一般職
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一般職
一般職(いっぱんしょく)は、日本の正社員のコース区分で、定型的・補助的な業務を行う。対義区分は、総合職。「総合職」と「一般職」は、それぞれ「一般職」と「事務職」と言われるときもある。
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[編集] 歴史
男女雇用機会均等法により労働者に対する男女差別が禁止され、管理職及び将来管理職となることを嘱望された男性従業員と、補助的業務に就かせる女性従業員と区別、男女別の賃金体系を敷くことができなくなり、男女別ではない総合職と一般職という区分が設けられるようになった。そのため、大半が女性となっている[1]。
その後、1990年代に入り総合職・一般職という区別が男女差別として禁止されたことや、一般事務のIT化による業務量の減少、派遣社員への振替などにより従業者の需要が減少したため、廃止する動きが広がった[1]。
2000年代後半になると、働き方の多様化に対応するため、一般職を復活させる動きが現れた[1]。
[編集] 業務内容
区分設立当初は、定型的・補助的な業務(工場におけるライン作業に従事する者や一般事務、プログラマー(コーダー)などの業務に従事する者等)を担っていた。また、転居を伴う異動はない。
その後、2000年代になると、業務が多様化し、総合職との区別は曖昧になってきている。採用地域に密着して業務を行うコースを一般職、全国を飛び回って業務を行うコースを総合職とする場合もある。そのため、「一般職」という名前のみで業務を判断するのは知識不足で早計である、とする指摘がある[2]。
[編集] 2000年代後半以降の動き
上述したように、廃止した一般職を復活させる動きがある。報道では、伊藤忠や丸紅といった商社が紹介されている[1]。
一方で、労働力の量・質の確保の観点から、一般職を廃止する動きもある。銀行では、窓口業務に求められるスキルの敷居が高くなる中で、スキルを持った女性社員の意欲向上と他社への流出を防ぐために人事制度の変更、派遣社員から正社員への登用を行う動きがある[3]。
[編集] 女性差別との関係
一般職という人事制度における区分は、制度設立経緯及び構成員の大半が女性であることから、女性差別であるという意見がある。詳細は女性差別を参照されたい。