スタンプラリー
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スタンプラリーとは、鉄道駅、道の駅、市内や観光地など、ある一定のテーマの中でスタンプを集める企画のことである。集めたスタンプに応じて、プレゼントなどの特典が与えられる企画もある。
広域に多数の店舗を持つチェーン店や、鉄道会社、旅行会社などが企画する他、地方都市の観光協会などが企画することも多い。また、特に企画があるわけではない(当然特典もない)が、個人的な趣味で行っている人も少なくない。
全国の(あるいは特定地域の、または巡礼霊場など特定テーマの)寺社を巡って御朱印をもらってまわる信仰行為などはこのスタンプラリーのある意味でのルーツである。
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[編集] 子供向けスタンプラリー
JR・大手私鉄・地下鉄事業者、バス事業者では、春休み・夏休み・冬休み期間中にスタンプラリーを実施することがある。様々な内容のスタンプラリーか開催されているが、この中には人気アニメや特撮、テレビゲームなどを起用したものもある。
[編集] ポケモンスタンプラリー
JR東日本では、毎年小中学生の夏休みの期間にあわせ、首都圏の主要駅にアニメポケットモンスターの登場キャラクターのスタンプ台を設置するという企画を行っている。1997年から2001年・2002年を除き、毎年行われている(2001年はディズニーキャラクターのスタンプラリーを実施したために、代替企画として湘南新宿ライン開業記念の特別スタンプラリー・「ポケモン・ハッピースタンプコレクション」を実施した。しかし、開催回数にはカウントしていない。2002年は「ポケモン・ハッピーアドベンチャーラリー2002」として開催し、特製のポケモンカードeを集めるものだった。こちらは、開催回数にはカウントしている)。
1997年は東京都区内の30駅、1998年からは山手線内の10数駅に設置されていた。2003年から「ホリデー・パス」の範囲まで広がって83駅に。その後徐々に増えて2005年の開催では97駅に100種類が設置され、人気キャラクターのスタンプ台が設置された駅では連日長蛇の列ができていた。2007年は95駅に設置された。2004年以降、全スタンプの内2つはJR東日本グループである東京モノレールの駅にも設置された。
参加には専用パンフレットと各駅までの乗車券が必要。2005年には一部の駅で日によってスタンプの種類(ポケモン)が変わることがあった(たとえばカビゴンとゴンベ)。2006年、2007年は一部の駅でポケモンの種類がシークレットとなり、スタンプを押すまでどのポケモンなのかまったくわからない。
初年度の1997年は東京都区内の30駅のスタンプを2日以内で全て集める形式だったが、翌年からはスタンプ設置駅を1日で全て集める形式となった。2003年以降は何駅にも設置されている中から好きな駅のポケモンのスタンプを数種類集める形式になっている。なお、スタンプラリー終了時の景品の引き換えは東京駅、新宿駅、池袋駅、品川駅、上野駅、松戸駅で行う。その際に残りの駅のスタンプを集められるスタンプ帳が配布される(2004年以降)。すべての駅のスタンプを、スタンプ帳と先に集めたパンフレットと合わせて期日までに事務局に送ると、認定証と記念品が贈られる。
スタンプラリーの実施期間にあわせて山手線では、車体にポケモンのキャラクターのステッカーを張り、車内の広告や液晶広告画面をポケモン関連に統一した「ポケモントレイン」を運転している(2004年は中央・総武線(各駅停車)で運転し、2006年以降は東京モノレールでも運転)。
なお、1998年にはJR東日本の仙台市周辺で、1998年~2000年にはJR西日本(アーバンネットワークエリア)、2001年には名古屋鉄道と西日本鉄道、2003年、2006年には大阪市交通局、2004年には阪急電鉄、2007年には名古屋鉄道・JR西日本(アーバンネットワークエリア・広島山口エリア)でもそれぞれ行われていた。
また、2005年からコンビニエンスストア大手のセブン-イレブンも同じ名称のポケモンスタンプラリーを開催している。
[編集] ツアー形式のもの
