ケビン・ミトニック
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ケビン・ミトニック(Kevin Mitnick, 1963年8月6日 - )は、かつて最も有名だったクラッカー。
年少時に両親が離婚し孤独だったケビンはフリーキング(Phreaking:電話回線のクラッキングによる「タダがけ」など)に関心を示し、それからコンピュータのクラッキングを行うようになったという。
1994年12月25日から カリフォルニア大学サンディエゴにあるスーパーコンピューターセンターに SYNフラッド攻撃や、シーケンス番号が予測可能な既知の脆弱性を搾取して TCP コネクションをジャックし侵入に成功。/.rhosts の改竄にすら至った。
同大センター勤務の下村務協力のもと、1995年2月15日にFBIによって逮捕された。禁固5年・執行猶予4年の有罪判決を受け投獄され、2000年1月21日に釈放された。
どちらかというと、ソーシャル・エンジニアリングと呼ばれる手法を使ったクラッカーであり、釈放の後にFBIに協力し、企業のセキュリティを行うコンサルティング会社を設立。現在はセキュリティ側に回っている。2007年にメールの暗号化サービスを行うZenlok社が創業した際、同社のアミール・アヤロン社長が「ハッカーの目線でアドバイスしてほしい」と顧問就任を依頼。同社が事業をスタートするのに合わせて2008年5月15日に初来日し、メールの危険性について講義した。『欺術』という著書もある。
ケビンの犯罪を詳述した本に、ジェフ・グッデル(Jeff Goodell)著の「The Cyberthief And The Samurai」(杉浦茂樹訳、邦題『ハッカーを撃て!』、ティービーエス・ブリタニカ刊、書籍情報: ISBN 4-484-96105-9)がある。
ケビンと下村の対決は映画化されている(『ザ・ハッカー』・原題:Takedown)。