ブーム
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ブーム(英:boom)は、
- 英語の擬音語。日本語の「ブーン」。
- (上記から派生して)一過性の流行。後述。
- ロックバンドのTHE BOOM。
- 作業用クレーンのような棒状の構造物(英語のboomではなくbeam(梁)が語源)。ビームを参照。
- boom - 東京都港区にあるテレビ番組の制作プロダクション会社。
ブーム(boom)とは、「急騰、急発展、爆発的な流行」を指す。
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[編集] 概要
語源はハチが巣に群がり、派生する音を擬声語化し、その様子から転じて一過性という意味になった。言葉自体は1980年代のバブル期にマスコミに広く使用されるようになった。本来は例えばベビーブームのような一大社会現象を指す言葉だが、日本マスコミはブームどころか流行にすらなっていないもの、個人グループでの小規模な流行に対してもブームの語を用いる。
多くは、まず少数グループの中で評価され、次第にその周囲に広まってゆくというパターンである。マスコミで取り上げられるようになった頃には当初のグループでは飽きられている事もあり、やがて誰でも知っている状態になると、ブームのピークは過ぎている。ピークを過ぎた後は、一般的なものとして世間に定着するか下火になって沈静化するかの過程を辿る。忘れ去られた頃にブームが再燃する場合もある。
ブームの流れに乗って急速に広まっていったものは、ある程度経つとそのブームの衰退と共にその利用者や社会的関心も減っていく事が多い。これは、携帯電話のように「一般の生活に溶け込んだため、広まり方が穏やかになった」というケースもあるものの、大部分は世間から飽きられたり、話題性が無くなった為にマスコミが報道しなくなったためである。特に、日本の場合は国民の飽きが早く、ブームが過ぎた後は、どんないい物であっても見向きもされなくなる場合も多い。そのため、前のブームに何らかの影響を受けた販売者や生産者がメディアを通じて大規模な宣伝を行い、自らブームを作り出そうとすることもある。このようなメディア主導型のブームでは、逆に一部の少数グループの反発と離反を招き、終焉と共にブーム前より使用者や利用者が減少することもある。
ファッションのブームの場合、利用者の「流行を過ぎた物を身に付けるのが恥ずかしい」という意識もあるため、一度ブームが薄れてくると、他のもの以上に急速に消え去る傾向にある。また、言葉や便利グッズ等のブームも同様で、広まっているうちは誰もが当たり前のように使うが、ブームが過ぎた後は、他人から「ダサい」「時代遅れ」等の批判を受けるために、使いたくても使えなくなるような状況が発生する。これは若い世代に多く見られ、特に子供の間では、これが元でいじめや仲間外れが起こる事もあるために、「ブームに合わせて持ち物を決めなければならない」という本来とは逆の事態も起こっている。
ある種のブームが終わると、次のブームはそれと正反対の物である事が多い。例えばガングロブームの後の美白ブームやファーストフードブームの後のスローフードブームなどで、この様な事態が起こるのは、前のブームに対する反発心や前のブームの欠点を直そうとする動きがあるのではないかと思われる。
みうらじゅんは個人的に熱中している事を、マイブームという造語で提唱した。
[編集] 日本における「ブーム」
その流行現象が、一般に広く認知されているもののみを示す。