ベビーブーム
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ベビーブームとは一時的に新生児誕生率が急上昇する現象である。
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[編集] 第一次ベビーブーム
第二次世界大戦後に戦争から兵士が帰還した際や、戦争の終結に安堵した人々が子供を作ったため、前後の世代に比べて極端に人口比が高い現象が世界的に見られた。概ね1947年から1950年(あるいは1949年)の間に起き、日本においては1949年の出生数269万6638人が最多数であり、この出生数は2007年の出生数106万2604人の約2.5倍である[1][2]。
この期間に生まれた人々を第一次ベビーブーム世代と呼び、日本では団塊の世代と呼ばれることが多い。1947年から1949年の3年間の出生数を参考にすると約800万人程度の出生数となる。
[編集] 第二次ベビーブーム
第一次ベビーブーム世代は人口の多さから出生数も多く2回目のベビーブームとなった。日本においては1971年から1974年までの人口急増期を指すことが多く、1973年の出生数が209万1983人[3]となりピークとなった。
この1971年から1974年にかけて生まれた約800万人を指して団塊ジュニアと呼ぶこともある。
1974年を境に日本は少子化へと進むが、第一次オイルショックにより高度経済成長に終止符が打たれたこと、オイルショックが人口増加による資源の枯渇という問題を突きつけたこと、同年7月に開催された第1回日本人口会議が大会宣言に「子供は2人まで」を盛り込んだことなどが背景と考えられている[4]。
[編集] その他のベビーブーム
2000年又は2001年に生まれた「ミレニアム・ベイビー」や皇室に皇族が誕生することに刺激されるなど歴史的な出来事にあわせた年に生まれるように子供を作る現象があるという見解があるが、出生数の全般的な低下に伴い、統計上は有意な出生数の増加は見られていない。
また、2006年8月から9月にかけてイラクから2万人の兵士が帰ったアメリカテネシー州では妊婦の数が急増しているとの報告がある。
[編集] 脚注
- ^ 『青少年白書』平成18年版 内閣府。
- ^ 尚、1949年の出生数には本土復帰前の沖縄県での出生数は含まれず、2007年には出生率が高い同県が含まれていることから、実際の開きは更に大きい。
- ^ 総務省『青少年白書』平成18年版
- ^ 鬼頭宏 『図説人口で見る日本史 縄文時代から近未来社会まで』 PHP研究所、2007年7月、168-170頁。ISBN 9784569692043