レビル
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レビル将軍(General Revil)はアニメ『機動戦士ガンダム』の登場人物。第23話~27話・39話・41話・42話に登場。(声:池田勝、劇場版では村松康雄、特別版では堀勝之祐)
安彦良和の漫画『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』において、フルネームはヨハン・エイブラハム・レビル (Johann Abraham Revil) であるとされている。
[編集] 劇中での活躍
階級は大将。将軍 (General) と呼ばれることから、陸軍出身者と考えられている(空軍出身の可能性もある)。小説版によれば初等教育から士官学校まで全ての課程を首席で卒業した生粋のエリートである。一年戦争当時の地球連邦軍大将。ルウム戦役で、旗艦アナンケに座乗し連邦軍の指揮を執るが、ジオン公国軍の新兵器モビルスーツの威力によりまさかの惨敗を喫する。そしてレビル将軍自身も黒い三連星によって捕虜となるが、南極条約調印直前に脱走に成功する。その上で「ジオンに兵なし」演説によって、ジオン軍の実情を暴露し徹底抗戦を主張する。結局、レビル将軍の演説により、南極条約の内容は講和条約ではなく、NBC兵器や大質量兵器の使用禁止・捕虜交換などの交戦規定に留まることになり、連邦軍は対ジオン反攻作戦「V作戦」を開始することになる。見方によっては、レビルが短期間で終わる筈だった「一週間戦争」を「一年戦争」に長期化させた元凶であるとも理解することもできる[1]。
V作戦の開始についても、実際にモビルスーツの性能を目の当たりにしたためか非常に積極的であり、旧来の大艦巨砲主義から脱却できないジャブローの高級官僚を精力的に説得。実地主義であり高齢にも関わらず思考の柔軟さと先見の明があることが窺える。
劇中で彼の名前自体は第9話にて補給に訪れたマチルダの口から初めて語られており、その後も第14話や第16話に名前のみ登場していたが、オデッサ作戦の直前に当たる第23話でようやくビジュアルが描かれた。
オデッサ作戦発動時には、ヨーロッパ方面軍総司令官として、前線で指揮を執った。ホワイトベースにも配慮を欠かさず、特命でマチルダのミデア補給隊をたびたび派遣した。また、沈着冷静でマ・クベの水爆を使った脅しにも屈することなく前進を命じる。ニュータイプに対する理解もあり、ララァのエルメスにコンペイトウ(ソロモン)を襲撃された際にはニュータイプの感応を示し(本人は原因不明の頭痛だと思っていたが)、本人にも僅かながらその素養があることを垣間見せていた。
ソロモン攻略戦後、第一宇宙艦隊を率いジオン本国を攻略する途上の宇宙世紀0079年12月30日作戦時間21:05、ギレンの命令によりゲル・ドルバ照準で発射されたソーラ・レイの直撃を受け、和平交渉に赴いたデギンもろとも光の渦に呑み込まれ戦死した。
彼がもし生存していれば、戦功第一として賞されていたであろうことなども含め、時代に大きな影響力を持ったことは間違いないだろう。そしてその後の歴史が大きく違ったものとなったことも間違いない。実際、彼とその右腕ティアンムの死により、戦勝をもたらしたに関わらず連邦軍内での求心力を失った改革派はジャブローに籠もる守旧派によって戦後も冷遇され、ティターンズの台頭により更に圧迫されていくことになる。
富野喜幸による小説版では、たとえジオンに破れたとしてもザビ家の独裁に人類が永遠に属する筈が無く、むしろ「ジャブローのモグラ」(腐敗官僚)達が粛正されるだけマシかもしれない、と独白するシーンがある。
[編集] その他
『サイバーコミックス』などで連載された此路あゆみの漫画『PILLOW TALK "NIGHT=HAWKS!"』では、第13独立電撃部隊ナイトホークス所属の主人公チャアミン・ブラウン曹長はレビルの孫であることが明かされている。ただしこのコミック自体は公式設定という訳ではない。
[編集] 脚注
- ^ 『THE ORIGIN』では、レビルの脱走劇自体が戦争の早期終結を願うデギンの工作だったのだが、恩を仇で返すが如きレビルの演説に激しい怒りを見せている。この事からデギンがレビルに対して強い不信を抱いている事が考えられる。