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ブレイブハート - Wikipedia

ブレイブハート

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

ブレイブハート
Braveheart
監督 メル・ギブソン
製作 アラン・ラッド・Jr
ブルース・デイヴィ
メル・ギブソン
脚本 ランドール・ウォレス
出演者 メル・ギブソン
ソフィー・マルソー
パトリック・マクグーハン
音楽 ジェームズ・ホーナー
撮影 ジョン・トール
公開 1995年5月24日 アメリカ合衆国の旗
1995年10月14日 日本の旗
上映時間 177分
製作国 アメリカ
言語 英語・フランス語・ラテン語
制作費 $53,000,000
allcinema
IMDb
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ブレイブハート』 (Braveheart) は1995年アメリカ映画俳優メル・ギブソンが主演・監督した。

アカデミー音響効果賞アカデミー作品賞アカデミーメイクアップ賞アカデミー監督賞アカデミー撮影賞を受賞。

スコットランドの独立のために戦った実在の人物、ウィリアム・ウォレスの生涯を描いた歴史ドラマだが、内容はフィクションである(詳しくは当記事内の項目と、ウィリアム・ウォレスの項を参照)。

目次

[編集] あらすじ

13世紀末のスコットランド、残虐で冷酷なイングランド王エドワード1世の侵略によって家族を殺害されるも難を逃れたウィリアム・ウォレス。成人して彼は故郷に戻り、そこで幼なじみのミューロンと恋に落ち、結婚する。しかし彼女はイングランド兵の手によって殺害され、ついに彼は復讐を決意、圧政に苦しむスコットランドの民衆の支持もあり、彼の抵抗運動は熱を帯びていくのだが・・・。

[編集] キャスト

[編集] 制作秘話

  • 映画の大部分は、スコットランドではなくアイルランドで撮影された。映画の中に登場する城郭の中の一つは、明らかにミース州にあるトリム城である。また、映画の中でみられる山岳風景の大部分は、ウィックロー州のウィックロー山脈である。他には、同じくアイルランドのKilmashogue山とDjouce山の景色を、映画のなかで見ることができる。
  • 一般兵士として出演したエキストラたちがサングラスをかけていたり、腕時計をしていたため、主要な戦闘場面のかなりの部分が再撮影されねばならなかった。ある場面では背後に走行している白色の乗用車(バン)が映ったままになっている。
  • スターリング・ブリッジの戦いの撮影だけに、およそ6週間が費やされた。実際、この一連のシーンが、90分強の映画の約半分の時間を占めている。
  • メル・ギブソンはいたずら好きとして知られているが、ウォレスの父の葬儀などのいくつかのシーンを、エルマー・ファッドのモノマネをしながら監督したという。そのせいで、多くの役者たちがシーンの途中で笑い出してしまうなど、NGを出してしまった。

