ヴァンデミエールの翼
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『ヴァンデミエールの翼』（ヴァンデミエールのつばさ）は、近代から現代を舞台とした鬼頭莫宏のファンタジー漫画（四季賞入賞作品「ヴァンデミエールの右手」の続編）。
目次 |
[編集] 概要
1996年、月刊アフタヌーン1月号・8月号・11月号、1997年の3月号・6月号・7月号、1998年の1月号に隔月掲載された。最終話『ヴァンデミエールの滑走』は単行本に書き下ろされた。全2巻、全8話。
「自律胴人形」をモチーフに描かれた連作で、非常に啓蒙的な内容を作者独特の繊細で儚い絵が盛り上げている寓話的な作品。テーマは「個（アイデンティティ）」。
ストーリー構成は、毎回異なるヴァンデミエール（同一と思われるヴァンデミエールも存在する）が、どこか歪な心を持った少年（青年）を交えて、支配者や戒律など、自分を束縛するあらゆるものから自由を勝ち取る姿を描いた1話完結の連作である。
[編集] あらすじ
己を「支配するもの」から脱却するために、ヴァンデミエールは色々な代価を支払う事で自由を獲得する。人間のまがいもの、機械のまがいもの、天使のまがいものという、何者にも属さない苦悶を持ち、「まがい物」として物語を彩るが、最終話にて第1話の少年と邂逅し自らの羽根をもぎ取って奔走しだす。
[編集] 登場人物
- ヴァンデミエール
- 本作の主人公。背中に翼が生えた少女の姿をした自律胴人形。
- レイ
- 第一話に登場する少年。カーニバルと共に町にやってきたヴァンデミエールと出会い、後にヴァンデミエールが大人たちの慰み物にされていることを知ると彼女を連れて逃げようとした。だがその目論見は失敗し、罰として右手を切り落とされてしまう。
- 座長
- ヴァンデミエールを雇っているカーニバルの座長。夜間に「興行」と称してヴァンデミエールを大人の慰みものにしている。後にヴァンデミエールを連れてにげようとしたレイを捕まえ、罰としてレイとヴァンデミエールの右手を切り落とす。
- ウィル
- 第二話に登場する飛行機乗り。本名はウィリアム。ヴァンデミエールと出会い、彼女を飛行機に乗せてあげるが、座長によって飛行機を落とされてしまう。
- テルミドール
- 長い間病気で寝込んでいる少女。
- シモン
- テルミドールの兄。ラズベリーを取りに行った森の中で偶然ヴァンデミエールに出会い、彼女を連れて帰る。
- フリュクティドール
- 第四話に登場する人物。ミルトンの乳母。
- ミルトン
- ブリュメール
- 第五話に登場する少女。性格はややわがまま。
- ブリュメールの父
- ブリュメールの父親で、教父の職に就いている。学校教師・フォレー先生と仲がいい。
- エイバリー
- ニヴォゼ
- 木工屋
[編集] 単行本と収録されている各話のサブタイトル
- 第1巻 ISBN 4-06-321069-3 1997年4月23日第1刷発行
- 第1話 ヴァンデミエールの右手
- 第2話 ヴァンデミエールの白翼
- 第3話 テルミドールの時間
- 第4話 フリュクティドールの火葬
- 第2巻 ISBN 4-06-321078-2 1997年12月18日第1刷発行
- 第5話 ブリュメールの悪戯
- 第6話 ヴァンデミエールの黒翼
- 第7話 ヴァンデミエールの火葬
- 最終話 ヴァンデミエールの滑走
[編集] 関連項目
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