スクリプター
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スクリプター（scripter）とは、映画の撮影現場において、撮影シーンの様子や内容を記録・管理するパートである。「記録」という呼び方もする。
[編集] 概要
映画やテレビドラマの撮影では、シーンやカットを台本順ではなくバラバラの順番で行うことがある。例えば、出演者AとBとが向かい合って対話するシーンを仮定すると、Aを正面から撮る部分とBを撮る部分とでは、照明の当て方やカメラアングル等がまるで異なる。ところが、それらのセッティングをやり直すには、相当の時間と労力が必要となる。そこで、まずはまとめてAがしゃべる部分だけを撮影し、次にBだけを撮影し、編集でそれらをつないで対話シーンにする、という形が通常である。
また、「AとBとが並んで家に入る」というシーンでは、屋内部分はロケを行い、屋内はセットで撮影するということも珍しくないが、その際に「どちらが右(又は前)か」「手には何を持っているか」「服装は何か」などが統一していないと、後で編集する際にちぐはぐなことになってしまう。(「つながらない」と呼ばれる状態になる)
さらに、撮影期間がタイトで、各出演者のスケジュールの調整がつかない場合、AとBが同時に揃っていなくても、その場に居ない者をボディ・ダブルとして、「Aがメインの部分」「Bがメインの部分」に分けて撮影を強行することさえある(特に、テレビドラマに多い）。
そこで、先行する撮影時におけるあらゆる事象・物体・セリフ・撮影方法・時間・台本には書かれていない箇所などを記録し、それを後の撮影時にも再現させることで、連続したシーンとして成立するよう管理する職種が必要となる。これがスクリプターである。
一方、スクリプターは映画の所要時間の管理も行う。台本通りに撮っても、監督の演出方法によって、事前に想定された所要時間より長くなることがある。そうなると、所要時間枠に収まるよう編集するのに苦労することになるからである。
撮影がクランクアップしてからも仕事は続く。ポストプロダクションにおいて編集に立会い、本編完成後も、これまでの撮影・演出内容を全て反映させた「完成台本」をまとめる。
ちなみに、かつての松竹では、セカンド助監督がスクリプターを兼任することとなっており、それをうまくこなすことが、チーフ助監督、さらには監督への昇格条件の一つとなっていた。現在でも、松竹が主体となって製作する映画においては、専門職としてのスクリプターを置かず、セカンドが兼任しているケースが見られる。
[編集] なり方
当該職は、圧倒的に女性が多い。男性の多い撮影現場において、現場のコーディネイター的役割も担っている。また、映画・テレビのスタッフの例に漏れず、フリーランスがほとんどである。映画関係の専門学校から助手として修行していくのが一般的である。
