ポタージュ
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ポタージュ(Fr:potage)は、フランス語でフランス料理が確立する過程で洗練されたスープを、古くからの郷土料理の色彩の濃いものから区別して指す語。18世紀以降にブイヨンの部分が重視されて、その部分が主体となっていったスープをこの語で指すようになった。従って「ポタージュスープ」は「スープスープ」ということになり、そもそも両者はフランス料理においてスープ類の中のジャンルが異なるので誤用である。フランス語で鍋を意味する「ポ」(pot)が語源であり、鍋で素材を煮込んでブイヨンを作ることに由来する。フランスでスープからポタージュが別れた過程については、スープの項目を参照のこと。
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[編集] 日本での誤解
日本ではスープ類のうち、とろみのついたものをポタージュ、澄んだものをコンソメと呼ぶ慣わしがあるがこれも誤用。仏語のポタージュは料理としてのスープ全般を指し、とろみのついたものを「ポタージュ・リエ(potage lies)」、澄んだものは「ポタージュ・クレール(potage clairs)」と呼ぶ。コンソメ(consommés) は「完全な」という意味で、肉と野菜を煮て出汁をとってから卵白を使って濁りと油分を凝集させて漉し取るという大変に手間のかかるスープを指す。材料を煮込む出汁は肉や野菜から取ったものをブイヨン(bouillon)、動物系のものをフォン(fond)、魚介系のものをフュメ(fumet)と呼ぶ。
[編集] 分類
- ポタージュ・クレール(potage clairs)
- 澄んだスープ
- ショー(chauds)
- 温かいもの
- フロア(froids)
- 冷たいもの
- ジュレ(en gelée)
- ゼリー状のもの
- ポタージュ・リエ(potage lies)
- とろみのあるスープ
- ピュレ(purés)
- クレーム(crèmes)
- ヴルーテ(velouté)
- 卵黄や生クリームを使ってとろみをつけたもの
- スープ(soupes)
- もともとは肉や野菜のごった煮に入れて食べる、パンのこと。現在では田舎風の、素朴なスープを指して言う。
- ビスク(bisques)
- タイェ(tailles)
- 野菜の形を切り揃えて煮込み、漉さずにそのままだすもの
上記の分類は絶対的なものではなく、調理法、材料、地方などによって様々に異なる。例えばミネストローネ(伊)、クラムチャウダー(米)、ボルシチ(露)、ガスパチョ(西)などを「外国のスープ」(potage ètrangère)として「ポタージュ」の範囲内で分類することもある。
[編集] 様々な「ポタージュ」
- コンソメ
- ブイヤベース
- ヴィシソワーズ - ポタージュ・ボンヌ・ファムを冷たく冷やして生クリームを混ぜたもの。
- ポタージュ・ボンヌ・ファム - 「良い婦人」の意。最も基本的なジャガイモとポロ葱のポタージュ。
- ポタージュ・ア・ラ・クレーム
- ポトフ
[編集] 製品
日本においては家庭やレストランで作る他、粉末、顆粒、缶詰、レトルトなど様々な製品が販売されている。農林水産省の統計によれば、2004年の日本のスープ製品の生産額は乾燥のポタージュ(ここでは便宜上、日本の慣習に従った呼称を用いる)が41%、乾燥のコンソメが16%、缶詰、チルドなどその他が46%であった。1994年から2004年までの10年で、乾燥タイプが50%、その他が51%の伸びを示しており、手軽なカップスープ等と、高級レストランの名を冠したような高級タイプの二極分化傾向が伺える。