西日本旅客鉄道(JR西日本)では通常のスタンプラリーの他に、旅行商品とセットになった形式のものも開催しており、その場合はスタンプは特定の路線の各駅ではなく特定の観光地のあらゆる場所になる。現在は『NARUTO -ナルト-』が起用されており、過去には『名探偵コナン』や『金田一少年の事件簿』が起用されたこともある。旅行商品は四国旅客鉄道(JR四国)でも発売される。
[編集] りそなめぐり
りそなめぐりとは、旅行に関する趣味の一つで、旧あさひ銀行(りそな銀行、埼玉りそな銀行)を訪問・預金(入金)し、「くらしの通帳」へ当該銀行本店・支店の本店・支店名印字をしてもらうものである。略称りそめぐ。銀行の旧称を使って「あさひ巡り」と呼ばれることも多い。
旧あさひ銀行の店舗では現金自動預け払い機で入金すると通帳に本支店名(かつては、店舗外ATMの出張所名まで正確に表示されていたのでそこまで行くマニアも存在したが、現在は管轄する母店が表示される。また、「りそなパーソナルステーション」内のATMも支店コードが母店と同一の場合は母店の表示となる)が漢字で印字されるので、それを収集する人もいる。当然のことながら旧大和店でも可能である(旧あさひ銀行側ベースのシステムに移行したので、現在では旧あさひ支店同様にできる)。なお、旧大和銀行でも支店名は印字される(一部では、後述するみちのく銀行同様カタカナ表示となる)が、店舗外ATMの出張所名までは印字されず、母店名で印字される。他行出し入れをした場合はその銀行名が印字されるか金融機関コード-支店コードの印字(後述)がなされる。
利用不可もしくは利用許可が必要な支店に衆議院支店・参議院支店がある。(りそな銀行#銀行の概要に設立理由がある)
- 参議院支店は参議院議員会館にあり、一般客窓口から来訪できるが、警備上の都合により利用不可の場合がある。
- 衆議院支店は衆議院第一別館内にあり、受付の警備上の都合により正当・特別な理由でない限り利用が不可能である。
その他、地方銀行などでも同様のことができる場合がある(みちのく銀行、大垣共立銀行など。みちのく銀行の場合は口座店でも表示される。特に、みちのく銀行の場合は「みちめぐ」とも呼ばれている)。一方、香川銀行(2007年1月のシステム更新の際に支店名印字が廃止された)のように以前はできたが現在はできなくなったケースもある。
埼玉りそな銀行とは別会社になったためか、りそな銀行の口座所有者が埼玉りそな銀行で出し入れを行った際には、支店名ではなく(0017-***)の統一金融機関コード-支店コードの表記がされる(他行出し入れと同じ。近畿大阪銀行で出し入れ→後日通帳記入の際も同様のコード表記がなされる)。同様に、埼玉りそな銀行の口座所有者がりそな銀行で出し入れを行った際にも、(0010-***)の表記がされてしまう。 旧協和埼玉銀行のシステム統合前には、一時的に「店番***」の表記が見られた(旧埼玉のカードで旧協和のATMを利用すると印字された)が、システム統合が行われた時点で本来の表記に戻っていた。それが現在では、グループ行とはいえ別会社なので、システム上他行扱いにしているものと思われる(ただし、摘要欄の表記は従前通り)。
[編集] ミスタードーナツ巡り
ミスタードーナツ巡り(みすたあどうなつめぐり)も旅行に関する趣味の一つで、ミスタードーナツを訪問・商品300円以上を購入し、店名付きミスドカード(旧ラッキーカード)を貰い集めることである。
旅行貯金を趣味としている人が行う例が多い。
細かな点においては、愛好者によって考え方が異なる。
- ショップ名改称前後を別店とみなすか否か
- 店舗移転前後を別店とみなすか否か
- 店番号変更前後を別店とみなすか否か
- サテライトショップを認めるか否か
2006年11月26日に「ミスドカードキャンペーン」が終了しミスドカードの配布は終了した。同年12月1日に「ミスドクラブ」が全国スタートし、ポイントカード制に移行した。店番付きミスドクラブカード(ポイントカード)やレシート、クーポン付き広告などを貰い集めるようになった。
[編集] ローソン巡り
コンビニエンスストアの大手チェーン店であるローソンを巡る人もいる。略称「ローソン巡り」。
