ヒドラジン
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ヒドラジン | |
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IUPAC名 | ヒドラジン(許容慣用名) ジアザン(系統名) |
別名 | |
組成式 | N2H4 |
式量 | 32.05 g/mol |
形状 | 無色液体 |
結晶構造 | |
CAS登録番号 | [302-01-2] |
密度と相 | 1.01 g/cm3, |
水への溶解度 | g/100 mL ( °C) |
融点 | 2 °C |
沸点 | 113 °C |
出典 |
ヒドラジン (hydrazine) は無機化合物の一種で、示性式が H2NNH2 と表される強塩基。
アンモニアに似た刺激臭を持つ無色の液体で、空気に触れると白煙を生じる。水に易溶。強い還元性を持ち、分解しやすい。引火性があり、ロケットや航空機の燃料として用いられる。常温での保存が可能であるため、ロシアなどのミサイルの燃料としても広く用いられており、また人工衛星や宇宙探査機の姿勢制御用の燃料としても使われている。燃料電池の燃料としても模索されている。毒物。気化吸引、皮膚への接触ともに腐食をもたらす。また中毒症状をおこす。
水と共沸し、55 mol% のヒドラジンを含む混合物を与える。化学実験で用いる際は通常、抱水ヒドラジン (ヒドラジン一水和物、H2NNH2•H2O)が用いられる。
目次 |
[編集] 製法
アンモニアを次亜塩素塩で酸化するか、アンモニアを塩素で気相酸化 して作る。
[編集] 反応
ヒドラジンをカルボニル化合物と脱水縮合させると、ヒドラゾンが生じる。
- R-C(=O)-R' + H2NNH2 → R-C(=NNH2)-R' + H2O
ケトンを強アルカリ条件でヒドラジンとともに加熱すると、カルボニル基が還元を受けてメチレン基に変わる(ウォルフ・キッシュナー還元)。
- R-C(=O)-R' + H2NNH2 → R-CH2-R' + H2O + N2 (強アルカリ条件)
カルボン酸ハロゲン化物などのアシル化剤と反応し、ヒドラジドを与える。
- R-C(=O)-Cl + H2NNH2 → R-C(=O)-NHNH2
パラジウム触媒とともに用いると水素源となる。アルケンやニトロ基などを水素化してアルカンやアミノ基に変え、自身は窒素分子になる。このとき、中間体として生じるアゼン (HN=NH) が高い還元力を持つ。
- Ar-NO2 + H2NNH2 → Ar-NH2 (パラジウム触媒下)
さまざまな酸とともに対応するヒドラゾニウム塩を生成する。
[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク
- 毒物および劇物の事故時における応急措置に関する基準(滋賀県)[1]