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ゼルダの伝説 夢幻の砂時計 - Wikipedia

ゼルダの伝説 夢幻の砂時計

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

ゼルダの伝説 夢幻の砂時計
The Legend of Zelda: Phantom Hourglass
ジャンル ペンアクションアドベンチャー
対応機種 ニンテンドーDS
開発元 任天堂
発売元 任天堂
人数 1~2人
メディア DSカード
発売日 日本の旗 2007年6月23日
アメリカ合衆国の旗 2007年10月1日
欧州連合の旗 2007年10月19日
オーストラリアの旗 2007年10月24日
価格 日本の旗 4,800円(税込
対象年齢 CERO: A(全年齢対象)
ESRB: E(Everyone)
PEGI: 3+
OFLC: G(General)
売上本数 日本の旗 約88万本
その他 ニンテンドーWi-Fiコネクション対応
  

ゼルダの伝説 夢幻の砂時計』(ゼルダのでんせつ むげんのすなどけい、The Legend of Zelda: Phantom Hourglass)は、任天堂開発・発売のニンテンドーDS専用ゲームソフト


注意以降の記述で物語・作品に関する核心部分が明かされています。


目次

[編集] 概要

ゼルダの伝説』シリーズの一作。2006年E3で公開され、2007年6月23日に発売された。

ゲームのジャンルを「ペンアクションアドベンチャー」と銘打っており、ニンテンドーDS特有のタッチペンによる操作を前面に押し出している。 ストーリーはゲームキューブ用ソフト『ゼルダの伝説 風のタクト』の直接の続編にあたる。キャラクターデザインも同作と同じく「猫目リンク」と通称されるアニメ調のもので、3Dで描かれたグラフィックはトゥーンレンダリング処理がされている。ゲームの流れもやはり『風のタクト』と同様で、一定の海域上を船で移動し、点在する島々に上陸してからは主人公のリンクを直接操作し島やその中にある迷宮を探索する。

ジャンル名にも謳われているとおり、キャラクターの移動や攻撃など、主要な操作のほとんどがタッチペンに割り当てられていることが大きな特徴である。ボタンで行える操作はメニューの表示などのショートカットに過ぎず、内蔵マイクなどを使う特殊なイベントを除き全ての操作がタッチペンだけで完結する。

メモ機能もまた特徴的である。本作ではニンテンドーDSのいくつかのゲームと同じく、上下のスクリーンのうち上側に地図を表示しているが、この地図にプレイヤーが手書きのメモを自由に記入することが可能となっている。

本作ではシリーズ恒例のハートのかけらやあきビンの収集、サイフの成長が廃止され、代わりに船のパーツのコレクション、カスタマイズ要素が新たに追加されている。剣の成長はあるが、盾の成長もなく謎解きよりもタッチペンを要するアクション要素が強い作品となっている。

表題である「夢幻の砂時計」は、本作に登場する重要な道具のひとつである。この砂時計は、本作で繰り返し挑むことになる迷宮「海王の神殿」にかけられた、侵入者の命を徐々に吸い取る呪いを、その砂が落ちきるまでの間だけ防ぐことができる。砂時計の制限時間内に効率よく攻略するために、上述のメモ機能の活用が想定されている[1]

[編集] タッチペン

先に述べたとおり、本作ではタッチペンを主要な操作方法とする。主人公のリンクを移動させるには、タッチスクリーン上で移動したい方向を押さえ続ければよいし、敵に剣で斬りかかるには単純にその敵をタッチすればよい。各種のアイテムを使用する場合も、ブーメランであればその軌跡を画面にタッチペンで描くことでその通りに飛ばすことができるなど、直感的で自由な操作が可能になっている。

開発過程では、従来の十字ボタンによる移動の方が快適であればタッチペンの導入を断念することも考慮されていた。しかしながら、開発が進むにつれ、タッチペンの操作に問題がないことが分かったばかりか、タッチペンを利用した新たなアイデアが次々に生まれたという[2]。タッチペン操作の導入は、従来シリーズで複雑化してきた操作をシンプルにし、かつ面白さを失わないという矛盾の解決を生み出したと、任天堂情報開発本部の青沼英二プロデューサーは語っている[3]。一方で、できれば十字キー(ボタン)操作も入れてほしかったという従来のファンの声も少なからず存在する。

