トーテム
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トーテム(英語:totem)とは、自分たちの「部族」や「血縁(血統)」に野生の動物や植物などが特別に関連していると信じていることである。
トーテムは生物に限らず、落雷などの自然現象に対する信心もこれに含まれ、同時に「動物や植物の一部分」をトーテムとする場合があり、例としては「ウサギの足」であったり、「植物の根(マンドレイク)」であったりする。現代社会においてはしばしば迷信と混同して認識される。
また、トーテムとはいう語句は信心そのものを指すのあって、それは「信仰の根拠」である。トーテムを根拠として信仰・崇拝することは「トーテミズム(トーテム信仰)」とし、これはトーテムを「信仰の対象」としていることを指す。
20世紀におけるトーテムの重要な批判者に文化人類学者のレヴィ・ストロースがいる。レヴィ・ストロースは、これまで神秘主義的なまどろみとされていたトーテムを、一定の理論性を持った為政者による部族団結の装置と考えた。精神分析創設者のフロイトにはトーテムとタブーという論文がある。
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[編集] 語源
トーテムは19世紀の人類学者ガラティンの造語であり、ネイティブ・アメリカン(インディアン)・オジブワ族(Ojibwe)のオジブウェー語に由来するといわれる。
[編集] トーテミズム(英:Totemism)
トーテムを信仰の対象、基礎とし、崇拝する信仰体制を指さして「トーテミズム(トーテム信仰)」と呼ぶ。また、食のタブーにも結びついている。
ただし、これはある一定の「トーテム信仰である特徴」に該当している宗教形態全てを指すのであって、一つの宗教、または固有の宗派を指して用いられるのではない。
トーテミズムは主に未開社会や古代文明に多くみられるが、発展を遂げた社会に身をおきながら、同族間の伝統、儀礼として現代でもトーテミズムを継承している地域も存在する。
トーテミズムの具体的なものとしては、カナダ西海岸部のインディアン部族が製作したトーテム・ポールがあげられる。これは崇拝の対象や、父祖の霊を彫り物として表現し、偶像化したものである。
また、アメリカのインディアン部族には、氏族(クラン)を「狼」や「亀」、「ざりがに」といったトーテムで分けたものが多い。またトーテムから姓名を引用するものもあり、こうした習慣は大自然や超常現象から特別な力と加護を授かりたいと願うトーテミズムのひとつだともいえる。
[編集] トーテミズムの世界的な例
[編集] 古代中国
古代中国の殷王朝は青銅器の生産と加工が盛んであり、遺跡からは動物を模ったものが大量に出土した。これら鋳造の青銅器へ施された動物のモチーフや銅像は古代中国において祭政一致の「神権政治」が行われていたことの裏付けだとされ、世界で最も古いトーテミズムのひとつである。
[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク
- Bronze Age China - National Gallery of Art
- (百科事典)「Mysticism」 - スタンフォード哲学百科事典にある「トーテム」についての項目。(英語)