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ニューヨーク・ニックス - Wikipedia

ニューヨーク・ニックス

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

ニューヨーク・ニックス
創設 1946年(NBAの前身、BAAのチームとして)
チーム史 ニューヨーク・ニックス
(1946年-)
アリーナ マディソン・スクエア・ガーデン
本拠 ニューヨーク
チームカラー 青、オレンジ
チームロゴ バスケットボールの上にNEW YORK KNICKSのロゴ。
ヘッドコーチ アイザイア・トーマス
オーナー ケーブルヴィジョン
優勝歴 2回(1970年, 1973年)
ファイナル進出 8回(1951年, 1952年, 1953年, 1970年, 1972年, 1973年, 1994年, 1999年)
地区優勝 8回(1953年, 1954年, 1970年, 1971年, 1989年, 1992年, 1993年, 1994年)
  

ニューヨーク・ニックスNew York Knicks、またはNew York Knickerbockers)は、アメリカ合衆国ニューヨーク州ニューヨークに本拠を置く全米プロバスケットボール協会(NBA)のチーム。イースタン・カンファレンス、アトランティック・ディビジョン所属。

 ニックスは、ボストン・セルティックスゴールデンステート・ウォリアーズと共にNBAのオリジナルチームであり、なおかつ結成以来同じ都市を本拠地としている2つのチームのうちの1つである。世界的な都市であるニューヨークを本拠地にしているため、他のチームに比べても注目度は高くトップクラスの人気を誇る。またスパイク・リーなど著名人のファンも多い。1990年代は常に優勝を争っていたが、近年はチーム戦略に迷走が見え、低迷している。

目次

[編集] 歴史

[編集] 初期

ニューヨーク・ニッカーボッカーズ、通称ニューヨーク・ニックスは、NBAの前身であるBAA(Basketball Association of America)のチームとして1946年に創設された。「ニッカーボッカー」とは植民地時代初期のオランダ移民が穿いていたズボンの一種で、のちにニューヨークを象徴する存在になった。19世紀には同名の「ニューヨーク・ニッカーボッカーズ」という野球チームがあった。

1949年のNBA創設を挟む時期のニックスは、中堅から強豪といった強さのチームで、1950年代初頭にはNBAファイナル(決勝)にも進んでいる。50年代後半からは負け越しのシーズンも多くなり、1960年代前半には勝率が4割以下にまで落ち込むこともあった。

[編集] リード時代の優勝

ニックス史における最盛期の始まりとなったのは、1965年ウィリス・リードとビル・ブラッドリーの獲得だった。このシーズンにはまだチームは勝ち越せなかったが、1967年ウォルト・フレイジャーをドラフトで指名、同じ年のシーズン中にレッド・ホルツマンをヘッドコーチに迎えて以降ニックスの成績は上向き始めた。同じ67年には、のちにヘッドコーチとして9度のNBAファイナル制覇(シカゴ・ブルズで6回、ロサンゼルス・レイカーズで3回)を果たすフィル・ジャクソンも選手としてニックスに加わっている。1968年にはデイブ・ディバッシャーがトレードでニックスに参加した。

1970年にニックスはリーグ最高の60勝22敗の成績でシーズンを終え、プレイオフではNBAファイナルまで進み、4勝3敗でロサンゼルス・レイカーズを下して初のNBAファイナル制覇を果たした。このシリーズ最終の第7戦で、負傷していたウィリス・リードが怪我をおしてマジソン・スクエア・ガーデンに入場したことはニックス史上最も有名な出来事の一つである。ニックスは1972年にもNBAファイナルに進出したがレイカーズに敗退。翌シーズンにはアール・モンローも加え再びファイナルに進み、レイカーズを破り2度目の優勝を成し遂げた。

[編集] 低迷期

その後のニックスは次第に低迷していき、勝率が5割に届かずプレイオフ進出も果たせないシーズンが増えていった。1982年にトレードで獲得したバーナード・キングは得点王にもなる活躍を見せたが、チームはリーグの底辺から中堅程度の強さだった。

[編集] ユーイングの時代

1985年には24勝58敗と低迷し、この低い勝率のためにニックスは翌シーズンのドラフト1位指名権を得た。ニックスはそのドラフトでパトリック・ユーイングを指名、ユーイングはその後20世紀の終わりまでチームにとって最も重要な選手となった。

