ライアン・オニール
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ライアン・オニール(Ryan O'Neal、1941年4月20日‐)は、米国・カリフォルニア州ロサンゼルス出身の映画俳優。
本名は、Patrick Ryan O'Neal 。
父は脚本家チャールズ・オニール、女優ジョアンナ・ムーア、リー・テイラー=ヤングと相次いで結婚、離婚を繰り返し、1980年から17年間に渡りファラ・フォーセットと同棲した結果、一児をもうけた。息子にグリフィン・オニールがおり、有名なテイタム・オニールは最初の妻ジョアンナとの間の娘である。2007年ロサンゼルスのマリブの自宅にて息子に銃を発砲し、逮捕された。
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[編集] 生い立ち
幼いころは、おもにヨーロッパ諸国や中米を転々としてすごしていたが、アメリカに単身で帰国。10代半ばのころ、兵学校卒業を機に西ドイツで両親と暮らし始めた。この時期、主にスタントマンとしてTVドラマ中心に仕事を得て、程なく俳優としても注目され始めた。23歳の時に再びアメリカに戻り、1964年スタートのTVシリーズ『ペイトン・プレイス物語』に大役を得て転機となった。以後は映画にも出演するようになり、逞しい肉体と端正な二枚目マスクを武器に落ち着いた演技力を披露。一気にスターダムに駆け上がった。
[編集] ある愛の詩
60年代を代表する二枚目俳優として活躍を見出したオニールだったが、その女性遍歴もキャリアに負けず目を見張るものであった。出世作である『ペイトン・プレイス物語』で共演したバーバラ・パーキンスと浮名を流したのを皮切りに、最初の妻ジョアンナと離婚。1967年には、やはり共演者リー・テイラー=ヤングと再婚したものの、離婚に至っている。こうした私生活のゴシップの間で主演した名作『ある愛の詩』が大ヒット。公開当時、日本でもテーマ音楽が信号待ちの間に街頭で流れるなど、作品の人気が後押しをしてかオニールの存在は世界にも知られるようになった。
この後は、一転してシリアス路線からコミカルな役柄に活路を見出した他、1973年『ペーパー・ムーン』では、はじめて愛娘テイタムと初共演。彼女はこの作品でアカデミー助演女優賞を受賞している。ちなみにテイタムが演じたアディ役はジョディ・フォスターに引き継がれTVシリーズ化もされた。 この他、1975年には鬼才スタンリー・キューブリック監督が重厚な人間ドラマを演出した大河ドラマ的な異色作『バリー・リンドン』に主演。続く78年には「ある愛の詩」の続編が製作されるなど、70年代は俳優としては作品にも恵まれ絶頂期にあったが、反面、これに驕るような言動や態度が周囲にも知られる他、多くのトラブルを私生活で巻き起こし対立の火種を生むなど、問題行動も取りざたされた。
[編集] 慢性白血病に
80年代、娘の女優としての成長とシンクロするようにオニールのキャリアは下降線を辿り、主演作は急減。中期の代表作と謳われる1987年『タフガイは踊らない』で見せた渋味のある演技は風格を漂わせたが、90年代に入ると公私のパートナーであったファラ・フォーセットとも破局。そして2001年、体調不良を訴え検査を受けた結果、慢性白血病に冒されていることが判明し、マスメディアに公表。闘病生活に入る。だが、生命力は衰えず、俳優としての活動も続け、2000年代に入ってもTV、映画ともに仕事をこなした。
2001年、SF大作『オデッセイ2001』では久々に主演。そして2004年には、日本でも放送され好評を博しているTVドラマ『デスパレートな妻たち』にも出演するなど、健在ぶりをみせている。
[編集] 作品紹介
- ペイトンプレイス物語(1964~69)
- 悪女のたわむれ(1969)
- 恐怖の復讐鬼(1970)
- 栄光への賭け(1970)
- ある愛の詩(1970)
- 夕陽の挽歌(1971)
- おかしなおかしな大追跡(1972)
- ペーパー・ムーン(1973)
- おかしなおかしな大泥棒(1973)
- バリー・リンドン(1975)
- ニッケルオデオン(1976)
- 遠すぎた橋(1977)
- ザ・ドライバー(1978)
- 続・ある愛の詩(1978)
- メーン・イベント(1979)
- 恋のジーンズ大作戦/巨人の女に手を出すな(1981)
- エメラルド大作戦(1981)
- パートナーズ(1982)
- ペーパー・ファミリー(1984)
- ザ・ギャンブラー(1985)
- タフガイは踊らない(1987)
- ワン・モア・タイム(1989)
- ファラ・フォーセット/薔薇の秘密(1989)
- たった一度のクリスマス/ある逃亡者との物語(1992)
- アラン・スミシー・フイルム(1998)
- ゼロ・エフェクト(1998)
- エクスタシーをさがして(1999)
- ブル~ウォール街への挑戦~(2000)
- ザ・リスト/官能の罠(2000)
- オデッセイ2001(2001)
- ニューヨーク最後の日々(2002)
- miss match ミス・マッチ(2003)
- お坊ちゃまはラッパー志望(2003)
- デスパレートな妻たち(2004)