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ぼくらの - Wikipedia

ぼくらの

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

ぼくらの
ジャンル SF漫画
漫画
作者 鬼頭莫宏
出版社 小学館
掲載誌 月刊IKKI
発表期間 2004年1月号 - 連載中
巻数 既刊8冊
テレビアニメ
監督 森田宏幸
キャラクターデザイン 小西賢一
アニメーション制作 GONZO
放送局 放送 局参照
放送期間 2007年4月 - 9月
テンプレート使用方法 ノート
画像:Logo serie manga.png
ウィキポータル
漫画作品
日本の漫画作品
漫画家
日本の漫画家
漫画原作者
漫画雑誌
カテゴリ
漫画作品
漫画 - 漫画家
プロジェクト
漫画作品 - 漫画家

ぼくらの』は、鬼頭莫宏によるSF漫画。『月刊IKKI』(小学館)において2004年1月号から連載中。IKKI COMICS(小学館)にて単行本化されている。2007年4月にテレビアニメ化され、2007年5月からは小説版『ぼくらの〜alternative〜』の刊行も開始された。

近未来日本を舞台に、謎の超技術で作られた巨大ロボットを操り、地球を守る為に戦う少年少女たちが主人公である。物語は1話ごとに1人の子供に焦点を当てた連作形式で構成される。極限状況の中で子供たちは、自らの人生、家族や社会とのつながり、生命の意味などを問い直してゆく。この作品では、その姿が、時には残酷に時には優しく描かれてゆく。

目次

[編集] あらすじ

夏休みに自然学校に参加した少年少女15人は、海岸沿いの洞窟でココペリと名乗る謎の男に出会う。ココペリは「自分の作ったゲームをしないか」と子供達を誘う。ゲームの内容は、「無敵の巨大ロボットを操縦し、地球を襲う15体の巨大なを倒して地球を守る」というもの。兄のウシロに止められたカナを除く14人は、ただのコンピュータゲームだと思い、ココペリと契約を結ぶ。その晩、黒い巨大なロボットと敵が出現し、ロボットの中のコックピットに転送された子供達15人の前には、ココペリと、コエムシと名乗る口の悪いマスコットが待っていた。これが黒いロボット・ジアースの最初の戦いであった。……戦闘を重ねるにつれ、子供達はゲームの真の意味を知ることになる。


注意以降の記述で物語・作品に関する核心部分が明かされています。 [記述をスキップ]


戦いを終えたココペリは姿を消し、コエムシをアドバイザーとして子供たちの戦いが始まった。1人目のパイロットに選ばれた少年は、戦闘終了直後に海へ転落して、不慮の死を遂げる。2人目の少年もまた戦闘直後に突然死し、コエムシは子供たちにゲームのルールを明かす。ジアースの動力源は操縦者の命であり、世界を守って死ぬか、全人類とともに死ぬかという二つの選択肢しかないのだ。戦闘終了後に選ばれる次の操縦者は、敵が現れるまでの間、自分自身の死と向き合う事になった。家族を守る為に戦う少年もいた。人目を気にする生き方を見直して、運命を自分で背負ってゆく事を決意した少女もいた。

事態を把握した日本政府は子供たちを国防軍の管理下におき、軍の装備で敵を倒そうとするが一蹴され、子供たちは次々に失われてゆく。ジアースの顔にある光点の数の減り方から、カナの他にも未契約者がいる事が示唆される。敵の正体は、自分たちと全く同じ条件の平行世界の人間たちである事が明らかになる。分岐してゆく世界を淘汰するために、それぞれの地球にロボットとコエムシが送り込まれていたのだ。子供たちの悩みは、より深まってゆく。(以上、「阿野万記」編まで)

ジアースの情報がマスコミに漏れ始め、子供たちは地球の英雄となるが、同時に戦闘の被災者からの大きな恨みを買う事にもなる。しかし一部のパイロットが公表され、その戦いぶりが報道される中で、被災者を含む人びとにもパイロットたちを支持する声が増え、共に命を賭けて戦う者も現れる。戦闘回数は残り僅かになるが、敵の戦い方にも予想外のものが多くなり、苦しい戦いが続く。