[編集] 映画の持つ歴史的誤謬

  • ブレイブハートのプロットは、ウィリアム・ウォレスとフランス王女イザベラとの間のロマンスを含んでいる。映画では、彼女がウォレスの処刑の際に妊娠しており、後のエドワード3世にウォレスの血脈が繋がったことが暗示されている。歴史的には、実際のイザベラは当時フランスで9歳の少女であり、もちろんウォレスとの面識はない。さらに言えば、彼女はウォレスの死から4年後、既に戴冠したエドワード2世の后となっており、皇太子としての彼と結婚したわけではない。この映画における虚構の物語のヒントは、おそらく、シドニー・ゴッドサー・スミスによる戯曲『ザ・ウォレス』に由来するか、ウォレスを誘き出そうとしたエドワード1世の第二婦人マーガレットの元にいたブラインド・ハリーがフィクションとした詠んだ詩に由来すると考えられる。
  • スターリング・ブリッジの戦いは、映画における最初の戦闘シーンだが、画面に橋が収められていない。実際の衝突は、フォース川を渡ろうとするイングランド軍を待ち伏せするものだった。
  • オープニングにおいて並列される二つのフレーズ「スコットランドの王が跡継ぎを残すことなく死去した」と「スコットランド 1280年」は、不正確である。当時のスコットランド王アレグザンダー3世が死んだのは1286年であり、国家は即座に乗っ取られたわけではなかった。
  • エドワード3世は、1312年に生まれており、ウォレスの死から7年後である。従って、エドワード3世がウォレスの息子であるという説は不適切である。
  • 映画では、エドワード1世が、ウォレスが処刑されると同時に死んだように描かれている。しかし、ウォレスがウェストミンスターで処刑されたのは1305年であり、エドワード1世が死んだのは1307年と伝えられており、実際には2年間の開きがある。エドワード1世は、ロバート・ザ・ブルースがスコットランドで独立のための戦いをはじめた最中に死去している。
  • この映画では、ウォレスに従うロウ・ランダーたちがキルトを身に着けているが、普通ロウ・ランドではキルトは身に着けない。また、封建領主や貴族たちの武装も本来のものとは違っていた。(足を守る防具を身につけて、特別に交配された軍馬に乗っていたはず。)
  • 映画の冒頭部分で、十歳ほどと思われるウォレスが納屋の中で吊るされたスコットランドの貴族や盾持ち達を発見する。この事件は、エアーAyrの納屋事件として知られているが、この事件を伝えているのは、十五世紀頃(つまり二百年ほど後)のウォレスに関する伝記作家ブラインド=ハリー(盲目のヘンリー)の半分伝説を含むような伝記の中でだけであり、しかも起こったのは、1297年でありスターリング・ブリッヂの戦いと同じ年であったと書かれている。
  • ウォレスは、ロバート=ブルースの従兄弟であり王位継承のライバルであるジョン=ベイリアル王に仕えており、ロバート=ブルースとは実際には会ったことがないであろうと考えられている。
  • エドワード一世が、初夜権(prima noctes第一の夜の意のラテン語。封建領主が結婚当夜の農奴の花嫁と同衾できる権利)をこの戦争中に行使していたとする記録は一切ない。
  • ブレイブ・ハートという言葉が、ウォレスに対して使われたことはなく、むしろ、ロバート=ブルースに対して使われたことはある。ジェームズ=ダグラス(黒ダグラス)は、イスラム教徒に対する十字軍の際に、ロバートの心臓を戦意高揚のために持ち出していたが、待ち伏せを受けた。この際、ロバートの心臓の収められた箱を前に放り投げながら、「勇者の心臓よりも前に!汝に続かざればダグラスは死ぬであろう。Onward braveheart! Douglas shall follow thee or die」と叫んだとされる。

[編集] 考慮される政治的影響

政治評論家たちの中には、この映画が1990年代半ばから終わりにかけて盛り上がったイギリスからの「独立」をめぐるスコットランドの政治的な展望に影響を与えたと主張するものもいる[1]

この映画は、多くの歴史的誤謬を持つにもかかわらず、イングランドによるスコットランド支配の感情的な側面をよく描き出している。その情景は、1980年代から1990年代にかけてのスコットランドにおける保守党政権の不人気と関連して考えられた。また、スコットランドにおけるナショナリズム感情の高まりに寄与し、1997年の総選挙の結果に影響を与えたという説もある。1997年の総選挙においては、スコットランド国民党(SNP, Scottish National Party)が下院に3議席を獲得し、勢力を倍増させた結果、スコットランドにおける72議席のうち6議席を占めることになった。また、総選挙における労働党の勝利が、スコットランド議会の設置を問う1997年9月11日住民投票に繋がった。

[編集] ウォレス・モニュメントへの影響

1997年には、メル・ギブソンの姿をウィリアム・ウォレスとして模った彫像が、スコットランドスターリングの近くのナショナル・ウォレス・モニュメントの駐車場前に設置された[2]。彫像が持つ盾には「ブレイブハート Braveheart」と刻まれており、それが原因で多くの反発も呼んだ。ある地元住民は「あまりにも愚かで馬鹿らしい代物で、ウォレスを記念する塔を侮辱するものだ」とした[要出典]

1998年には、何者かによって彫像の顔面がハンマによって破壊される事件が起きた。もちろん修復されたが、事件以降、夜間は彫像を破壊行為から保護するためのオリが設置されるようになった(写真、像の背後にオリが見える[3])。そのせいで、ギブソン=ウォレスの彫像が、あたかも牢にいれられ囚われているかのような印象を与え、今度はオリを取り除くべきだとする怒りを煽る結果となった。皮肉にも、彫像の台座には「自由 Freedom」と刻まれているのである。

