リエンツィ
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『リエンツィ』（Rienzi）はリヒャルト・ワーグナーが1840年に作曲した全5幕のオペラ。『リエンチ』とも表記される。正式なタイトルは「リエンツィ 最後の護民官 Rienzi, der letzte der Tribunen」。台本は作曲者本人の手による。
リエンツィは、14世紀のローマに実在した政治家コーラ・ディ・リエンツォ（またはリエンツィ）のことである。ワーグナーは台本を書くにあたって、史実を改変し、リエンツィが民衆の支持を得て政権を手にしたものの、やがて、当の民衆から反逆され、彼らによって殺される物語にした。
作曲当時のワーグナーはパリで金銭的に不遇な生活を送っていたが、この作品の初演が成功したことで、本格的にオペラ作曲家としての道を歩みはじめた。なお、初演されたのは1842年10月20日、ドレスデンのゼンパー・オーパーにおいてである。これによって作曲者はドレスデンのオペラ総監督に就任した。
バイロイト音楽祭の演目に入っていないこともあり、「さまよえるオランダ人」以降と比べて、知名度や演奏頻度において下回っている。日本初演は1998年になってからのことであった。
序曲はよく演奏される。アリアの聴きどころは第5幕の「リエンチの祈り」が有名である。
目次 |
[編集] 時と場所
14世紀半ばのローマ。
[編集] 初演
1842年10月20日、ドレスデン。
[編集] 楽器編成
フルート2、ピッコロ(第三フルート持ち替え)、オーボエ2、クラリネット2、ファゴット2、コントラファゴット（セルパン）、ホルン4、トランペット4、トロンボーン3、チューバ（オフィクレイド）、ティンパニ、シンバル、トライアングル、大太鼓、小太鼓、テナードラム、タムタム、ハープ、弦五部(14型)。
[編集] バンダ
舞台上：(トランペット1：ただし後の12人のトランペット隊から編成できる)、オルガン、鐘。
ブラスバンド：トランペット12、トロンボーン6、バスチューバ4、小太鼓10、中太鼓4。
[編集] 演奏時間
およそ3時間40分（各幕35分、55分、40分、20分、25分）。ドイツの歌劇場の実演では2時間半程度にカットされて演奏されることが多い。なおオーケストレーションされていないピアノ譜だけの初稿は4時間20分ぐらいである。当初ベルリオーズのオペラ：「トロイ人」のようにあまりに長いので作曲者は二晩に分けての上演を考えたが、聴衆が2回分のチケットの料金を払うのを嫌がって実現しなかった。従がって原典版の初稿さえもその後オーケストレーション化されることは無かった。
出典：ショット社のピアノスコアと新全集版、オイレンブルク版のスコア、HRフランクフルト放送協会。
[編集] 登場人物
- リエンツィ（テノール）
- イレーネ （ソプラノ）
- ステファーノ・コロンナ（バス）
- パオロ・オルシーニ（バリトン）
- アドリアーノ（メゾソプラノ）
- ライモンド （バス）
- バロンチェリ（テノール）
- チェッコ・デル・ヴェッキオ（バス）
- 平和の使者（ソプラノ）
- エロルド（テノール）
- 他。
[編集] 構成
- 第1幕：ローマ市内のリエンツィ家の前
- 第2幕：カピトールの広間
- 第3幕：古代の広場
- 第4幕：ローマ市内のラテラン教会の前
- 第5幕：カピトールの広間とその前の広場
出典：Opernhandbuch:RO・Handbuch.
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