[編集] ジアース (Zearth)

少年達が操縦することになる巨大ロボット。コエムシはヌイグルミと呼んでいる。昆虫甲殻類を思わせる生物的な外観を持つ。身長は約500メートル。戦闘は基本的に格闘によって行われるが、レーザー[1]を発射することも出来る。また、パイロットの意志に応じて装甲や腕などを途中から切り離すことも可能。最高移動速度は陸上で1000km/h程度[2]、水中で100km/h程度。機体があまりに巨大なため、何気ない末端部の運動でも簡単に音速を超える。

コックピットは直径20mのドーム状空間。内壁が全周モニターとなっており、360度の視界を確保できる。フローティング構造となっているため、ジアースが転倒したりしても天地方向は動かず、また衝撃も吸収される。操縦者はコックピット内から自分が知っている人間がどこにいるかを探し当てることができる[3]。子供たちが座る椅子は、各人が愛用する、あるいは思い入れの深いものが複製されており、馬蹄形に並んでいる。操縦者の椅子は列の中央に移動する。なお、アニメ版では椅子は円形に並ぶため、戦闘時の椅子の移動はない。

ジアースの命名者は阿野万記(マキ)。地球を意味するThe EarthのTheを「(Zの方が)究極っぽいから」という理由でZに変えてZearthと命名した。後に国防軍によってこの名称が発表されるまでは、世間では「黒い怪獣」と呼ばれていた。小説版では長い間名前が付けられず、≪人形≫と呼ばれていた。後に日本政府によって「アムシペ」というコードネームを与えられた(アムシペとはアイヌ語で蟹の意)。原作のマキに相当する阿野摩子(マコ)がパイロットになった際、マコによってジアースと名付けられた。Zには、大日本帝国海軍で「皇国の興廃此の一戦に在り。各員一層奮励努力せよ」の意味で用いられたZ旗の要素など原作よりも多くの要素が付加されている。

なお、物語の冒頭でココペリが操縦した時と、少年達が操縦するようになってからでは、顔に当たる部分のデザインが変わっている。

[編集] 操縦と戦闘のルール

  • 敵は1回の戦闘につき1体出現する。形態も戦い方もまちまちだが、全ての敵の内部には共通して花のつぼみ状の核(コックピット)があり、それを破壊すれば敵を倒すことができる。
  • 戦闘の始まる日時は事前には明らかにされず、戦闘時には契約した全員が強制的にジアースのコックピットに転送される。ただし操縦者は一戦闘につき1人だけで、後のメンバーはそれを見守る事しか出来ず、通常の方法では交替もできない。ジアースと敵との戦闘は、その回の操縦者が直前までいた場所で行われる。ただし敵と子供たちは全く同じ条件なので、敵地(アウェイ)で戦う場合もある。
  • 操縦と言っても念じればその通りに動くので簡単に操作できる上、装甲は厚く、コックピットは安全なので多少の攻撃ではダメージには至らない。
  • 戦闘終了後、次に操縦する子供は啓示のような形で名を呼ばれる。
  • 勝利条件は、正確には「その回の操縦を担当している敵のパイロット」を「自分達の世界の人間」が殺す事である(アニメ版は異なる)。その際、手段の如何及び殺す人間が誰かは問われない。「他世界の人間」の手によらないで操縦者が死亡した場合は、生き残りの中から次の操縦者が選ばれる。
  • 戦闘に負けるか、決着がつく前に48時間の制限時間が過ぎると、自らの地球にとらわれている宇宙が消滅してしまう。
  • 世界の興亡を決める最後の戦闘に関しては、最後のパイロットが他の地球に自分達の操縦していたロボットを引き継がせ、実際に最終決戦をその地球の契約者に見せることで、戦い方を次の地球にチュートリアルすることを兼ねている。なお、このチュートリアルでの戦闘は引き継ぎ先の地球の興亡とは無関係。
  • その他
    • 各ロボットはそれぞれが多様なフォルムと戦術を有するが、ココペリとコエムシによるとジアースは「強い」部類に入るようで、少なくともココペリとその仲間達によって13戦を勝ち抜いた上で子供達に渡されている。敵の核の中には、ジアース同様のドーム空間状のコックピットと椅子およびパイロットたちが収納されており、ジアースのコックピットも実は敵の核とまったく同様の外殻で覆われている。
    • ジアースの能力は基本的に操縦者の生命力に比例する。すなわち、パイロットの年齢が若ければ若いほど基本能力が上昇する。また、パイロット個人の能力(腕力など)にも感応することがある。
    • 顔に当たる部分のスリットの数はゲーム参加者の人数に対応しており、生き残っているパイロットの数だけスリットに光が灯っている。これによりそのロボットが何戦を勝ち抜いてきたかを推測できるが、上記のように例外もある。
    • 与えられたロボットのスリット数だけ戦闘に勝てばその世界の地球は残るが、それより多い人数で契約してもかまわない。その場合はジアースのパイロットとして選ばれなかった者は生き残ることができる。なお既に契約が完了している場合は、チュートリアルなどによって別の地球を訪れた際はその地球での契約=二重契約は認められない。
    • 病死や事故死などにより契約者の数が足りなくなった場合、別の人間が追加で契約を交わすことができる。この場合、先に契約を交わしたもの全てが死亡した後で、初めて追加契約者がパイロットに選ばれる。戦闘中に全ての契約者が異世界人の手によらずして死亡した場合戦闘は一時中止となり、制限時間内に補充パイロットを追加して戦闘を継続できなかった場合は敗北となる。この場合、相手のパイロットも死亡する(アニメ版ではパイロットの順番が次の戦闘に持ち越しとなる)。
    • 戦闘終了後、パイロットの遺体は自宅に転送されるのが基本であるが、本人が望めば遺体を消滅させたりジアース内の隙間に保管することもできる(小説版では、過去の戦いで散ったジアース操縦者の遺体収容スペースの描写がある)。

