クラウンレコード1万円クイズ
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『クラウンレコード1万円クイズ』(クラウンレコードいちまんえんクイズ)は、日本クラウン提供のラジオ番組。いわゆる「帯番組」のなかでは最古参の部類に属する。
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[編集] 沿革
1967年、文化放送(NRN)をキー局に『クラウンレコード千円クイズ』の名で開始。インフレ進行に伴い、賞金を増額して『クラウンレコード1万円クイズ』に改称。1970年代半ば頃、キー局を同じNRNのニッポン放送に移転し、最盛期には全国32局でネットされていた。
被配信局は基本的に完パケ受け流しで同一内容だったが、制作元のニッポン放送では、担当ディスクジョッキー(DJ)の梶幹雄が生ワイド番組『梶みきおの昼休み天国』(1977年10月~1987年4月)を兼任していた時期に、同ワイド内の独立コーナー扱いで、ネット向けとは別内容の『クラウンレコード1万円クイズ』を生放送していた。即ち、テープネット或いは裏送り用の番組は、いわゆる同時パケ方式ではなく、生放送の前に別途収録していた事になる。
更に朝日放送においても、企画ネット扱いで、生ワイド番組中の独立コーナーとして生放送だった時期があるが、何れにしろ今週の推薦曲とクイズの内容は全国で同期されていた。
この間、懸賞金総額については「毎週お1人様に賞金1万円」(ネット局。後に独自制作局のみ「2名様」)、「毎月20名様に賞金1万円」(全国統一)、「毎日お1人様に賞金1万円」(全国統一)等と微妙に変化している。応募葉書の宛先は当初「【有楽町の旧ニッポン放送の住所】か、今お聞きの放送局のクラウンレコード1万円クイズの係」と案内されていたが、読み上げ時間節約のため、独自制作局を除き「今お聞きの放送局のクラウンレコード1万円クイズの係」に途中から短縮された。
1980年代後半、『クラウンレコード・ラッキープレゼント』にリニューアルする同時に、テーマ曲に『函館の女』のインストを採用。1万円の賞金を、自転車やバスタオルセットといった賞品に変更した以外は、【クラウンレコードの新曲及び注目曲の紹介(依然演歌が多く、ポップス系の曲が流れるのは極く希)】→【季節の話題を交えた軽めのトーク】→【クイズの課題曲】という番組構成に変化はなかった。
なお『ラッキープレゼント』に改編後暫くして、DJの梶に加え村上幸子、真咲よう子ら日本クラウン専属の若手女性演歌歌手がアシスタントとして登場するようになったが、テコ入れも虚しくリニューアルは不評に終わり、その後再び、従前の『クラウンレコード1万円クイズ』に題名と内容を戻したものの、梶がニッポン放送を退職しフリーになった1992年頃、昭和の終焉を追うように一旦は四半世紀に亙る歴史に幕を降ろす。
ところがニッポン放送は、『クラウンレコード1万円クイズ』と同じ枠で番組内容も酷似した『東芝EMIミュージックスクランブル』を、競業社の東芝EMIをスポンサーに付けて新規に開始し、NRN系列局向けに裏送りし続けて現在に至る。
本家の『クラウンレコード1万円クイズ』は、10余年に亙る中断を経て、2004年春改編から再び文化放送をキー局に復活した。クラウンレコード(日本クラウン)専属歌手の新曲・推薦曲を紹介し、それに因んだ簡単なクイズを1週間連続で出題する、3分枠の番組形式は不変である。但し、ネット局数は以前と比ぶべくもない。
[編集] ネット局
2008年1月現在
- STVラジオ 平日12時51分~ 『喜瀬ひろしのどんと歌謡曲』内
- 東北放送 平日14時55分~ 『YAGIYAMA発 ラジオな気分』内
- 文化放送 平日11時25分~ 『くにまるワイド ごぜんさま〜』内
- 東海ラジオ放送 平日10時45分~ 『かにタク言ったもん勝ち』内
- ラジオ大阪 平日13時10分~ 『ほんまもん!原田年晴です』内
- 九州朝日放送ラジオ 平日12時40分~ 『PAO〜N』内
[編集] 関連項目
- 『ミュージックスクランブル』
- 『こんにちは青空たのしです』(1983年開始の類似番組。栃木放送・かしわプロダクションの制作で、NRN東北~関東広域ネット)
- 『お元気ですか北島三郎です』
- 『サブちゃんと歌仲間』
- 『小堀勝啓のわ!Wide とにかく今夜がパラダイス』(CBCラジオ)
- 1970年代よりCBCラジオでは「1万円クイズ」をネットしてきたが、1980年代に入ってからも同局は、既に昼間の主婦向けに特化した内容となっていたにも拘らず、なぜか若者向けの時間帯である21時台に、ずっと「1万円クイズ」を編成し続けてきた(当時のネット局で、夜にこの番組を編成していたのは、唯一同局だけだった)。その流れから、「わ!Wide」が開始されるとそのまま「1万円クイズ」も組み込まれていった。
- 当然ながら、「わ!Wide」においては異彩を放つ『コーナー』となったが、そんななかで当時、デビュー曲の“超ロングセラー”「兄弟船」が、「1万円クイズ」→「ラッキープレゼント」でヘヴィー・ローテーションのごとく幾度も流れたことから、「わ!Wide」リスナーの間で鳥羽一郎が注目を集めるという、思わぬ副産物も生んだ。
- 『橘家圓蔵のハッピーカムカム』(ニッポン放送)
- 中根幸夫 - 芸能評論家。「ラッキープレゼント」時代の当番組に不定期に出演し、その時々の歌謡界に関する解説を行った。