ローソンは日本でいち早く全都道府県進出を果たしたコンビニエンスストアであるため、旅行先で見かける機会が多く、旅行の食料品調達のついでに巡る。また元系列会社であったOMCカードで精算した場合、月締め請求書に支店名が明記されるので訪問管理がしやすい。
注意されたい店舗は下記に示す。
- 大学内の店舗…大学関係者以外の立ち入りが禁止されている区域に有る場合がある。
- 高速道路パーキングエリア内の店舗…高速道路利用で無いと利用できない場合が殆どである(高速道路外からの来訪が例外を除いて困難な為)。
- 成田空港店…詳しくはこちらを参照されたい。
- 舞浜bfs店他、企業施設内の店舗…企業関係者のみしか利用できない場合が多い(舞浜bfsは東京ディズニーリゾートのバックステージにあるキャスト専用店。一般客の訪問は不可能に近い)。詳しくはローソン#その他を参照。
[編集] カレーハウスCoCo壱番屋巡り
カレー料理の最大手チェーン店であるカレーハウスCoCo壱番屋を巡る人もいる。略称「ココイチ巡り」。
テーブル上にあるアンケートはがきに店名ゴム印と店番号が押印されており、狭義にはこれを集めて訪問の証とする。また新規開店時には種々の記念品が配られ、これを集めるために全国を駆け回る人もいる。以前は黄色いマグカップだったが、最近は靴下など多様化している。例えば、2005年11月24日にオープンした2138JR武蔵浦和駅東口店では笛のついたストラップであった。
[編集] 市町村役場巡り(住基ネット巡り)
住民基本台帳ネットワークに参加している地方公共団体(市区町村)同士では、お互いに住民票を取ることが可能である。例えば、北海道稚内市に住民登録している者が、沖縄県石垣市で住民票を取ることもできる。このシステムを利用し、全国の市区町村役場・支所出張所を訪問して自分の住民票を取得し、コレクションする趣味がある。住民票用紙は各自治体独自のもので(無地の場合もある)、デザインが異なったり、市区町村印(公印)の書体の違いなどバラエティがあるなど良い記念になるため、いろいろ集めて回る人もいる。市町村合併があるところでは名称が変わる旧市町村の最終日や、合併新市町村の初日(但し初日については新市町村発足から数日間住基ネットが止められている場合があるので手にするのは難しい)、政令指定都市に移行するため、市長名の住民票の発行最終日とかという特別の日付にこだわる人もいる。極めて特殊な事例としては、市区町村長が在職中に逮捕・急逝・辞職したりして空席の場合、末尾の発行者たる首長名が二本線で抹消され「職務代理者」(一般には助役が代理する)と変えられることがある。
スタンプラリーではないが類似した趣味と言える。また、同時に広報紙を集めることもある。
- 特殊なデザインの住民票
- 手数料はいずれも2008年1月現在。
[編集] 入出国記録集め(旅券のスタンプ集め)
旅券(パスポート)に押される出入国確認のスタンプが集まるうち、いつしかスタンプ収集が目的となってしまう。隠れた愛好家が多い。種類を多く集めようとする者、同じスタンプが重なっても数を多く集めようとする者もいる。スタンプそのものは無料。
下記のような者もいる。
[編集] 記念メダル集め
著名観光地には記念メダルの販売機(1個400~600円)と刻印機がある事もある。これを買い、刻印機で訪問日を打って保存する者もいる。
[編集] 俗称
多数の企業同士が契約を交わすときには、契約書を作成しその契約書には各社の社印を押さなければならない。契約事務の担当者が各社を回って社印を押してもらうのである。社印を押してもらうため各社を回ることを俗にスタンプラリーと呼ぶ。 ひどいものになると、同じ社内の稟議書類に申請元担当係員課長部長、関係課長部長、調達部門の課長、さらには経理部門の担当係員課長部長と言う長旅を伴うものもある。
[編集] 関連項目
- 納経印(御朱印)
- 四国八十八箇所
- 風景印
- 郵便局巡り
- 駅スタンプ
- 道の駅
- サービスエリアパーキングエリアスタンプ
- 餃子の王将(ぎょうざ倶楽部)
- 領収書
- OVA『究極超人あ〜る』 - JR飯田線スタンプラリーをテーマとしている。
[編集] 外部リンク
- STB 駅スタンプ
- 鉄道趣味のページ 駅スタンプの説明や画像など
- 記念メダルの茶平工業