[編集] 出現した敵

出現した敵については、「門司邦彦」編の後に国防省によって呼称が発表されている。頭文字はアルファベット順になっている。ただし「阿野万記」編、「切江洋介」編の敵の呼称は公開されていない。

アニメ版の敵については、原作との相違点がある場合のみ記述する。なおカッコ内の数は光点の数。

「ココペリ」編
“アラクネ (Arachne)”。スリット数13、光点数13。四本足のクモのような形状。接近戦に加え、電撃による攻撃も行う。アラクネとはギリシア語でクモの事。
アニメ版
名称は同じ“アラクネ”。形状も同じだが脚が6本あるのが相違点。(12)
「和久隆/ワク」編
“バヨネット (Bayonet)”。スリット数13、光点数確認不可。巨大なの穂先の様な形状。空中を自在に飛行し体当たりによる攻撃を行う。バヨネットとは銃剣の事。
アニメ版
“ビースト”。カマキリのからだにサメの頭。接近戦を主体とし、飛行もしない。ビースト (Beast) とは英語で獣のこと。(12)
「小高勝/コダマ」編
“キャンサー (Cancer)”。球体から複数の足が生えた様な不気味な形状。長い触手で相手を絡め取り、引きずり回してダメージを与える。キャンサーとはラテン語でカニのこと。(14)
小説版コダマ編では「トミコローツ戦記」というジアースの戦いを題材としたゲーム内の敵キャラとして登場している。
「矢村大一/ダイチ」編
“ドラム (Drum)”。スリット数14、光点数8。その名の通り、巨大なドラム缶の様な形状。体を横たえて転がり、地上にある物を押し潰す。また、体表に刃を出して敵を削り取る攻撃を行う。コエムシ曰く、「空間に対して回転している」らしく、接地する平面がなくとも回転可能で、押さえ込まない限り回転を止められない。
アニメ版
形状は原作とほぼ同じだが、2本の脚で直立している。脚は横倒しになる時に収納される。また、信地旋回が可能で小回りが効く。(確認不可)
「半井摩子/ナカマ」編
“エニグマ (Enigma)”。スリット数14、光点数9。がっしりした人型の体で、ボクシンググローブのような腕から強烈なパンチを放つ。街の人々の避難が終わるまでの時間を待った後、ジアースに正面から殴り合いを挑んで敗れた。エニグマとは「謎」「不可解なもの」を指すドイツ語。(確認不可)
「加古功/カコ」編・「本田千鶴/チズ」編
“フィッグ (Fig)”。スリット数13、光点数8。三本の足を持つ細長いイチジクのような形状。足を折りたたんで上空に飛翔した後、標的の上に落下して破壊する。フィッグとは英語でイチジクの事。
アニメ版
“スクイド”。直立した電動ノコギリの様なボディに短い4本の椅子の様な足がついた形状をしている。ノコギリの刃で切りつける攻撃を主体とする。スクイド (Squid) とはヤリイカのこと。(10)
「門司邦彦/モジ」
“ゴンタ (Gonta)”。スリット数、光点数ともに確認不可。万力のような腕と、それを締め付ける4つのリングで構成されている。剥き出しの急所で敵を誘い、両腕で挟み込んで押し潰す。ジアースを絶体絶命の窮地まで追い込んだ。名前の由来は単行本のおまけページに「N○Kの教育工作番組から」と書かれている。
アニメ版
“フォートレス”。キノコのような形をしており、真ん中から2体に分裂する。主な武器は鎌状の腕。偽の急所や、ダミー側のボディを守ろうとするなどの心理戦を仕掛けてきた。フォートレス (Fortress) とは大型要塞のこと。(9)
