ロジャー・ディーン
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ロジャー・ディーン (Roger Dean, 1944年8月31日- )は、イギリス出身の画家、アートデザイナー。
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[編集] 概要
ヒプノシスと並び、多くのプログレッシブ・ロック・アルバムのアート・ワークを担当した事で、そのバンドのファンから親しまれているアート・デザイナー。
幻想的な作風を用いる事で有名。色づかいや枠線の描き方に、東洋絵画風の要素が見られる。
特にイエス関連の作品が有名であり、ディーンのイラストがもつ透明で幻想的なグラフィック・イメージが、イエスの追求した前衛的かつクリアな音楽性をリスナーに喚起させる力が強く、イエスもそれを高く評価して、一時はイエスの第六のメンバーとも言われた。
[編集] 略歴
ケントのアシュフォード生まれ。4人兄弟(男2人、女2人)の一人。父親が軍のエンジニアであった関係で、少年時代はギリシャのキプロスや香港などを転々とした。1959年に一家がイギリスに戻り、同時にアシュフォード・グラマー・スクールに入学。1965年にロンドンの王立芸術大学を卒業し、工業デザイナーとして働き始める。
1968年、ロニー・スコット・ジャズ・クラブ(Ronnie Scott's Jazz Club)の改装に携わった時、そのクラブと関係があったGUNというバンドのアルバムのカバー・デザインを依頼され、それがきっかけとなってデャケット・デザインの仕事を開始する。
1971年、イエスの4作目のアルバム「こわれもの」のジャケット・デザインを担当。それ以降、商業的にも成功するイエスのアルバム・ジャケットの多くを手がけ、プログレッシブ・ロックのファンの間で知名度が上昇する。イエスのほか、ユーライア・ヒープやジェントル・ジャイアントのジャケット・デザイン、或いはヴァージン・レコードのロゴやレーベルのデザインなどを次々と手がけていく。
1975年、自身初の画集「Views」をイギリスで出版。初のジャケット・デザインを担当したGUNのアルバムから、この時点での最新作であるスティーヴ・ハウのソロ・アルバム「ビギニングス」までを、その制作過程まで含めて収録した。
[編集] 音楽アルバムのジャケット
[編集] イエス・ファミリー
[編集] イエス
- こわれもの - Fragile 1972
- 危機 - Close To The Edge 1972
- イエス・ソングス - Yessongs 1973
- 海洋地形学の物語 - Tales From Topographic Oceans 1973
- リレイヤー - Relayer 1974
- イエスタデイズ - Yesterdays 1975
- イエス・ショウズ - Yesshows 1980
- ドラマ - Drama 1980
- クラシック・イエス (Classic Yes) - Classic Yes 1981
- 結晶 - Union 1991
- イエスストーリー (Yesstory) - Yesstory 1992
- シンフォニック・イエス - Symphonic Music of Yes 1993
- キーズ・トゥ・アセンション - Keys To Ascention 1996
- キーズ・トゥ・アセンション2 - Keys To Ascention2 1997
- ラダー - The Ladder 1999
- ハウス・オブ・イエス - House of Yes~Live from House of Blues 2000
- アルティメット・イエス (The Ultimate Yes)- The Ultimate Yes 2003
[編集] イエス・メンバー関係
- バジャー(Badger) 『ワン・ライヴ・バジャー』
- スティーヴ・ハウ 『ビギニングス』
- スティーヴ・ハウ 『ザ・スティーブ・ハウ・アルバム』
- エイジア『詠時感〜時へのロマン』
- エイジア『アルファ』
- エイジア『アストラ(Astra)』
- アンダーソン・ブラッフォード・ウェイクマン・ハウ『閃光』
- アンダーソン・ブラッフォード・ウェイクマン・ハウ『イエス・ミュージックの夜 』
- トリビュート・アルバム『テイルズ・フロム・イエスタデイ』(イエスのメンバーも参加)
[編集] その他のアーティスト
- オシビサ (Osibisa)『Osibisa』
- オシビサ『Woyaya』
- グラス・ハマー『The Inconsolable Secret (邦題:悲しみの淵に潜む秘密)』
- グリーンスレイド (Greenslade) 『グリーンスレイド』
