フレディ・サンチェス
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フレディ・サンチェス(Frederick Philip Sanchez,1977年12月21日-)はアメリカ合衆国カリフォルニア州ロサンゼルス出身のメジャーリーグ、ピッツバーグ・パイレーツ所属の内野手(主に二塁手)。右投右打。
パワーはないものの、広角に打ち分けるシェアな打撃が持ち味。四球をあまり選ばないので、打率が高い割に出塁率が低い。守備範囲はどちらかといえば狭いが、守備自体は堅い。
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[編集] 経歴
2000年ドラフトでボストン・レッドソックスから11巡目指名を受け入団し、2002年9月10日メジャーデビューを果たし、12試合に出場した。2003年7月31日にマイク・ゴンザレスと共にジェフ・スーパンらとのトレードでパイレーツへ移籍した。2004年、足首の故障のため9月に9試合に出場しシーズンを終えた。
2005年は初めてメジャーに定着した。開幕戦からロースターに入り[1]、8月25日からレギュラーシーズンの最終戦の10月2日にかけてジミー・ロリンズの60安打、ランディ・ウィンの59安打、デビッド・エクスタインの55安打に次ぐリーグ4位の51安打を記録し[1]、9月16日から最終戦の10月2日にかけてチーム最長となる17試合連続安打を記録した[2][1]。二塁、三塁、遊撃で計132試合に出場し、打率.291を記録した。
2006年三塁のレギュラーとしてジョー・ランダが起用されたため開幕当初は控えに回った[3]。4月終了時点で打率.333[4]を記録し、5月2日、ランダ故障リスト入りした[5]。以後三塁のレギュラーになり、6月31日時点で打率.363[4]。オールスターゲームでは投票用紙に名前が載っていなかったにも関わらず、記入投票で856,685票を獲得し監督推薦で初出場。安打こそ出なかったが、好守で観客を沸かせた。
シーズン終盤の9月20日、ポール・ウェイナーに次いで球団史上2人目となるシーズン50二塁打を達成した[5]。10月1日のレギュラーシーズンの最終戦で2安打を放ちリーグ3位となる200安打を記録し[5]、ミゲル・カブレラとの激戦を制し.344で球団史上11人目、1983年のビル・バックナー以来となる首位打者を獲得した[5]。リーグ最多、1947年、アダム・コモロスキーが記録した右打者としての球団シーズン二塁打記録47を更新する53二塁打を記録した[5]。また、MVPの投票で17位に入った。
先天性内反足(生まれつき足の部分が内反・内転・尖足になっている病気)を患って生まれたが、少年時代に治療によって克服した。障害を乗り越えて首位打者を獲得したことから、トニー・コニグリアロ賞を受賞した。
2007年は二塁手として出場しオールスターゲームではチームから唯一選出された。8月に打率.374、29打点を記録して、打率.304、183安打はチーム1位で、アダム・ラローシュに並ぶチーム1位タイとなる42二塁打を記録した[6]。
[編集] 獲得タイトル・記録
- 首位打者 1回:2006年
- MLBオールスターゲーム選出 2回:2006年、2007年
[編集] 年度別打撃成績
年度 | 球団 | 試合 | 打数 | 得点 | 安打 | 二塁打 | 三塁打 | 本塁打 | 塁打 | 打点 | 盗塁 | 盗塁死 | 犠打 | 犠飛 | 四球 | 敬遠 | 死球 | 三振 | 併殺打 | 打率 | 長打率 | 出塁率 | OPS |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
2002 | BOS | 12 | 16 | 3 | 3 | 0 | 0 | 0 | 3 | 2 | 0 | 0 | 0 | 0 | 2 | 0 | 0 | 3 | 0 | .188 | .188 | .278 | .466 |
2003 | BOS | 20 | 34 | 6 | 8 | 2 | 0 | 0 | 10 | 2 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 8 | 0 | .235 | .294 | .235 | .529 |
2004 | PIT | 9 | 19 | 2 | 3 | 0 | 0 | 0 | 3 | 2 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 3 | 0 | .158 | .158 | .158 | .316 |
2005 | PIT | 132 | 453 | 54 | 132 | 26 | 4 | 5 | 181 | 35 | 2 | 2 | 4 | 3 | 27 | 1 | 5 | 36 | 6 | .291 | .400 | .336 | .736 |
2006 | PIT | 157 | 582 | 85 | 200 | 53 | 2 | 6 | 275 | 85 | 3 | 2 | 3 | 9 | 31 | 6 | 7 | 52 | 12 | .344 | .473 | .378 | .851 |
2007 | PIT | 147 | 602 | 77 | 183 | 42 | 4 | 11 | 266 | 81 | 0 | 1 | 2 | 9 | 32 | 2 | 8 | 76 | 13 | .304 | .442 | .343 | .785 |
通算 | 6年 | 477 | 1706 | 227 | 529 | 123 | 10 | 22 | 738 | 207 | 5 | 5 | 10 | 21 | 92 | 9 | 20 | 178 | 31 | .310 | .433 | .349 | .782 |
※数字は2007年までのもの。太字はリーグ1位。
[編集] 脚注
- ^ a b c "2005 Career Highlights:MLB.com (英語)" 2008年2月1日閲覧.