「阿野万記/マキ」編
呼称不明(アニメ版ではガリア (Gallia))。作者はアラクネIIと呼んでいる。形状はアラクネとほぼ同じだが(カラーリングやスリットの形状が微妙に違う)戦法は異なる。後部にある人型の部分が立ち上がり、四本の足を高速回転させて攻撃する。(確認不可)
「切江洋介/キリエ」編
呼称不明。作者はエニグマIIと呼んでいる。人型だが、腰の部分から腕が生えている。戦闘の描写はなかったため、攻撃方法は不明だが、古茂田孝美編でのカンジの台詞から恐らく格闘戦が主体と推測できる。
アニメ版1
“ハインド”左右非対称のアンバランスな体形をした人型。戦闘開始直後、自らの胸部装甲を剥がして急所を取り出し、自害した。ハインド (Hind) とは牝鹿のこと。(4)
アニメ版2
“イグルー”。全体に鋭角が目立ち、腕が刃物になっている人型。前方への突進攻撃を得意とする。イグルー (Igloo) とはイヌイットが雪で作る住居のこと。(2)
「古茂田孝美/コモ」編
“ハムバグ (Humbug)”。一見普通の人型に見えるが、その内部には、夥しい数の触手があり、それで相手の体内に侵入するという、恐るべき罠が隠されており、ジアースにも戦闘では事実上勝利している。ハムバグとは「詐欺師」を指す英単語。
アニメ版
名称不明。寸胴な体型の人型。溶解液を相手に浴びせて攻撃する。(確認不可)
「往住愛子/アンコ」編
“アイドル (Idol)”。飛行するタイプで、正面から見ると「山」の字を上下逆にしたようなシルエットを持つ。先端から溶解液が出るを持ち、その針を相手に刺して攻撃する。この針は使い切っても再生する。また、かなりのスピードで動き、ジアースでは捕捉する事も難しい。わざとジアースの攻撃をギリギリで避けたり、まるで対戦相手を馬鹿にするかのような態度を取る。
アニメ版
名称不明。クジャクのような姿で、背中から生える無数の針で相手を貫いて攻撃する。(7)
「吉川寛治/カンジ」編
“ジャベリン (Javelin)”。超長距離砲撃特化戦闘が可能。作中では戦闘開始時に無数の針を発射し、それをマーカーとしてハワイから日本のジアースに対して砲撃を行った。砲撃形態では砲身が1000mにもなる。ゴンタと同様に、弱点は剥き出しになっている。ジャベリンとは、英語で投げ槍という意味である。
アニメ版
“キングダム”。骨格標本のような不気味な姿をした人型で、手から黒いビームを発する他格闘戦も得意とする。ジアースプログラムのコピーのため、認知工学研究所の前に現れ、急所を破壊された後、ジアースプログラムによって街の電力を取り込み、再起動した。キングダム (Kingdom) とは英語で王国のこと。(11)
「町洋子/マチ」編
アニメ版
“リドル (Liddle)”。ずんぐりした形の人型。戦闘開始直後に無人兵器により攻撃され、街が燃え上がる。ジアースに急所の前の装甲を剥がされ、炎で急所を焼かれた。(4)
「宇白順/ウシロ」編
アニメ版
“マスタング”。前後対称の形状で、上半身を回転させるなど格闘戦が得意。ジアースとの30時間以上の死闘の末、急所を破壊された。ジアースはその後ウシロの意思で分解された。マスタング (Mustang) とはアメリカの野生馬。(2)


