テーブルタップ
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テーブルタップは、コンセントから離れた場所の、あるいは複数の電気器具に電源を供給するための電気器具。
通常はコードがあり片側にプラグ、反対側にコンセントがついていおり延長コードともいう。コードが無くその場で複数に分岐するものはコーナータップ、トリプルタップという。
自身も電気器具だが単なる配線であるので理論上、電力消費はない。
コンセントの口数が一つで単純に延長するだけのものもあるが、一般的なものは複数の口数がある。家庭用のものとしては容量が125V、15A、1500Wで3口付のものでコードは数メートルのものがよく使われる。目的により口数の多いもの、アース端子のついたものなどもある。
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[編集] 付加的機能
付加的な機能として次のようなものがある。
- 抜け防止
- プラグを差し込み、ややひねるとロックがかかり抜けないようにするもの。プラグ先端に開けられている穴を利用する。
- 全体に対するものと個々のコンセントに付いている場合がある。こまめにON-OFFができることから待機電力の削減に有効。
- パイロットランプ
- テーブルタップ自体に電源が来ているかを示す。ネオン管が使われることが多い。前項のスイッチとの連動となっている場合も多い。
- 蓋
- 中の接点部分に埃や虫が入るのを防ぐ。
- 保護回路
- プラグ側にもコンセントがついているタイプ
- 元のコンセント位置での分岐が可能。
- マグネット
- 鉄製の机やロッカー類に付けるためのものである。
アースや上記機能のいくつかが付いて4口程度以上のものはOAタップと称することもある。OAタップにはコンセント部分以外にアース線をつなぐ端子を持つものもある。
[編集] 特殊なもの
- 巻き取り型
- 電工ドラムやコードリールと呼ばれる。前者は工事現場など屋外で用いることが多く電線の被覆も丸形で頑丈なもの(キャブタイヤケーブル)が多い。ただしこれらの被覆は熱に弱いため、使用時にはコードを全て引き出して使用しないと発熱により被覆が溶け、短絡、発火の恐れがある。
- 後者は家庭用テーブルタップの巻き取り型を指すことが多い。
- 近年オフィスビルなどでは多数のコンピュータなどの配線を容易にするため床に空間を持たせている場合が多い。そういった場所用のタップの場合プラグが通常ものではなく専用のコネクタあるいは大元の電源ケーブルに直結する場合もある。
- 容量、コンセント数も多く、ラックに半固定して用いる。コンセントバーと呼ばれる。アース、抜け防止付で10口以上あるのが普通である。
[編集] 使用上の注意点
容量を超えた使用はもちろん御法度である。多段に使用して大量の電気器具を繋ぐことを俗にたこ足配線といい危険である。また一般的にはコードを束ねることも熱をもつのでよくないとされる。
他に水分や埃にも注意が必要である。それらを通じて漏電し発熱、さらに発火に至ることがある。これをトラッキング現象と言い、火災の原因の一つとなっている。蓋付のものはこれの防止目的である。未使用のコンセントに刺すプラグ型の蓋も別途商品として販売されている。
[編集] その他
コードとプラグ、コンセントが組み立て式のものあるが、現代では樹脂封止のものが多く一般の人がコードだけ延長したり修理するのは困難となっている。英語では Power strip といいテーブルタップは和製英語と思われる。