[編集] メモ機能

前述のタッチペンを使い、地図や海図に自由に文字や図形を書いたり消したりすることができる。書いたメモは地図および海図に表示され、プレイヤーはメモを元にゲームを進めることができる。なお、ボス面など一部の地図には書き込むことができない。従来の『ゼルダの伝説』シリーズでは、謎解きに際し何かを覚えておく必要のあるものは作れなかったが、メモ機能の導入により、ゲーム内の随所に謎解きのヒントをちりばめ、全世界を謎解きのフィールドとすることが可能となった[1]

[編集] 対戦モード

本作には1人用の本編のほかに2人用の対戦モードが収録されている。攻撃側のプレイヤーはリンクを操って、マップ上に散りばめられた三角形の物体「フォース」をより多く自陣に持ち帰ることが目的となる。対して防御側は、3体のモンスター「ファントム」に進むルートを指示し、リンクを捕まえることが目的。

ニンテンドーWi-Fiコネクションを利用した対戦では、国内のだれか・世界のだれか・国内のライバル・世界のライバルのいずれかから対戦相手を選択できる。

[編集] 途中切断への対策システム

[編集] ストーリー

海賊のかしらである少女テトラとその手下たち、そして緑衣の少年リンク。一緒に冒険を続けていた彼らは幽霊船に遭遇しテトラが連れ去られてしまう。リンクは彼女を助けようと幽霊船に飛び移ろうとしたが海に落ちてしまい、流れ着いた島で妖精シエラとシーワンという老人と出会う。リンクはテトラを救うため、その島で出会った船長ラインバックとともに幽霊船を探す冒険に旅立つ。

[編集] 前作との関係

前作『ゼルダの伝説 風のタクト』より数か月後という設定で、ゲーム開始直後に前作のあらすじが紹介される。前作とは数人の登場人物が共通するのみで、ストーリー上では前作の知識は要求されない。お約束のラスボス、ガノンドロフは前作で海に沈んだため、あらすじのイラストでしか登場しない(ガノンドロフという名前もでていない。魔王と説明されている)。

[編集] キャラクター


注意以降の記述で物語・作品に関する核心部分が明かされています。


リンク松本さち
物語の主人公。緑衣を纏ったプロロ島出身の12歳の少年。テトラを助けるため、幽霊船を探す旅に出る。このリンクがゲームに登場するのは三回目で、シリーズ中最多登場のリンクとなった。
シエラ(声:水橋かおり
倒れていたリンクを見つけた妖精。昔の記憶を失っている。『時のオカリナ』に登場したナビィのような声であり、発売前はナビィではないかとファンから言われていた(声が似ているのは単に声優が同一人物だからであって、シエラとナビィのキャラクターとしての関連は無い模様)。
テトラ(声:橘ひかり
海賊のかしらを務める、褐色の肌の勝気な少女。その正体はハイラル王国の王女ゼルダ姫であったことが前作『風のタクト』で判明しているが、手下の海賊たちが「ゼルダ姫」と呼ぶのを嫌い、変わらず接するよう求めている。
ラインバック
リンクと行動を共にすることになる船乗り。莫大な財宝が眠るという噂の幽霊船を探している。シリーズ初の人間の相方。リンクを連れて船を操縦することに徹する。口癖は「イヤッハーー!!」。
臆病で逃げ腰の、せこい性格のキャラクターとして描かれるが、リンクと冒険を共にするうちに心境に変化が見られ、最終的には勇気を見せる。今作では、ラインバックの心境なども描かれ、ある意味今作の主役のようにも見える。
あまり知られていないが、専用のBGMがある。
今作のディレクター・岩本大貴氏の分身だという話もある[要出典]
シーワン
メルカ島に住む謎の老人。何かとリンクたちの手助けをしてくれる。
なお、彼にも専用のBGMがある。
ジョリーン
女海賊(ただのコスプレともいわれている)。ラインバックの船をしつこく付け狙う。姿を見せようとしないラインバックの居場所を吐かせるため、リンクに勝負を挑んでくる。ラインバックとの関係が後に語られることとなるが…。コスプレ趣味のある妹がいる。
ベラムー
本作の最終ボス。本作の舞台となる世界の守護者である海王の力の源「フォース」を吸い取り、世界の支配を目論む。テトラはベラムーに捕らえられ石となってしまった。外見は人食い花の口に目があるような体から複数の足が生えた形。足の先にはそれぞれ目が付いている。
ファントム
海王の神殿で各階を巡回している鎧モンスター。ほとんどの攻撃が通用しない。つかまると夢幻の砂時計の残り時間が減らされ、攻撃を受けた場合は体力に関係なく一撃で倒されてしまう。青(ファントム)、赤(スプリンターファントム)、黄(ダークファントム)の種類がいて、それぞれ能力が異なる。元は、ベラムーによって姿を変えられた人間。
テリー
海上で船で店をやっていて、色々なアイテムを売ってくれる。金色のパーツなども普通に購入可能。

