ヘッドセット (音響機器)
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ヘッドセット(Headset)とは、頭部に装着するマイクロフォン(マイク)の総称である。一般に、ヘッドフォンにフレキシブルパイプによって小型のマイクが取り付けられたものがよく知られているが、ヘッドフォンのない、マイク単体でもヘッドセットと呼ばれる。マイクを手で持つ必要がなく両手が自由に使えること、口(音源)とマイクの距離が変わらないのでマイクで拾う音声が安定していることから、演劇・ダンス・プレゼンテーションなど発声の際に手でマイクロフォンを持つことが相応しくない場合にも利用される。アメリカではブレイクダンスの時に装着することから、この装置は「ブレイクマイク」という別名もある。電電公社では「ブレストマイク」と呼んでいた。
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[編集] 装着方法
固定バンドが頭頂部を通って両耳で支持するものの他、両耳と後頭部で支持するもの、後頭部とこめかみで支持するものがある。モータースポーツ用途ではドライバーのヘルメットに無線機の薄型スピーカーとマイクを内蔵できるようにしたものがある。
マイクは軽量小型にしやすいことからコンデンサーマイクを使用したものが多く見られるが、ダイナミックマイクを使用したものもある。音声を拾い易いようマイクが口の付近まで延びているものが多いが、ミュージカルなどでは観客に意識させないよう超小型マイクが顔の横あたりに装着されているものもある。
[編集] 用途
- 航空交通管制
- 騒音が激しい中で通信内容を聞き取る場合に用いられる。特に航空機操縦において、高度や天候など管制官からの指示や重要情報を聞き漏らさないように用いられる。
- 通信線工事
- 回線保守をする担当者が、配線盤の線がどの電話機に繋がっているかを確認するのに用いる。
- スポーツ
- 語学学習
- LL教室
- ディスクジョッキー・スタジオ
- 主にアシスタントディレクターやミキサー担当が装着する。ラジオ放送局ではパーソナリティが使用することがある。またスポーツ中継で実況担当と解説者が使用する(会話する場合でも“顔だけはマイクに向けておく”という不自然な姿勢を取る必要がない)。
- 動きを伴うもの
多数の聴衆がいる空間で用いられる。話者に送信機を持たせ、音響機器に受信機を接続、無線や赤外線で音声を送信する。
- その他
[編集] 関連項目
- ヘッドフォン
- ハンズフリー・マイクロフォン
- Bluetooth - ヘッドセットをワイヤレス化する際に用いられる無線通信規格のひとつ。
[編集] 外部リンク
- アシダ音響(放送業務分野で有名なメーカーの一つ)