈴木みのるは「真剣勝負だけのプロレスがパンクラス」と度々コメントしていた。現在ではMISSIONというプロレス部門が存在する。
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[編集] 来歴
藤原組の母体であった新生UWFの流れを汲む。「完全実力主義」を標榜し、カール・ゴッチに師事を受け、水泳選手のような鍛え上げられた肉体と「秒殺」という流行語を生み出すほどのハイスパートな真剣勝負で多くのファンを魅了する。しかし、団体立ち上げからしばらくすると、選手のコマ不足やグラウンド技術向上による防御に徹して負けない試合をする選手が現れ始め、「ぬるい」試合が続出し、後に修斗から不正試合を指摘される原因となる(船木がリング上で「潰し合いは嫌なんだ!」と叫んだこともある)。パンクラス初期のあっという間に勝敗が決まる「秒殺」や、ヒールホールド等の関節技に終始する試合は、コアなファンを自認する一部の層には受け入れられたが、一般層には「分かり難い」という弊害も存在した。
現在は9つの道場に分かれている。船木は、2000年に「コロシアム2000」でヒクソン・グレイシーに敗れ引退。この後パンクラスは競技団体としての色合いを濃くしていった。階級整備、ルール整備などが行われ他団体からの参加選手も目立つようになったが、パンクラス所属選手への身びいき的判定は「パンクラス判定」などと揶揄され、参加団体のSKアブソリュートからは、競技の公平性について抗議を受けている。実際、パンクラスのトレーナーとレフェリーが同一人物であったり、レフェリーがパンクラス所属であったりと、競技性を徹底的に追求する修斗と比較すると、いかにもプロレス団体風のアバウトさが目立つのも事実である。同時に競技性を追求しすぎたゆえ、集客力のあるタレント力をもった選手を保持することができず、業界内で脚光を浴びる地位を得られないことを感じた選手たちは次々と離脱。バス・ルッテン、ケン・シャムロック、フランク・シャムロック、セーム・シュルト、須藤元気、美濃輪育久、ガイ・メッツァー、國奥麒樹真など多くの優秀な選手がパンクラスを離れている。近年はチャンピオンやランカーのPRIDEなど他興行への積極的チャレンジを行い、地位回復を目指している。
2007年にはアメリカの総合格闘技イベントBodogFightと業務提携を結んだ[1]。同年12月4日に、アメリカ・ネバダ州アスレチック・コミッションが定める階級制に変更。新階級ではスーパーヘビー級が廃止され、新たにフライ級・バンタム級が新設された。2008年1月30日の興行からこの新階級制が導入された[2]。
[編集] 階級・王者一覧
階級 | 重量区分 | キング・オブ・パンクラシスト |
---|---|---|
無差別級 | 体重無制限 | ジョシュ・バーネット |
ヘビー級 | 93.0kg〜120.2kg未満 | 空位 |
ライトヘビー級 | 83.9kg〜93.0kg未満 | 空位 |
ミドル級 | 77.1kg〜83.9kg未満 | 竹内出 |
ウェルター級 | 70.3kg〜77.1kg未満 | 井上克也 |
ライト級 | 65.8kg〜70.3kg未満 | 昇侍 |
フェザー級 | 61.2kg〜65.8kg未満 | 前田吉朗 |
バンタム級 | 58.0kg〜61.2kg未満 | 空位 |
フライ級 | 58.0kg未満下限なし | 空位 |
[編集] 各チームの選手
[編集] ism
[編集] 稲垣組
- 武重賢司
- 前田吉朗
- 藤原大地
- 藤本直治
- 伊藤あすか
[編集] MISSION(プロレス部門)
[編集] チームパンクラス
- 謙吾
- アライケンジ
[編集] チーム玉海力
[編集] P'sLAB
- 志田幹
- 築城実
- NUKINPO!
- 島田賢二
- 佐藤伸哉
[編集] HYBRID WRESTLING 武∞限(認可ジム)
- 砂辺光久
- 田上洋平
- REIJI
- 城間貴文
[編集] パンクラス出場選手
[編集] KRAZY BEE
- 山本篤
- 小路伸亮
[編集] K.I.B.A
[編集] 坂口道場
[編集] パンクラスアテナ(女子)
[編集] 脱退表明したチーム
[編集] GRABAKA
詳細はGRABAKAを参照
[編集] チーム・パオン
[編集] 審判団
- 梅木良則
- 大藪吉郁
- 岡本浩稔
- 小菅賢次
- 廣戸聡一
- 松宮智生
- 和田良覚
[編集] 過去の所属選手
- 船木誠勝
- 柳澤龍志
- 稲垣克臣
- 山田学
- 國奥麒樹真
- 長谷川悟史
- マッシブ・イチ
- 大場裕司
- 美濃輪育久(現:ミノワマン)
- 窪田幸生
- 石井大輔
- 須藤元気
- 松永裕央
- 中台宣
- 菊地一仁
- 宮川順也
- 保坂忠広
- 渋谷修身
- 野地竜太
- 高橋義生
[編集] 選手の服装
パンクラスが認可するオープンフィンガーグローブ、マウスピース、ファウルカップ、タイツを必ず着用して試合をする。レスリング用のシューズなどの着用も認められている。
[編集] テレビ放送
- 2007年7月現在、スカイ・A sports+およびFIGHTING TV サムライ、EXスポーツにて中継を行っている。
- 過去にはGAORA『パンクラッシュ!PANCRASE』、フジテレビ『SRS』、BS朝日、テレビ東京『格闘Xパンクラス』、日本テレビで中継を行っていた。
[編集] 脚注
- ^ パンクラスがボードッグとの提携を電撃発表!日本の老舗団体と米国の新興勢力が強力タッグを結成 スポーツナビ 2007年1月26日
- ^ [パンクラス]新階級は1月30日の後楽園大会より導入。軽量級が充実 BOUTREVIEW 2007年12月4日
[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク
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