ユーイングを獲得したもののニックスの勝ち数はすぐには増えなかったが、1989年に52勝30敗でディビジョン首位の成績。しかし翌シーズンには再び勝率が下がっていった。ニックスは80年代の終わりにかけ、マーク・ジャクソンチャールズ・オークレー、ジョン・スタークスなど90年代の核になる選手を獲得している。

これらの選手を擁したニックスが再び強豪になるのは、1991年パット・ライリーヘッドコーチを迎えて以降だった。ライリーはニックスをディフェンスの強いチームに育て上げ、他チームを苦しめた。ライリー初年度は51勝、翌シーズンは60勝と勝ち星を増やし、プレイオフではシカゴ・ブルズを追い詰めた。ニックスに再び優勝のチャンスが訪れたのは続く1994年で、シーズン途中にダラス・マーベリックスからデレック・ハーパーをトレードで獲得し、タフなディフェンスにさらに磨きをかけて、プレイオフではマイケル・ジョーダンの引退したシカゴ・ブルズに対して20点差以上つけられた試合も、第4Qに逆転する試合を演じて、ひさびさにNBAファイナルまで勝ち進んだ。ファイナルではアキーム・オラジュワンに率いられたヒューストン・ロケッツと対戦、ユーイングとのセンター対決、ガードの得点能力に注目が集まった。ロケッツの先発ガードの2人、ポイントガードのケニー・スミス、シューティングガードのバーノン・マックスウェルは概ね押さえ込んだが、当時はあまり注目されていなかった控えの新人ガード、サム・キャセールに僅差でリードされていた試合の要所で3ポイントシュートを決められるなど、惜しくも3勝4敗でロケッツに優勝を譲った。

90年代のニックスにとって、インディアナ・ペイサーズがライバルチームの1つとなった。プレイオフではペイサーズのレジー・ミラーの活躍がしばしばニックスを苦しめた。(詳細はレジー・ミラーの項を参照のこと。)

ライリーは1995年を最後にマイアミ・ヒートに去り、後任にはジェフ・ヴァン・ガンディーが就いた。マイアミ・ヒートもライリーがニックスを退団後、ヒートのコーチになった頃からのライバルで、プレイオフではヴァン・ガンディーを巻き込んだ乱闘が起きたこともあった。この時、乱闘に直接加わらなかったもののベンチにいて立ち上がった選手も出場停止処分を受けた。

ヴァン・ガンディーに率いられたニックスは、ロックアウトで短縮された1999年のシーズンを27勝23敗とイースタン・カンファレンス8位の成績で終え、辛うじてプレイオフ進出を果たした。しかしその後はプレイオフ1回戦で宿敵ヒートを破るなど、快進撃を続け第8シードからNBAファイナルまで進んだNBA史上初のチームになった。この年のNBAファイナルでは、サンアントニオ・スパーズに1勝4敗で敗れて優勝を果たせなかった。翌1999-2000シーズンが終わると、パトリック・ユーイングはシアトル・スーパーソニックスへトレードされた。

[編集] アイザイア・トーマス体制

ユーイング退団後不振に喘ぐニックスは、2003年にかつてデトロイト・ピストンズで活躍したアイザイア・トーマスをジェネラルマネージャーに迎えた。トーマスはニックスの潤沢な財源を利用して選手と次々と高額契約を結びチーム改革を進めたが、彼が獲得した選手はステフォン・マーベリースティーブ・フランシスアンファニー・ハーダウェイなどガードの選手に偏り、さらにエディ・カリーザック・ランドルフなど自分本位なプレイが批判される選手が多かった。特にマーベリーは、2005年にHCに就任した名将ラリー・ブラウンと度々衝突し、劣悪な環境に陥ったニックスはさらに低迷した。

高額契約した選手のほぼ全員が期待どおりに働かず、放出した選手が他チームで活躍するなど、ゼネラルマネージャーのアイザイアの手腕を疑問視する声も聞こえる中、2006-2007シーズンにはトーマスが自らHCに就任。しかしマーベリーはトーマスとも衝突し、チームケミストリーは崩壊の極みに達する。2007年にはトーマス自身のセクハラ訴訟もあり、トーマス体制に辟易していたニックスファンは、アリーナで「ファイヤー・アイザイア」の大合唱をする始末で、トーマスを擁護し続けてきた球団オーナーもトーマスの解任を決断せざるを得なくなった。

