ハウクスボーク
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ハウクスボーク(Hauksbók、ハウク本とも。)とは、現在その制作者が知られているものとしては数少ない、中世北欧の写本の1つである。「AM 371 4to[1]」「AM 544 4to[2]」「AM 675 4to[3]」の3つの写本から成る。
制作者はハウク・エルレンドスソン(Haukr Erlendsson。? - 1334年。アイスランドの法官)であると考えられている。これは写本の出所を可能な限り遡って突き止められたものであり、この著者にちなんで『ハウクスボーク』と呼ばれている。この写本は一部は彼自身によって、一部は助手によって書かれたものであると考えられている。
『ハウクスボーク』は、時にそれが唯一の現存している版でもある、多くの古ノルド語テキストを含んでいる。それは例えば『植民の書』(en:Landnámabók) であり、『義兄弟のサガ』(en:Fóstbrœðra saga) であり、『赤毛のエイリークのサガ』(en:Eiríks saga rauða) であり、『ヘルヴォルとヘイズレク王のサガ』であり、そして『巫女の予言』である。
また『ハウクスボーク』には、「アルゴリスムス」(Algorismus) と呼ばれている、数学に関するページから成る節が含まれている。これはスカンディナヴィア語で書かれた、数学に関する最古のテキストである。おそらく、より古い時期の本に含まれていた数ページの、ラテン語から北欧語へ翻訳されたものであるだろう。そうした本とは、例えば 1200年にアレクサンドル・ドゥ・ヴィルデュ(en:Alexander of Villedieu。フランス人の作家・数学者)により書かれた『Carmen de Algorismo』であり、1202年のフィボナッチ (Fibonacci) による『算術の書 (Liber Abaci)』であり、1230年のサクロボスコ (De Sacrobosco) による『Algorismus Vulgaris』である。
[編集] 註
[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク
個人サイト「神話と詩の収納庫」 <ハウク本> Hauksbók 「ハウク・エルレンドソン」の表記、サガの邦題名の一部はこのサイトに記載されたものを使用した。
編集 北欧の写本 |
---|
アルナマグネアン写本 | AM 738 4to | AM 748 I 4to | ハウクスボーク(AM 371 4to, AM 544 4to, AM 675 4to) | メズルヴェドリル本(AM 132 fol) | ヴォルム写本(AM 242 fol) | SÁM 66 | 王の写本(4to GKS 2365) | フラート島本(GkS 1005 fol) | NKS 1867 4to |