- ^ "Freddy Sanchez 2005 Batting Gamelogs - Baseball-Reference PI (英語)" 2008年2月1日閲覧.
- ^ 村上雅則 『メジャーリーグ・完全データ選手名鑑2007』 廣済堂出版、2007年、370項。ISBN 978-4-331-51213-5。
- ^ a b "Freddy Sanchez 2006 Batting Gamelogs - Baseball-Reference PI (英語)" 2008年2月1日閲覧.
- ^ a b c d e "2006 Career Highlights:MLB.com (英語)" 2008年2月1日閲覧.
- ^ "2007 Pittsburgh Pirates Statistics and Roster - Baseball-Reference.com (英語)" 2008年2月1日閲覧.
[編集] 外部リンク
- 選手の通算成績と情報 MLB、ESPN、Baseball-Reference、Fangraphs、The Baseball Cube
先代: デレク・リー |
ナ・リーグ首位打者 2006年 |
次代: マット・ホリデー |
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投手 | 56 オリーボ・アスタシオ / 46 ジミー・バースマイヤー / 53 ロナルド・ベリサリオ / 49 ブライアン・ブリングトン / 61 ショーン・バーネット / 55 マット・キャップス / 50 デーブ・デビッドソン / 57 ザック・デューク / 32 フィル・デュマトレイ / 24 トム・ゴーゼラニー / 34 ジョン・グラボウ / 64 ヨスラン・エレーラ / 28 ポール・マホルム / 43 ダマソ・マーテ / 79 ルイス・ムニョス / 52 フランケリス・オソリア / 56 マリーノ・サラス / 58 ロムロ・サンチェス / 45 イアン・スネル / 27 タイ・トーベンハイム / 47 ジョン・バン・ベンスコティン / 33 タイラー・イエーツ |
捕手 | 37 ラウル・チャベス / 41 ライアン・ドゥーミット / 26 ロニー・ポーリーノ |
内野手 | 19 ホセ・ボーティスタ / 10 ブライアン・ビクスラー / 5 クリス・ゴメス / 25 アダム・ラローシュ / 16 ダグ・ミントケイビッチ / 31 ルイス・リーバス / 12 フレディ・サンチェス / 2 ジャック・ウィルソン |
外野手 | 38 ジェイソン・ベイ / 6 クリス・ダフィー / 13 ネイト・マクラウス / 18 ジェイソン・マイケルズ / 3 ナイジャー・モーガン / 22 ザビエル・ネイディ / 51 スティーブ・ピアース / 15 ケビン・トンプソン |
監督・コーチ | 7 ジョン・ラッセル(監督) / 86 ヘベルト・アンドラーデ(ブルペン捕手) / 23 ジェフ・アンドリューズ(投手コーチ) / 29 トニー・ビーズリー(三塁コーチ) / 60 ルイス・ドゥランテ(ブルペンコーチ) / 17 ルー・フレイザー(一塁コーチ) / 59 ドン・ロング(打撃コーチ) / 14 ゲイリー・バルショー(ベンチコーチ) |
公式サイト(英語)より 40人ロースター 監督・コーチ一覧 2008年5月15日更新 |