2008年、トーマスの後任として、フェニックス・サンズで辣腕を振るったマイク・ダントーニがHCに就任した。

[編集] シーズンごとの成績

Note: 勝 = 勝利数, 敗 = 敗戦数, % = 勝率 %

シーズン  % プレーオフ 結果
1946–47 33 27 .550 1回戦勝利
カンファレンス決勝敗退
ニックス 2, クリーブランド 1
フィラデルフィア 2, ニックス 0
1947–48 26 22 .542 1回戦敗退 ボルチモア 2, ニックス 1
1948–49 32 28 .533 1回戦勝利
カンファレンス決勝敗退
ニックス 2, ボルティモア 1
ワシントン 2, ニックス 1
1949–50 40 28 .588 1回戦勝利
カンファレンス決勝敗退
ニックス 2, ワシントン 0
シラキュース 2, ニックス 0
1950–51 36 30 .545 1回戦勝利
カンファレンス決勝勝利
NBAファイナル敗退
ニックス 2, セルティックス 0
ニックス 3, シラキュース 2
ロチェスター 4, ニックス 3
1951–52 37 29 .561 1回戦勝利
カンファレンス決勝勝利
NBAファイナル敗退
ニックス 2, セルティックス 1
ニックス 3, シラキュース 1
ミネアポリス 4, ニックス 3
1952–53 47 23 .671 1回戦勝利
カンファレンス決勝勝利
NBAファイナル敗退
ニックス 2, ボルティモア 0
ニックス 3, セルティックス 1
ミネアポリス 4, ニックス 1
1953–54 44 28 .611 総当り戦
総当り戦
シラキュース 2, ニックス 0
セルティックス 2, ニックス 0
1954–55 38 34 .528 1回戦敗退 セルティックス 2, ニックス 1
1955–56 35 37 .486 1回戦敗退 シラキュース 1, ニックス 0
1956–57 36 36 .500
1957–58 35 37 .486
1958–59 40 32 .556 1回戦敗退 シラキュース 2, ニックス 0
1959–60 27 48 .360
1960–61 21 58 .266
1961–62 29 51 .363
1962–63 21 59 .263
1963–64 22 58 .275
1964–65 31 49 .388
1965–66 30 50 .375
1966–67 36 45 .444 1回戦敗退 セルティックス 3, ニックス 1
1967–68 43 39 .524 1回戦敗退 シラキュース 4, ニックス 2
1968–69 54 28 .659 1回戦勝利
カンファレンス決勝敗退
ニックス 4, ボルチモア 0
セルティックス 4, ニックス 2
1969–70 60 22 .732 1回戦勝利
カンファレンス決勝勝利
Won NBAファイナル優勝
ニックス 4, ボルチモア 3
ニックス 4, バックス 1
ニックス 4, レイカーズ 3
1970–71 52 30 .634 1回戦勝利
カンファレンス決勝敗退
ニックス 4, ホークス 1
ボルチモア 4, ニックス 3
1971–72 48 34 .585 1回戦勝利
カンファレンス決勝勝利
NBAファイナル敗退
ニックス 4, ボルチモア 2
ニックス 4, セルティックス 1
レイカーズ 4, ニックス 1
1972–73 57 25 .695 1回戦勝利
カンファレンス決勝勝利
Won NBAファイナル優勝
ニックス 4, ボルチモア 1
ニックス 4, セルティックス 3
ニックス 4, レイカーズ 1
1973–74 49 33 .598 1回戦勝利
カンファレンス決勝敗退
ニックス 4, キャピタル 3
セルティックス 4, ニックス 1
1974–75 40 42 .488 1回戦敗退 ロケッツ 2, ニックス 1
1975–76 38 44 .463
1976–77 40 42 .488
1977–78 43 39 .524 1回戦勝利
カンファレンス準決勝敗退
ニックス 2, キャブス 0
シクサーズ 4, ニックス 0
1978–79 31 51 .378
1979–80 39 43 .476
1980–81 50 32 .610 1回戦敗退 ブルズ 2, ニックス 0
1981–82 33 49 .402
