トゥール (バンド)
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トゥール(Tool)は、アメリカ合衆国のロックバンド。プログレ的とも形容される、重厚な音楽世界が特徴。映像面においても特異な感性を披露している。
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[編集] 来歴
- ロサンゼルスにてアダム、メイナード、ダニー、ポールの4人で結成。
- ライブを行うようになる。一度行う毎に確実に客数が増していったといわれる。
- メジャー・デビュー。1stEP『Opiate』をリリース。4曲目の「Cold and Ugly」と5曲目の「Jerk-Off」の2曲はライブ音源であるが、これはバンドを結成して最初に行ったライブを録音したものである。アルバムは当初、ニルヴァーナと比較された。
- ロリンズ・バンド、レイジ・アゲインスト・ザ・マシーン、コローション・オブ・コンフォーミティ等とギグを行い、着実に人気を高める。
- 1stアルバム『Undertow』をリリース。ロラパルーザ'93に出演する。最初は小さなサイドステージで演奏を行っていたが、そのパフォーマンスが話題を高め、ツアーの途中からメインステージに格上げされた。そのツアー中にはレイジ・アゲインスト・ザ・マシーンやアリス・イン・チェインズらと共演もした。
- ポールとの折り合いが悪くなりクビに。後任にジャスティン。ポールはその後Lusk、Replicants等のバンドでアルバムを製作する。音楽性はトゥールとは似つかぬポップな路線。Replicantsにはメイナードもヴォーカルで参加している。
- 2ndアルバム『Ænima』をリリース。全米初登場2位を記録する。Failure、The Melvins等と、10月よりワールドツアーを行う。以前は馬の鬣のようなモヒカン頭をしていたメイナードが、このツアーよりスキンヘッドに。そして更に彼は理解不能でクレイジーな種々のファンションを身に付け熱唱し、ファンを喜ばせ、そしてプレスを狂わせた。
- 4月でツアーを終え、夏にはロラパルーザ'97に出演をする。共演はコーンやプロディジー等。そのパフォーマンスは凄まじく、バンドはこの頃アメリカに於いて完全に神格化されていた。短期間だけの刊行となった日本のへヴィーロック専門音楽雑誌GUSHのVol.2で、マシーンヘッドのロブ・フリンはトゥールの事を聞かれ、「Fucxxxxk'n God!! 神様的存在だからな!彼らは!」と答えた。
- 当時の所属レコード会社に契約上のトラブルから訴えられる。
- 勝訴した後にVolcano Entertainmentに移籍。Tool Dessectionalを立ち上げる。
- 途中ミニツアーを敢行、そしてOzzFest'98にも出演している。
- コーチェラ・フェスティバルに出演する。メイナードはこの年、親友のビリー・ハワードエルとア・パーフェクト・サークルを結成し、そちらのバンドもフェスに参加した。
- メイナードはア・パーフェクト・サークルでの活動を続ける。だがトゥールに関しての情報は一切流れなくなってしまい、解散説も囁かれた。そんな中突如、ライブCD『Salival』がリリースされる。
- そしてバンドは遂に沈黙を破り、3rdアルバム『Lateralus』をリリース。全米初登場1位を記録し、リリース後一週間で50万枚を売り上げる。そしてキング・クリムゾン、メシュガー、Fantomas、Melvins、Tricky等とワールドツアーに。途中7月30日にフジロック・フェスティバル'01で初来日。メイナードは全身に青色のペインティングを施した姿で登場する。そして流暢な日本語MCがファンの涙を誘った。7曲目「Sober」の前に「自分自身に問いかけろ…」。8曲目「Parabola」の前に「ポジティブな何かを生み出せ。その気持ちを 忘れるな…」そして最終曲(10曲目)Lateralusの前に「また会おう」と、日本のファンに再来日を約束。
- その言葉通り、4月に初の単独日本公演を行う。その後はMelvins、Tomahawk、Meshuggah等とツアー。
- 前作と同じく5年間ファンを待たせ、4thアルバム『10,000 Days』をリリース。全米初登場1位。
- ワールドツアーを開始する。オープニングアクトにはIsis、Mastodon、Kinski等。このツアーよりメイナードの頭は再度モヒカンに。だが昔とは違い、髪はツンツンに立っている。途中8月12日と13日にサマーソニック06(ゼロシックス)で来日演奏。MCで2月の来日公演を予告する。
- サマーソニック06(ゼロシックス)での予告通り、2月に単独来日公演を行う。
[編集] メンバー
- オハイオ州ラヴェンナ生まれ。本名ジェームス・ハルバート・キーナン(James Halvert Keenan)。
- 若い頃、思いつきで陸軍に入隊した事がある。
- ライブでは奇抜な衣装を身に纏い、奇天烈な動きを披露したりする。
- ボーカルとしてのスキルも高く、『Lateralus』収録曲では40秒以上にわたるシャウトをみせている。
- かなりのワイン好き。2004年にアメリカの専門雑誌からコレクターとして認定され、2006年にはオリジナル・ワインまで発売している。
- 別プロジェクトのア・パーフェクト・サークル(A Perfect Circle)やプシファー(Puscifer)でもボーカルをつとめている。
- イリノイ州生まれ。子供の頃からヴァイオリンを習い、ハイスクール時代はオーケストラでコントラバスを担当していた。
- 元オーディオスレイヴ/レイジ・アゲインスト・ザ・マシーンのトム・モレロとはハイスクール時代の同級生で、Electoric Sheepというバンドを結成していた。非常にダークかつヘヴィなプレイスタイル。元々は映画製作の職についており、ジュラシックパークなどを手がけた。ライヴでの映像やプロモーションビデオ、アルバムジャケットなども全てアダムが手がけており、ファンの間では「TOOLの音楽はアダムの映像世界のサウンドトラック」という声も多い。
- カンザス州パオラ生まれ。10歳頃からドラムを習う。
- カンサスシティの音楽芸術学校に通い、大学でも音楽を勉強していたが当時所属していたバンドのツアーを機に中退。ロサンゼルスに引っ越してきてメイナード達と出会う。
- Pigmy Love Circusという別バンドを立ち上げており、アルバムも発売している。またAPCのツアーでオープニング・アクトも務めた。
- イギリス生まれ。農場育ちで羊飼いの仕事をしていた。
- ニューヨークでメンバーと出会い親密に。Toolのヨーロッパ・ツアーでは彼のバンド、Peachが前座を務めた。
- ポールの脱退を機にオーディションを受け、Toolに加入した。
- エフェクトを多用するプレイヤーであり、ベースでありながらもギターのようなサウンドを鳴らす。そのため一聴しただけではギターと勘違いしてしまうフレーズも多い。
[編集] ディスコグラフィー
[編集] アルバム
- Opiate
- Undertow
- Ænima
- Salival
- Lateralus
- 10,000 Days
[編集] 日本公演
- 2001年 フジ・ロック・フェスティバル '01
- 8月12日 大阪、13日 東京(幕張)
- 2月8日 Zepp Osaka、9日,10日 Zepp Tokyo、12日 CLUB CITTA'、14日 名古屋ダイアモンドホール
[編集] 外部リンク
- TOOL - 公式サイト