[編集] アイテム

本作ではシリーズ恒例のハートのかけらやあきビンの収集、サイフの成長が廃止され、代わりに船のパーツのコレクション、カスタマイズ要素が新たに追加されている。剣の成長はあるが、盾の成長もなく謎解きよりもタッチペンを要するアクション要素が強い作品となっている。

シーワンの剣
シーワンから貰った剣。初めて手に入る剣でもある。
前方からの攻撃を防いでくれる盾。よろずやで売っている。
ブーメラン
構えてから下画面に軌道を描くとその通りに飛ぶ。従来通りアイテムを引っ張ってくる事が可能なほか、灯篭の火を他の灯篭に移したりもできる。敵に当てると一定時間気絶させる。
バクダン
岩などを壊せるシリーズおなじみの爆弾。使用する時は設置地点をタッチする。もちろん自爆しないよう注意が必要。
弓矢
シリーズおなじみの弓矢。下画面をタッチすると、リンクを始点としてタッチした方向に直進する。背中に当てられれば、ファントムを一時的に気絶させることもできる。
ボムチュウ
ネズミの形をした自走型の爆弾。タッチペンで描いたルートに沿って走り、終点にたどり着くか敵などの障害物にぶつかると爆発する。小さな穴に入り込ませる事ができる。
かぎづめロープ
特定のポイントにカギつめを引っ掛けて移動できるアイテム。杭と杭の間にロープを張って橋にしたり、間のロープの反動で離れた場所にジャンプできる他、岩や壷同士を引っ掛けて破壊する事もできる。にわとり同士を引っ掛けると一定時間気絶する。ブーメランと同様にアイテムを引っ張ってくる事が可能で、一部の敵の装備を外す事もできる。
ハンマー
空中に浮いていて(シエラが持っている)、遠隔操作で少し離れた所でも叩けるハンマー。錆びて動かないスイッチを押したり、ジャンプ台を叩く事ができる。溜めると大きくなり強力なハンマーで攻撃できる。ガードが固い敵もこれを使えば楽になる。ファントムを誘き出したり、気絶させることにも使える。
スコップ
土や砂の地面を掘る事ができる。隠されたアイテムを発見する他、風穴を埋めたり掘り返したりもできる。
夢幻の砂時計
体力を奪われる海王の神殿の中でも、一定時間ダメージを受けなくなるアイテム。初期は10分だが、ダンジョンのボスを倒したりして時の砂を入手する事で時間が延びる。消費した時の砂の力は太陽に当たる(ダンジョンから出る)と元に戻る。
夢幻のつるぎ
深緑・紺碧・緋色の3種のハガネで作られた刃と、夢幻の砂時計が融合して出来た剣。今まで倒せなかった敵(ファントムなど)を倒せるようになる。

[編集] ダンジョン

本作のダンジョンは、幽霊船以外、全て名前が「○○の神殿」になっている。

レベル ダンジョン 階数 地域 アイテム ボス
1 炎の神殿 5 (1F - 5F) 火の島 ブーメラン 火焔幻術師 ブレイズ
2 風の神殿 3 (B2 - 1F) 風の島 爆弾 竜巻魔空魚 フーオクタ
3 勇気の神殿 5 モルデ島 弓矢 甲殻巨大種 レヤード
4 幽霊船 4 (B3 - 1F) 北西の海 無し 地獄四姉妹 キュバス
5 ゴロンの神殿 5 (B4 - 1F) ゴロン島 ボムチュウ 重機動鎧竜 ボンゴロンゴ
6 氷の神殿 5 (B2 - 3F) 氷の島 カギつめロープ 氷炎双頭竜 グリオーク
7 ムトーの神殿 6 (B3 - 3F) 遺跡島 ハンマー 古代巨岩兵 オーイス
8 海王の神殿 14 (B13 - 1F) メルカ島 海図 夢幻魔神 ベラムー
  • ゴロンの神殿と氷の神殿とムトーの神殿は順不同で攻略可能。
  • 海王の神殿は初期から潜入できるが、ストーリーの進行(アイテムの入手)に従って深い階に進めるようになる。