1982–83 44 38 .537 1回戦勝利
カンファレンス準決勝敗退
ニックス 2, ネッツ 0
シクサーズ 4, ニックス 0
1983–84 47 35 .537 1回戦勝利
カンファレンス準決勝敗退
ニックス 3, ピストンズ 2
セルティックス 4, ニックス 3
1984–85 24 58 .293
1985–86 23 59 .280
1986–87 24 58 .293
1987–88 38 44 .463 1回戦敗退 セルティックス 3, ニックス 1
1988–89 52 30 .634 1回戦勝利
カンファレンス準決勝敗退
ニックス 3, シクサーズ 0
ブルズ 4, ニックス 2
1989–90 45 37 .549 1回戦勝利
カンファレンス準決勝敗退
ニックス 3, セルティックス 2
ピストンズ 4, ニックス 1
1990–91 39 43 .476 1回戦敗退 ブルズ 3, ニックス 0
1991–92 51 31 .622 1回戦勝利
カンファレンス準決勝敗退
ニックス 3, ピストンズ 2
ブルズ 4, ニックス 3
1992–93 60 22 .732 1回戦勝利
カンファレンス準決勝勝利
カンファレンス決勝敗退
ニックス 3, ペイサーズ 1
ニックス 4, シャーロット 1
ブルズ 4, ニックス 2
1993–94 57 25 .695 1回戦勝利
カンファレンス準決勝勝利
カンファレンス決勝勝利
NBAファイナル敗退
ニックス 3, ネッツ 1
ニックス 4, ブルズ 3
ニックス 4, ペイサーズ 3
ロケッツ 4, ニックス 3
1994–95 55 27 .671 1回戦勝利
カンファレンス準決勝敗退
ニックス 3, キャブス 1
ペイサーズ 4, ニックス 3
1995–96 47 35 .573 1回戦勝利
カンファレンス準決勝敗退
ニックス 3, キャブス 0
ブルズ 4, ニックス 1
1996–97 57 25 .695 1回戦勝利
カンファレンス準決勝敗退
ニックス 3, シャーロット 0
ヒート 4, ニックス 3
1997–98 43 39 .524 1回戦勝利
カンファレンス準決勝敗退
ニックス 3, ヒート 2
ペイサーズ 4, ニックス 1
1998–99 27 23 .540 1回戦勝利
カンファレンス準決勝勝利
カンファレンス決勝勝利
NBAファイナル敗退
ニックス 3, ヒート 2
ニックス 4, ホークス 0
ニックス 4, ペイサーズ 2
スパーズ 4, ニックス 1
1999–2000 50 32 .610 1回戦勝利
カンファレンス準決勝勝利
カンファレンス決勝敗退
ニックス 3, ラプターズ 0
ニックス 4, ヒート 3
ペイサーズ 4, ニックス 2
2000–01 48 34 .585 1回戦敗退 ラプターズ 3, ニックス 2
2001–02 30 52 .366
2002–03 37 45 .451
2003–04 39 43 .476 1回戦敗退 ネッツ 4, ニックス 0
2004–05 33 49 .402
2005–06 23 59 .280
2006-07 33 49 .402
2007-08 23 59 .280
通算勝敗 2422 2413 .501
プレイオフ 179 171 .511 優勝2回

[編集] プレイヤー

[編集] 年代別主要選手

太文字…殿堂入り選手 (C)…優勝時に在籍した選手 (M)…在籍時にMVPを獲得した選手 (50)…偉大な50人

1940年代 (プレイオフ進出:3回)

1950年代 (プレイオフ進出:8回 ファイナル進出:3回)

1960年代 (プレイオフ進出:3回)

1970年代 (プレイオフ進出:7回 ファイナル進出:3回 優勝:2回)

1980年代 (プレイオフ進出:5回)

1990年代 (プレイオフ進出:10回 ファイナル進出:2回)

2000年代 (ファイナル進出:1回)

[編集] 永久欠番

[編集] 現在の所属選手

[編集] コーチ、その他

[編集] 殿堂入り

[編集] 過去のコーチ

[編集] チーム記録

ニューヨーク・ニックスのチーム記録

[編集] 外部リンク


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