トヨタ・オリジン
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
オリジンとは、トヨタ自動車が発売していた限定車である。
車両型式(かたしき)は「JCG17」で、CG10系・プログレの一員であることを現している。
目次 |
[編集] 概要
2000年11月にトヨタ自動車生産累計1億台達成の記念車として1000台限定で発売したもので、プログレをベースにし、外観を初代クラウンRS型のイメージに近づけたモデルである。アルテッツァやブレビスともある意味姉妹車である。
[編集] スタイル・機構
基本性能はベースとなったプログレと同じで、センチュリーの生産ラインから厳選された熟練スタッフが製造を担当した。プログレと違い外装全体に曲面が多く、量産型プレス成形では初代クラウン風の再現が難しく分割成形し、フロントフェンダーとグリル部分のパネルは継ぎ目がなく独自の接合と技が用いられた。塗装も手磨きによる水研ぎ全面研磨を行い、深みのある色とし、センチュリーと同様の手間がかけられた。設定色はライトグレイッシュブルーマイカメタリックモリブデン、ブラック、ブルーマイカの3色。
搭載されるエンジンは直列6気筒3000ccDOHCのVVT-i搭載2JZ-GEに4速ATが組み合わされている。ボディーはプログレよりプラス全長60mm、全幅45mm、全高20mmと一回り大きく、モチーフになったクラウンRSの特徴である観音開きのドアやボリューム感豊かなボンネット、グリル等も再現されている。しかしその外見に反し、レーダークルーズコントロール、VSC等の最新技術に基づいた装備が多数施されている。
この車も「クラシック」と同様に外装は手作業により制作され、新造部品がほとんどだが、内装に至っては基本的にプログレのままで新造部品は少ない。しかし、素材と工作精度にはこだわり、本革シートは縫い目のピッチまで変更し、本木目等も専用に高級材質も厳選して使用した。メーターは専用の配色に変更され、プログレと同様に、オプティトロン(自発光式)メーターとなっている。
手作業による部分が非常に多いので、プログレの姉妹車というより5ナンバーベースのセンチュリーといった位置づけとも言える。しかし、クルマとしての基本である動力性能をはじめ、基本装備等はプログレウォールナットパッケージと同一であり、非常に金と手間をかけた初代クラウンをモチーフとしたパイクカーとも言える。
[編集] 販売
- 東京地区車両本体価格は700万円と、同時期のUCF20後期セルシオのC仕様Fパッケージの670万円よりも高価であった。
- 同時期に販売されていた、プログレNC300iRバージョン・ウォールナットパッケージは375万円。
- 生産台数が1000台と限定されており、あまり見かける事のない希少車である。
[編集] 車名の由来
英語で「起源」の意。
[編集] 販売店
トヨタ系列販売店全店。(トヨタ店、トヨペット店、トヨタカローラ店、ネッツ店、2004年にネッツ店との統合で廃止となったトヨタビスタ店)