[編集] 世界観

近未来の日本が舞台。我々(読者や作者)の世界の未来だとは限らないが、作中の描写(実在する兵器の登場や、実在する漫画・アニメのタイトルへの言及等)から、仮に別の世界だとしても、20世紀までは殆ど同じ歴史を辿っている様である。正確な時代は不明だが、兵器の型式から2036年の直前である。アニメ版では、ウシロの生年が平成29年=2017年と示された事から、2030年から2031年にかけての物語である。

自動車航空機などに近未来的なデザインは見受けられるが、機能そのものは基本的に現在のものを踏襲している。なお、このデザインの違いは別の地球だからではなく、未来であることが理由であると単行本の巻末コメントで説明されている。

日本は航空母艦等を装備した国防軍を所持している。兵器の正式名称に皇紀を用い、F-15Jが41式、F-2が60式というようになっている。一方で、階級名は自衛隊式である。

戦争における無人兵器の使用を許すことは戦争を起こす敷居を下げる恐れがあるとして、「天津条約」という国際条約によって全世界的に規制されている。この話題は人の命の軽重を問う場面で提示されており本作の主題と関連が見られる。したがって、作中で撃破される戦闘機などの兵器はほとんど全て有人兵器である。なお、アニメ版においては、終盤に無人兵器運用制限を緩和する決議が取られており、ジアースおよび敵性怪獣に対して使われた。

沖縄の米軍基地をめぐる日米間の紛争の後、日米安全保障条約は破棄されており、米国とは仮想敵国のような関係にある。その代わり、中国とは日中安全保障条約が結ばれているが、こちらも2007年現在の日米安保の様な全面的な依存関係ではない。東アジア、ひいては世界を軍事的緊張が覆う中、日本も国際的に非常に微妙な立場にある事が予想される。

そんな中、世界のパワーバランスを覆す程の巨大な軍事力が突然現れれば、いつの時代でも人間の考えることは変わらない。日本政府はこの圧倒的な「ちから」をいち早く手中に収めるべく、子供達と接触を図る。しかし、そのテクノロジーは人間の手に負えるものではなく、結果的に政府・国防軍は子供たちのサポートに回る事になる。


以上で物語・作品に関する核心部分の記述は終わりです。


[編集] 登場人物

詳細はぼくらのの登場人物を参照

[編集] TVアニメ

2007年4月から9月までUHF局などで放映された。企画のスタートは原作の「阿野万記」編連載時であった[4]。アニメ版の後半はオリジナルストーリーとなり、オリジナルキャラクターを含む大人たちの行動が多く描かれ、独自の作品解釈による結末が付けられた。ゲームのルールやキャラクターの性格などの設定にも大きく変更された所がある。また、性的な描写や残酷なエピソードが割愛されたり和らげられた箇所も多い。各話の順番も一部変更された。エンディングテーマの「Little Bird」は、後に原作の「吉川寛治」編で、死地に赴く関が口ずさむ歌として使用された。

3DCGを多用したリアルな映像で描かれたが、飛行するメカがなくなり、ロボットの動きもスローモーになり、対戦相手の形態が変更されたものもあるなど、戦闘シーンは特に大きく変更されている。これに関しては原作者も監督とのインタビューにおいて、戦闘の緊迫感を欠き不満であると漏らしたが、監督は巨大なモノが戦うという事を現実的に考えての改変であると答えている。

パイロットの選定は、コックピット内の椅子がルーレット状に回転することで行なわれる。同時に操縦者は啓示を受け、身体のどこかに床と同様の紋様が現れる。この選定は、戦闘直後ではなく、時間をおいて行なわれる。ジアースへの転送は、椅子を媒介として子供たち自身の意思によっても行なわれる。

