ショートケーキ
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ショートケーキ (英語:shortcake) は洋菓子のケーキの一種。ただしその形態は国によって異なる。
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[編集] 日本式のショートケーキ
日本では、スポンジケーキを土台に、ホイップクリームをつなぎと外装に、そしてイチゴを味付けに使ったものを「ストロベリーショートケーキ」といい、一般にはこれを単に「ショートケーキ」ともいう。イチゴ以外の食材を使ったものは通常その食材の名を冠して、「バナナショートケーキ」「ピーチショートケーキ」などという。
日本ではこの種のケーキが最もポピュラーで、ケーキ屋やカフェでは外せない一品になっている。この「スポンジケーキ+ホイップクリーム+イチゴのケーキ」を大正時代日本に紹介してこれを広めたのは不二家だが、発案者が誰なのかは伝わっていない。
[編集] 作り方
直径18cm 丸型
[編集] スポンジケーキ
作り方については、スポンジケーキを参照。 |
[編集] クリーム・飾りつけ
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[編集] アメリカ式のショートケーキ
ケーキといえばヨーロッパというイメージが強いが、ショートケーキはそもそもアメリカ合衆国の庶民的な家庭菓子ショートケイク(shortcake)を日本風にアレンジしたものである 。
アメリカのショートケーキ (shortcake) は本来スポンジケーキではなく、「ビスケット」と呼ばれるパンとケーキの中間のようなものを土台にしている。これは小麦粉の生地にショートニングやラードを加え、重曹とベーキングパウダーで膨らませた、外側はサクサクとして内側はふっくらとした食感のあるパン/ケーキであり(形容詞 short には「サクサクしている」という意味もある)、英国のプレーンのスコーンとよく似ているが、スコーンと較べて軽くあっさりしているのが特徴である。甘めに味付けしたビスケットを横半分に割って刻んで砂糖をふったイチゴを挟み、その上にさらにイチゴやホイップクリームをトッピングすることが多い。
日本にこのアメリカ式ショートケイクが紹介された当初、それは日本人の持つ「洋菓子=高級」という感覚に合致するものではなかった。そこで誰ともなしに (ただし不二家によれば不二家が最初に) スポンジケーキをビスケットの替わりに使うようになったのだという。
なおアメリカでも、大都市や洗練された街のケーキ屋に限っては「スポンジケーキ+ホイップクリーム+イチゴのケーキ」のことを ストロベリー・ショートケイクということがある。その由来には二説あり、アメリカでも誰かがビスケットのかわりにスポンジケーキを使ったところ好評でこれが定着したとするもの、日本式のショートケーキが逆輸入されてこれが外国文化の影響を受けやすい都市部に広まったとするもので、この両方とする説もある。なお、家庭でもビスケットの代わりにスライスしたパウンドケーキを用いることがあるが、日本のショートケーキとは全く形状が異なる。
[編集] フランス式のショートケーキ
フランスにおけるショートケーキは、スポンジはアーモンドが入ったしっとりとしたもので、つなぎや外装にはクリーム、バタークリーム、クレーム・ムースリーヌなどが使われる。日本でも本格フランス菓子を標榜する店では、このフランス風ショートケーキをフレジエ (Fraisier、フランス語でイチゴの意) として出しているところが多い。中には主にイチゴをはさみ、ピンク色に染めて薄く伸ばしたマジパンで表面を覆うのが一般的である。