[編集] サウンドトラック

映画自体と同様に『ブレイブハート』のサウンドトラックは好評を博し、CDも大きなセールスを記録している。サウンドトラックは『タイタニック』(1997年)、『エイリアン』(1986年)、『アポロ13』(1995年)『スターリングラード』(2001年)を手がけている作曲家ジェームズ・ホーナーによって制作された。ロンドン交響楽団の演奏。

作曲された楽曲は、スコットランド音楽ケルト音楽を統合したものとして捉えられている。1995年に発売されたサウンドトラックが好評を博したため、1997年には続編が発売された。インターナショナル盤およびフランス盤が発売されている。オリジナル・アルバムは77分の演奏が収められており、それぞれが映画の象徴的なシーンから取られている。

メインテーマをトランスミュージシャンの DJ Sakin がリミックスした「Protect Your Mind」が、ドイツのチャートで3位、イギリスのチャートで4位を記録した。

[編集] 『Braveheart』 (1995年)

日本盤は『ブレイブハート オリジナル・サウンドトラック』として、ユニバーサルから1995年9月25日に発売された。曲名も翻訳されている。以下に挙げるのは原曲名である。

  1. Main Title (2:51)
  2. A Gift of a Thistle (1:37)
  3. Wallace Courts Murron (4:25)
  4. The Secret Wedding (6:33)
  5. Attack on Murron (3:00)
  6. Revenge (6:23)
  7. Murron’s Burial (2:13)
  8. Making Plans/ Gathering the Clans (2:05)
  9. “Sons of Scotland” (6:19)
  10. The Battle of Stirling (6:07)
  11. For the Love of a Princess (4:07)
  12. Falkirk (4:04)
  13. Betrayal & Desolation (7:48)
  14. Mornay’s Dream (1:18)
  15. The Legend Spreads (1:09)
  16. The Princess Pleads for Wallace’s Life (3:38)
  17. “Freedom”/The Execution/ Bannockburn (7:24)
  18. End Credits (7:12)

[編集] 『More Music from Braveheart』 (1997年)

続編的なアルバムで、実際の映画から多くの「語り」が収められ、物語性が増している。日本盤は『モア ミュージック フロム ブレイブハート』として、ユニバーサルから1998年5月13日に発売された。曲名は翻訳されているが「語り」の対訳は付属していない。以下に挙げるのは原曲名である。

  1. Prologue/ "I Shall Tell You of Williams..." (dialogue-Robert the Bruce) (3:35)
  2. Outlawed Tunes on Outlawed Bag Pipes (2:03)
  3. The Royal Wedding (dialogue-Robert the Bruce) (2:12)
  4. "The Trouble with Scotland" (dialogue-King Edward the Longshanks) (0:40)
  5. Scottish Wedding Music (1:14)
  6. Prima Noctes (1:46)
  7. The Proposal (dialogue-Wallace and Murron) (1:35)
  8. "Scotland is Free!" (dialogue-Wallace) (0:17)
  9. Point of War/JonnyCope/Up in the Morning Early (traditional) (2:59)
  10. Conversing with the Almighty (dialogue-various) (1:20)
  11. The Road to the Isles/ Grendaural Highlanders/ The Old Rustic Bridge by the Hill (traditional) (3:52)
  12. "Son of Scotland!" (dialogue-Wallace) (12:09)
  13. Vision of Murron (1:45)
  14. "Unite the Clans!" (dialogue-Wallace) (0:23)
  15. The Legend Spreads (dialogue-Storytellers) (1:07)
  16. "Why Do You Help Me?" (dialogue-Wallace and Princess Isabelle) (0:37)
  17. For the Love of a Princess (previously released score) (4:05)
  18. "Not Every man Really Lives" (dialogue-Wallace and Isabelle)
  19. "The Prisoner wishes to Say a Word (dialogue-The Executioner and Wallace) (3:43)
  20. "After the Beheading" (dialogue-Robert the Bruce) (1:48)
  21. "You Have Bled for Wallace!" (dialogue-Robert the Bruce) (1:22)
  22. Warrior Poets (dialogue-Wallace) (0:29)
  23. Scotland the Brave (traditional) (2:47)
  24. Leaving Glenhurqhart (traditional) (3:32)
  25. Kirkhill (traditional) (4:08)

[編集] その他

  • この映画の日本での劇場公開直前に一部地方地区で少ない数配布された青い色調の映画チラシがプレミアがつき現在高値で取引されている。


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