[編集] アニメ版のあらすじ

「阿野万記」編までは原作に準じている。

Template‐ノート:SpoilerHでの議論により、この折り畳みテンプレートは9月1日に廃止となります。記事を編集してテンプレートを除去してください(単純に除去するのではなく、記事を整理した上で除去することが推奨されます)。また、新たに使用しないで下さい。

[編集] スタッフ

  • 企画:藤田純二
  • 原作:鬼頭莫宏
  • プロデューサー:永井理、難波秀行
  • キャラクターデザイン:小西賢一
  • メカニカルバイザー:鈴木勤
  • 副監督:川畑えるきん
  • 演出チーフ:柳沼和良(前半)
  • 色彩設計:飯島孝枝
  • 3D監督:大野克尚
  • 美術監督:池田繁美(アトリエ・ムサ)
  • 撮影監督:藤田賢治
  • 編集:廣瀬清志
  • 音響監督:明田川仁(マジックカプセル)
  • 音楽:野見祐二
  • 音楽プロデューサー:藤田純二、野崎圭一
  • 音楽制作:フューチャービジョンミュージック、ビクターエンタテインメント
  • アニメーション制作:GONZO
  • 監督:森田宏幸
  • 製作:イズミプロジェクト


[編集] 主題歌

[編集] オープニングテーマ

アンインストール
作詞・作曲:石川智晶、編曲:西田マサラ、歌:石川智晶

[編集] エンディングテーマ

『Little Bird』(第1話 - 12話)
作詞・作曲:石川智晶、編曲:西田マサラ、歌:石川智晶
『Vermillion』(第13話 - 24(最終話))
作詞・作曲:石川智晶、編曲:西田マサラ、歌:石川智晶

[編集] 挿入歌

『ロストイノセント』(総集編)
作詞・作曲:石川智晶、編曲:西田マサラ、歌:石川智晶

[編集] サブタイトル

話数 サブタイトル 脚本 絵コンテ 演出 作画監督
1 ゲーム 川崎ヒロユキ 森田宏幸 権園小夏・朝来昭子
2 ジアース 与口奈津江 佐野隆史 林直孝 小島彰
3 秘密 西田大輔 藤森カズマ 菊池勝也 小林利充
4 強さ 山中英司 はしもとなおと 長坂寛治
5 弱さ 与口奈津江 小林孝志 飯島弘也・坂崎忠
6 情欲 名村英敏 信田ユウ 山中正博
7 川畑えるきん 夏目真悟
8 復讐 小林哲也 畠山茂樹 都竹隆治・渡部穏寛
9 家族 西田大輔 関野昌弘 佐々木美和・関野昌弘
10 仲間 藤森カズマ 岡村正弘 小島あきら
11 三原武憲 青木真理子
12 血のつながり 与口奈津江 名村英敏 菊池勝也 坂崎忠
13 地球 柳沼和良 林直孝 Shuzilow.HA
14 迷い 西田大輔 笹木信作 信田ユウ 山中正博・室井康雄
15 自滅 与口奈津江 小林孝志 夏目真悟
15.5 追想 総集編
16 正体 西田大輔 平尾隆之 畠山茂樹 谷川亮介・渡部穏寛
17 情愛 与口奈津江 山下祐 下司康弘 小島彰・佐々木美和
18 現実 藤森カズマ 粟井重紀 秦野好紹
19 西田大輔 川畑えるきん 小林孝志 Shuzilow.HA
20 宿命 大知慶一郎 関野昌宏 みくりや恭輔 佐藤道雄・雨宮英雄
21 真相 与口奈津江 笹木信作 信田ユウ 小林利充
22 道程 西田大輔 藤森カズマ 畠山茂樹 渡部穏寛・谷川亮介
23 雪景色 大知慶一郎 大橋誉志光 林直孝 夏目真悟・室井康雄
24 物語 与口奈津江 森田宏幸・川畑えるきん 朝来昭子・渡辺純子