- グリーンスレイド 『ベッドサイド・マナーズ』
- グリーンスレイド 『タイム・アンド・タイド』
- ジェントル・ジャイアント 『オクトパス (Octopus)』
- バッジー『Never Turn Your Back on a Friend (Never Turn Your Back On a Friend)』
- マグナ・カルタ (Magna Carta)『Lord Of The Ages』
- ユーライア・ヒープ『悪魔と魔法使い (Demons & Wizards)』
- ユーライア・ヒープ『魔の饗宴 (The Magician's Birthday)』
- ユーライア・ヒープ『シー・オブ・ライト (Sea of Light)』
- ユーライア・ヒープ『Acoustically Driven』
- ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団『Us and Them: Symphonic Pink Floyd (Us and Them: Symphonic Pink Floyd)』
- TM NETWORK『Major Turn-Round』
[編集] その他の作品
- ヴァージン・レコードの初期のロゴとレーベル面のイラスト。
- Yessongs (ビデオ・イエスのライブ・ビデオのアートワークを担当)
- In The Big Dream (アンダーソン・ブラッフォード・ウェイクマン・ハウのプロモーション・ビデオのアート・ワークを担当)
- BPS社のスーパー・ブラック・オニキスのパッケージなどのイラスト。
- テトリス(TETRiS)のタイトルロゴ(特に2002年以降のガイドラインに対応した作品のほとんどで使用されている)。
[編集] 個人作品集
- Views (画集・1976)
- Views (DVDビデオ・2002)
[編集] 豆知識
- 『Us and Them: Symphonic Pink Floyd』のディーン自身のライナー・ノーツによれば、ピンク・フロイド在籍時のシド・バレットとアパートをシェアリングしていた。
- 1970年代前半は、イエスのステージ・セットにも携わっており、その為ツアーにも帯同する事が多かった。1973年3月の来日公演におけるイエスの記者会見では、当初はイエスの専属カメラマンを装って会場に姿を現したが、目ざとい記者に見破られ、メンバーと一緒にインタビューをうけさせられるというハプニングが起こった。
- 1976年にリリースされたジョン・アンダーソンのソロ・アルバム『サンヒローのオリアス (Olias of Sunhillow)』のジャケットは、ロジャー・ディーンがデザインを担当したイエスのこわれものに描かれた絵が元になっており、実際にはサンヒローのオリアスのジャケットもロジャー・ディーンが手がける予定だった。だがこの時ロジャー・ディーンは初の個人画集『Views』の作成にかかっており、時間的な余裕が無かった為、知人のデイブ・ロウというイラストレイターに依頼した。
[編集] 参考文献
『ヴューズ(Views)』 ロジャー・ディーン作品集 風間英美子/訳 日本テレビ放送網 1987年 -ISBN 4820387324
[編集] 外部リンク
- http://www.rogerdean.com/ 彼の公式サイト
- http://sound.jp/rogerdean/
- http://rock.princess.cc/RockerRoom/RogerDean.html
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歴代メンバー | ジョン・アンダーソン - クリス・スクワイア - ビル・ブラッフォード - ピーター・バンクス - トニー・ケイ - スティーヴ・ハウ - リック・ウェイクマン - アラン・ホワイト - パトリック・モラーツ - トレヴァー・ホーン - ジェフリー・ダウンズ - トレヴァー・ラビン - ビリー・シャーウッド - イゴール・コロシェフ |
セッション経験者 (ABWHを含む) |
クライヴ・ベイリー - エディー・ジョブソン - トニー・レヴィン - マット・クリフォード - ミルトン・マクドナルド - ジェフ・バーリン - ジュリアン・コルベック - スティーヴ・ポーカロ - ロジャー・ホジソン - ラリー・グルーペ - ジミー・ホーン |
プロデューサー | ポール・クレイ - トニー・コルトン - エディ・オフォード - ビル・イングロット - ジョナサン・エリアス - ブルース・フェアバーン - ティム・ウェイドナー - アラン・パーソンズ |
関連人物・項目 | ロジャー・ディーン - ブライアン・レーン - トニー・コックス - ABWH |