[編集] 地理

本作の世界は、十字に区切られた4つの海域に分かれ、島が点在している。

一部の島の名前は地図の図法が由来となっている(メルカ島ならメルカトル図法など)。

北西の海 北東の海
  • サウズの島
  • ボヌン島
  • 名も無き島
  • 風の島
  • メイズ島
  • 死者の島
  • 遺跡島
南西の海 南東の海
  • メルカ島
  • モルデ島
  • 大砲島
  • 火の島
  • ほこらの島
  • ホリホリ島
  • 氷の島
  • ゴロン島
  • ドゥエス島

[編集] 航海

各海域の島々は港に入港が可能で、航海して港と港の間を移動する。 初期状態では、出発点であるメルカ島の存在する南西の海域のみを航行可能で、ストーリーの進行に伴い新たな海図を入手することで他の海域への移動が可能になる。

  • 海図上に線を引き、その通りに船は進む。途中で一時停止したり、線を引き直すこともできる。
  • 途中、敵が出てくるので、後に手に入る大砲で攻撃して倒すか逃げることになる。初期から登場する敵はジャンプして避けられる。
  • 商人や旅人、海賊、ジョリーン(後に登場)の船が航海している。
    • 海賊やジョリーンに見つかると、追いかけられて攻撃され、接近されると船内に乗り込まれてしまうため、その場合は、船内で通常のダンジョンと同じ形で攻撃して排除することになる(旅人の船も海賊に乗り込まれていることがあり、リンクが乗り込むと戦闘に突入する場合がある)。
    • 海賊船は、攻撃して沈める事ができるが、ジョリーンの船は攻撃できず逃げるだけとなる。
  • 船にもダメージポイントがあり、ゼロになると沈没してゲームオーバーになる。パーツを付け替えることにより強度向上が図れる。付け替えはメルカ島の造船所でできる。
  • 海図に載っていない島もあり、その島に近づくことによって、ラインバックが島を確認(プレイヤー目線で見つけた時点ではなく、一定の距離まで近づく必要あり)し、海図に記録され、入港が可能になる。
  • ある場所において、「羅針盤」を入手することができる。ある特定の模様を描く事で決まった場所に移動ができる。ショートカットとして使うほか、ジョリーンや敵から逃げるのにも有効である。
  • 後にサルベージアームを搭載することにより、海図上の×マークの上で、海底の宝を探索(サルベージ)できる。宝箱やシャベルで地面を掘ることで宝の地図を発見でき、その場所に×マークが記録される。海賊船を沈没させる事により現れることもある。アームにもダメージポイントがあり、岩礁や敵にぶつかると破損、最終的には使えなくなってしまうが、造船所で有償修理が可能
  • 後に釣り竿を手に入れることにより、魚影の上で釣りができる。大物を釣っていくと、釣り竿の持ち主からアイテムなどがもらえる。
  • 海域にもボスキャラがおり、大砲を駆使して退治するイベントが数回自動的に発生する。前作での航海の退屈を少し改善している。

以上で物語・作品に関する核心部分の記述は終わりです。


[編集] 攻略本

[編集] 出典

  1. ^ a b "『ゼルダの伝説 夢幻の砂時計』開発スタッフが答える「新しいゼルダ」への疑問:ギモン3 (日本語)" Nintendo Online Magazine No.108. 任天堂: 7月 2007年. 2007年7月6日閲覧.
  2. ^ "『ゼルダの伝説 夢幻の砂時計』開発スタッフが答える「新しいゼルダ」への疑問:ギモン1 (日本語)" Nintendo Online Magazine No.108. 任天堂: 7月 2007年. 2007年7月6日閲覧.
  3. ^ "『ゼルダの伝説 夢幻の砂時計』開発スタッフが答える「新しいゼルダ」への疑問:ギモン2 (日本語)" Nintendo Online Magazine No.108. 任天堂: 7月 2007年. 2007年7月6日閲覧.

[編集] 外部リンク


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