[編集] 放送局

放送地域 放送局 放送期間 放送日時 放送区分
兵庫県 サンテレビ 2007年4月8日 - 9月30日 日曜 25時30分 - 26時00分 独立UHF局
神奈川県 tvk 2007年4月10日 - 9月25日 火曜 23時00分 - 23時30分
東京都 TOKYO MX
(幹事局)
火曜 23時30分 - 24時00分
愛知県 テレビ愛知 2007年4月12日 - 9月27日 木曜 26時58分 - 27時28分 TXN系列
全国 AT-X 2007年4月29日 - 10月7日 日曜 11時30分 - 12時00分
(リピートあり)
CS放送

※この作品はTOKYO MXが幹事局を務めているが、代理店の創通は、tvkを中心局として扱っており、tvkのみスポンサー (AT-X) が多い形になっている。またTOKYO MXは他3局よりスポンサーCMが少なめになっている。

TOKYO MX 火曜23:30-24:00枠
前番組 番組名 次番組
円谷劇場
(月曜23:00に移動)
ぼくらの
パセリ
(ドラマ枠)
テレビ愛知 木曜26:58-27:28枠
ローカル番組
(通販番組など)
ぼくらの
サンテレビ 日曜25:30-26:00枠
ぼくらの
ブラスレイター
(約半年間の空きあり)
AT-X 日曜11:30/19:30、土曜7:30枠(30分1話)
ぼくらの

[編集] 小説版

小説版『ぼくらの〜alternative〜』は、大樹連司によるライトノベルである。表紙と挿絵は原作者の鬼頭自らが担当している。2007年5月に小学館ガガガ文庫より刊行が開始された。既刊4巻。

原作とは異なる平行世界の物語である。原作と類似した状況でパイロットは選ばれ、そのメンバーも多くは共通している。操るロボットは原作とほぼ同じもので、名前もジアースと名付けられる。アドバイザーとなるのは謎の少女・マーヤであり、そのアシスタントとして登場する「コエムシ」の姿や性格は原作のコエムシとは異なっている。椅子のデザイン・配置やパイロット選定方法は、原作にほぼ準拠している。

操縦者となる順番は原作と異なっており、原作の初期パイロットたちは運命を覚悟した上で戦うことになる。また子供たちが操縦者とならなかった場合の行動が描かれたり、逆に原作では脇役であった人物をパイロットとしてその内面を描くなど、原作の登場人物たちのもうひとつの可能性が繰り広げられる。

狂言回し・マーヤの暗躍により、最新刊時点において小説版「ぼくらの」世界の情勢は原作版を上回る悲惨なものとなっている。

[編集] 小説版の登場人物

詳細はぼくらのの登場人物を参照


注意以降の記述で小説版に関する核心部分が明かされています。 [記述をスキップ]


[編集] トミコローツ

ジアースを含め、「怪獣」は日本政府によって「トミコローツ」と総称されている。これは原作者の鬼頭莫宏の作品『辰奈1905—トミコローツ戦記』からとられており、アイヌ語で「戦争をする棺桶」と言う意味の鬼頭による造語である。ジアースに与えられたアムシペの名もこの作品に登場するトミコローツから来ている。

