ロカルノ国際映画祭
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ロカルノ国際映画祭(伊語Festival internazionale del film di Locarno、英語Locarno International Film Festival)は、スイス南部、イタリア語圏のティチーノ州ロカルノで、1946年から開催されている国際映画製作者連盟(FIAPF)公認の映画祭である。毎年8月に開催。
グランプリは1968年より金豹賞と呼ばれている。1968年以前は様々な名称で呼ばれていた。準グランプリは審査員特別賞となっている。
映画祭の特徴として、ロカルノの中央広場「ピアッザ・グランデ」が野外上映スペースとなっており、約8,000人を収容できる。
日本映画の活躍も目覚しく、2004年には市川準の『トニー滝谷』が審査員特別賞をはじめとして3つの賞を、2005年には、国際コンペティション部門で諏訪敦彦の『不完全なふたり』が審査員特別賞を、ドキュメンタリー映画を扱う人権作品部門において、ジャーナリスト綿井健陽の作品『Little Bird - イラク戦下の家族たち』が最優秀賞を受賞した。
2007年、小林政広監督の『愛の予感』が金豹賞を受賞した。日本人監督作品のグランプリ受賞は、1970年、実相寺昭雄監督の『無常』以来、37年ぶり。
[編集] 金豹賞受賞作品
- 1970年代
- 1970年 『End of the Road』: アラム・アヴァキアン(アメリカ)、『Lilika』:Branko Plesa(ユーゴスラヴィア)
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- 『無常』:実相寺昭雄(日本)、『Soleil O』:メド・オンド(モーリタニア)
- 1971年 『Les Amis』:ジェラール・ブラン(フランス)、『Hanno cambiato faccia』:コラード・ファリーナ(イタリア)
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- 『In punto di morte』:マリオ・ガリバ(イタリア)
- 1972年 『Bleak Moments』:マイク・リー (イギリス)
- 1973年 『Iluminacja』:クシシュトフ・ザヌーシ (ポーランド)
- 1974年 『Tuzolto utca 25』:イシュトヴァン・サボー (ハンガリー)
- 1975年 『Le fils d’Amr est mort』:ジャン=ジャック・アンドリュー (ベルギー)
- 1976年 『Le grand soir』:フランシス・ロイセール (スイス)
- 1977年 『Antonio Gramsci, i giorni di carcere』:リノ・デル・フラ (イタリア)
- 1978年 『I tembelides tis eforis kiladas』:ニコス・パネオトポロス (ギリシャ)
- 1979年 『Sürü (群れ)』:ゼキ・オクテン (トルコ)
- 1980年代
- 1980年 『Maledetti vi Amerò』:マルコ・トゥリオ・ジョルダーナ (イタリア)
- 1981年 『Chakra』:Rabindra Dharmaraj (インド)
- 1982年 なし(いずれの賞も授与されなかった)
- 1983年 『Adj király katonat (プリンセス) 』:Pal Erdöss (ハンガリー)
- 1984年 『ストレンジャー・ザン・パラダイス』:ジム・ジャームッシュ (アメリカ)
- 1985年 『山の焚火』:フレディ・M・ムーラー (スイス)
- 1986年 『Jezioro Bodenskie (息子と仲間) 』:ヤヌシュ・ザオルスキ (ポーランド)
- 1987年 『O Bobo』:ホセ・アルバロ・モライス (ポルトガル)
- 1988年 『Schmetterling』:ヴォルフガング・ベッカー (ドイツ)、『遠い声、静かな暮し』:テレンス・デイヴィス (イギリス)
- 1989年 『達磨はなぜ東へ行ったのか』:ペ・ヨンギュン(배용균、大韓民国)
- 1990年代
- 1990年 『Sluchainij』:ベトラーナ・プロスクリナ (ロシア)
- 1991年 『ジョニー・スエード』:トム・ディチロ (アメリカ)
- 1992年 『Qiuyue (秋の月) 』:クララ・ロー (香港)
- 1993年 『Azghyin ushtykzyn’azaby』:エルメク・シナルバエフ (カザフスタン)
- 1994年 『Khomreh』:Ibrahim Foruzesh (イラン)
- 1995年 『Raï』:トマ・ジルー (フランス)
- 1996年 『ネネットとボニ』:クレール・ドニ (フランス)
- 1997年 『Ayneh (鏡)』:ジャファル・パナヒ (イラン)
- 1998年 『Zhao Xiansheng (赵先生)』:リュウ・ユエ (中国)
- 1999年 『野獣の心を持つ男』:エレーヌ・アンジェル (フランス)
- 2000年代
- 2000年 『Baba (父)』:王朔(ワン・シュオ) (チリ)
- 2001年 『Alla rivoluzione sulla due cavalli』:マウリツィオ・シャッラ (イタリア)
- 2002年 『Das Verlangen』:イアン・デイルタイ (ドイツ)
- 2003年 『Khamosh Pani (静かな水)』:ザビハ・スマル (パキスタン・フランス・ドイツ)
- 2004年 『Private』:Saverio Costanzo (イタリア)
- 2005年 『美しい人』:ロドリゴ・ガルシア (アメリカ)
- 2006年 『Das Fräulein』:アンドレア・スタカ (スイス)
- 2007年 『愛の予感』:小林政広(日本)
[編集] 外部リンク
- Official Website 英語・イタリア語