ナトロン湖
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| ナトロン湖 | |
|---|---|
 ナトロン湖南側の衛星画像 |
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| 所在地 | タンザニア・ケニア |
| 面積 | 600 km² |
| 周囲長 | - km |
| 最大水深 | 3≧ m |
| 平均水深 | - m |
| 貯水量 | 0.35 km³ |
| 水面の標高 | - m |
| 成因 | - |
| 淡水・汽水 | 塩湖 |
| 湖沼型 | - |
| 透明度 | - m |
ナトロン湖（Lake Natron）は、アフリカタンザニア連合共和国の北部に位置する塩湖。大地溝帯に位置し、北部はケニア共和国と国境が横断している。水深は浅く3mに満たない。湖の幅は水位の変動によって異なっている。
[編集] 変化する色彩
ナトロン湖は、その非常に高い蒸発率によって特徴的な色彩を見せる。乾季の水が少ない時期は、湖水の塩分濃度が上昇し、塩分を好む微生物が成長するレベルに達する。塩分を好む微生物として、藍藻などや水中で成長して植物のように自ら光合成をする小さなバクテリアなどが存在している。その藍藻などが持つ赤い色素が、湖一面に広がる深い赤みを生み出し、浅瀬をオレンジ色に染めていえる。湖面に発生するアルカリ塩の固形物も、湖に住む塩分を好む微生物によって時として赤やピンク色に染まる。
[編集] 生物
ナトロン湖は人間による影響が危惧されているコフラミンゴの唯一の繁殖地になっており、大地溝帯に住む250万羽のコフラミンゴがナトロン湖で繁殖を行う。湖の塩分が増加すると藍藻もその数が増えてゆき、コフラミンゴの群れを助けることとなる。コフラミンゴたちは湖の周囲に生息し、赤い色素を持つ藍藻スピルリナを食べる。ナトロン湖は、過酷な環境であったがゆえにコフラミンゴの繁殖地を脅かそうとするものたちの侵入を防ぎ、唯一の繁殖地となっている。
ナトロン湖の泥の中は摂氏50度に達し、雨が降ると湖水のアルカリ性はアンモニアと同程度のpH9～10.5に達する。こうした中で生息するコフラミンゴよりも驚くべきなのは、ティラピア（オレオクロミス・アルカリクス）が湖の端にある温泉の入口に生息しているという事実である。
2001年7月4日、ナトロン湖の生物の多様性を鑑み、ナトロン湖流域（ナトロン湖盆地）の22万haあまりが国際的に重要な湿地のラムサールリストのに指定された。
[編集] 人間による自然環境への影響
現在、ナトロン湖に流入する淡水が増加し、塩分濃度のバランスが脅かされている。その原因は、流域での山林伐採の計画と水力発電所の計画によるものである。これらの開発計画の中には、湖の北端に淡水を食い止める堤防の建設も含まれているが、生息地での塩分希釈という脅威は、今なお深刻である。
ナトロン湖への新たな脅威として、湖岸に開発が検討されているソーダ灰工場がある。この施設では、湖からポンプで水を汲み上げ、炭酸ナトリウムを抽出したうえで輸出用の石鹸を作るという。またこれに伴って1,000人以上の労働者が住むことになるほか、工場などのために石炭による火力発電所も設けられる予定になっている。
英国王立鳥類保護協会のアフリカ担当者であるクリス・マギンは、「希少なフラミンゴが、このような危機に直面してもなお繁殖を続けるという可能性は、ほぼゼロに近い。この開発はアフリカ東部で絶滅の危機に瀕しているフラミンゴを見捨てるものだ」と語っている。現在、20の環境保護団体がこの開発計画を止める活動を世界的に行っている。
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