各トミコローツはそれぞれ形状も特徴も全く異なるが、いずれも遠距離兵器(大半の機体がレーザー)を持つ点は共通である。

≪教師≫編
≪蜘蛛≫。形状、性能ともに原作のアラクネに酷似している。色は白。アラクネと同じく放電を用いる。
コズエ編
≪猿人≫。灰色の直立したゴリラ。原作のエニグマに似ている。レーザーと格闘戦で戦う。
カコ編
≪風車≫。八枚のプロペラのような部位と土台で構成されている。遠距離戦を主体とするタイプで、プロペラを回転させてエネルギーをため、八本のレーザーを集中させて強力な攻撃を行う。プロペラの羽は切り離して遠隔攻撃を行うことも可能。
ツバサ編
≪矛盾≫。名前の通り、それぞれ≪矛≫と≪盾≫のような形状をしている。2体で1体の珍しいタイプ。≪盾≫がレーザーで相手を牽制しつつ≪矛≫を守り、≪矛≫が突撃して装甲を突き破る。核は≪盾≫側にある。
ワク編、チズ編
≪洋梨≫。同名の拷問具に似た機体で、洋梨型の機体が4つに分かれて敵機体を挟み込み、身動きをとれなくしてから溶解液で攻撃する。戦術としては原作のゴンタに相当する。
キリエ編
≪蜻蛉≫。槍の本体に二対四枚の羽を有し、視認するのも困難なほどのスピードで飛び回り、相手を串刺しにする。原作のバヨネットを高性能にしたものと言える。
コダマ編
≪岩亀≫。小山のような胴体から四本の脚が出ている。自らの質量とそれに見合った怪力で戦う。
マコ編
≪白猿≫。二足歩行で、外形や形態の可変性など、様々な点でジアースによく似ている。四脚形態への変形機構を有する。
アンコ編
≪灯台≫。三本の足が生えた塔のような形状。機動力は低く攻撃手段も電撃のみでその威力も弱いが、それを補うように(その世界の人間たちが)ジアース側の良心や倫理観を咎めるような心理戦を仕掛ける。
コモ・カナ編1
≪打筒≫。積極的な行動を示さなかったため詳細は不明だが、原作のドラムに相当すると思われる。
コモ・カナ編2
≪孔雀≫。トミコローツの中では数少ないレーザー(粒子ビーム)を持たないタイプ。羽に見える部分は攻撃肢と呼ばれる紐状の武器で、これがレーザーに代わる遠隔攻撃武器となり、ジアースのコックピットを直接攻撃してくる。原作のハムバグに相当する。
マリア編
≪大烏≫。ジアースの約2倍はある巨体を持つ鳥形。飛行タイプの中では速度が遅いが、本体から分離する「艦載機」を搭載しており、これでジアースを攻撃する。また、ミサイル・生物兵器等の「同時代的」兵器も搭載している。ただし、それらの兵器は≪大烏≫本来の装備ではなく、彼らの世界のものを操縦室に持ち込み、外で組み立てたものである。

以上で小説版に関する核心部分の記述は終わりです。


[編集] 補足

  • 物語のコンセプトはジョージ秋山の漫画『ザ・ムーン』に範をとったものであり、単行本一巻の初期の帯には秋山が推薦文を寄せていた。また、ジアースの名称も『ザ・ムーン』に肖ったものであり、作中で名付け親のマキがその旨を話している。
  • 「日乃レポート」などの設定、独自の(架空の)素粒子論など、『なるたる』をはじめとした他の作品との共通する設定基盤を持つ[5]
  • アニメ版クレジットにおいて表記されている“イズミプロジェクト”とは、アニメ版監督である森田宏幸によると、本作におけるファンドの名称であるとの事。いわゆる製作委員会方式と似てはいるが、それよりは出資・製作体制が若干小規模になっている様である。またGDHの説明によると有限会社と名目上なっているが、特別目的会社(SPE)として設置されており、実質的に製作委員会方式と形態は同一となっている。同様に、イズミプロジェクト名義での製作になっている作品に『パンプキン・シザーズ』がある。
  • 本作を描くきっかけは「魔法少女モノ」であり、主人公が大きな力を得た代償として周囲を危険に晒してしまうところから、操縦すると人が死ぬロボットが発想されたという[6]

[編集] 脚注

  1. ^ 作中ではレーザーと呼ばれるが、『ぼくらの』第4巻所収「ぼくらのおまけ」によると、実際はレーザーではなく質量兵器。小説版によれば粒子ビームに類似。
  2. ^ 身長1.8mの人間がそのままの体型で500mまで大きくなったとすると、少し速く歩く程度の速度。
  3. ^ アニメ版では、パイロットの意識とジアースが直結しており、パイロットの見たいものが映し出されると説明されている
  4. ^ 『ぼくらの』第7巻所収の「アニメ版ぼくらの制作レポート」によると、おおざっぱなストーリーの続きやキャラクターの関係を原作者から聞いた上で、自由に作ったとの事。
  5. ^ 「ぼくらの」オフィシャルブック ISBN 4091883990 記載
  6. ^マンガノゲンバ」、2007年11月14日放送分より

[編集] 書誌情報

(既刊数は、2008年3月現在)

[編集] 外部リンク


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