ミニドラ
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ミニドラは、藤子・F・不二雄の漫画『ドラえもん』に登場する架空の道具。ドラえもんと同じ形の小型ロボット。
2125年12月25日生まれ。ドラえもんが指名手配された犯罪者を逮捕するのに貢献したという手柄をたたえて「特別記念版」として大量生産された。 『ドラえもん』の映画では『ドラえもん のび太とブリキの迷宮』のみに登場した(作中では「ミニドラえもん」と呼称)が、そのときにはスクラップと化していたドラえもんを完璧に修理する技術を発揮している。
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[編集] ドラえもんとの共通点と相違点
モデルとなったドラえもんとの共通点は、耳がないこと、どら焼きが好きなこと、ネズミが苦手なこと(ただし未単行本化作品の『ぼく! ミニドラえもん』では「耳をかじられたわけではないのでネズミは平気」という描写がある)、タヌキ呼ばわりされると怒ること。相違点は以下の通り。
- ドラえもんの身長は129.3センチメートルだが、ミニドラは約30センチメートル[1]
- ドラえもんの体重は129.3キログラムだが、ミニドラはドラえもんの約10分の1[1]
- 体の色は、本来のドラえもんは黄色で、モデルになったドラえもんは青色だが、ミニドラは赤、緑、黄などいろいろ存在する。作中では赤いミニドラが登場することが多い。ちなみに、ドラえもん曰く、赤のミニドラはイタズラ好きだとのこと[要出典]。
- ドラえもんは人間と同じように会話ができるが、ミニドラは人間の言葉を理解できるもののしゃべることはできない。「ドララ」などとしか言わないが、言いたいことはアクセントや身振りや表情である程度伝えることができる。
- ミニドラが四次元ポケットから出すひみつ道具は、通常のものより小さい。ただしどこでもドアなどの性能は変わらないものの、空気砲などの攻撃的な道具はしっかり命中してもジャイアン曰く「くすぐったい」程度らしい。(「ビッグライト」で普通サイズにすると、通常通り使える物も存在するようである)スモールライトを使うと人でも「ほこりみたいに」ちいさくなり、ちょっとした風で飛ばされてしまう。
- 「ドラドラ」「スースー(訳の例:スモールライト)」など、言葉の頭文字しかしゃべれないが、周りの人にはなぜか意味が通じる。
- 言葉では例えば、「スースーシーシーワーワーナーナー」の場合は「スっかりシらべてワるいところをナおしたよ」となる[2]。しかしアニメ版では「ドララ~」としゃべる。 『ドラミちゃん ミニドラSOS!!!』などで、漫画同様に言葉の頭文字のみを喋る台詞も僅かにあるが、「ドララ」としゃべることが圧倒的に多い。『ザ・ドラえもんズ』の原作漫画では、いわばアニメからの逆輸入のようなスタイルで「ドララ」としゃべっている。
- ちなみに、ドラリーニョ率いるミニドラサッカーチームは、ドラリーニョと同じ色および同じ髭を持ち、耳もある。
[編集] 誕生経緯
ミニドラは1973年に雑誌『幼稚園』で初登場したが、それ以降はしばらく登場しなかった。1986年に『コロコロコミック』誌上で行われた「読者が考える道具コンテスト」にて読者からの応募が入選して復活。それ以降も漫画やアニメ、そしてCMにもときどき登場するようになる(1994年に放送された『ぴたクール』のCM、2002年から現在まで放送されているココスのCMの2つがある)。
その後、作中世界におけるミニドラの出自と背景として、原作者藤子・F・不二雄公認で「脱獄した時間犯罪者がのび太の玄孫セワシを人質にするが、偶然その場に居合わせたドラえもんがセワシを救出し、犯人逮捕にも貢献した。この手柄を記念して、2125年12月25日、ミニドラが生産されることとなった」という経緯が設定され、映画『2112年 ドラえもん誕生』において描かれた。
[編集] その他
アニメ版の声優は、1989年の映画『ドラミちゃん ミニドラSOS!!!』および1990年4月6日の放送では北川智絵、1994年3月11日から2005年3月18日までは佐久間レイ、2005年10月28日からはあかいとまとが担当している。
[編集] 脚注
- ^ a b 「映画ドラミちゃん ミニドラSOS!!! ひみつ百科 - ミニドラひみつファイル」『映画アニメドラえもん・ドラミちゃん 《のび太の日本誕生/ ミニドラSOS!!!》』小学館<コロコロコミックデラックス 17>、1980年
- ^ てんとう虫コミックス45巻収録「ドラえもんが重病に!?」